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令和7年11月19日(第4286号)
読書レビュー『ユング心理学入門』ー第一章 タイプ(その2)ー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2653字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
先日より『ユング心理学入門』を読み解いております。本日も続けてまいります。
本日はタイプ論の具体的な内容について踏み込んでいる第1章の後半のパートです。
MBTIの基本的な考え方を網羅している内容にもなっているため、興味がある方は面白く読めるパートではないかと思います。
それでは早速参りましょう!
■一般的態度とは ー内向と外向ー
ユングは異なる2つの一般的な態度があると考えました。
ここで一般的態度というのは、同じ事象を見たときに、ある人の関心や興味が外界の事物や人に向けられるパターン(外向的)、逆にその人の関心が内界の主観的要因に重きを置くパターン(内向的)と表現しました。
例えば、新しい場面に入るときの行動では、外向型の人は常に適当に行動できるのに対して、内向型の人はどこかぎこちない感じがつきまとう。
外向型の人はそれほど深く考えないのに、適当に話しかけ、適当に黙り、その場に前からずっといたかのように自然に振るまう。
一方、内向型の人は戸惑いを感じ、「こんなことを言ってあおられるかもしれない」と思って黙ったりする、などと述べられています。
他にも外向的な人は子供の時に得をすることが多い(友達付き合いが上手なため)、内向的な子供は幼稚園や小学校低学年で困惑を感じることが多いが、心配すべきことではないなど。
それぞれの特徴があるものの、この一般的な態度は「普通は両方の態度ともに持ち合わせている」と述べられます。しかしながら、大体はどちらかの態度が「習慣的に現れ、片方はその影に隠れている場合が多い」とも述べます。
よって、ある一人の人を外向型とか内向型と類別することが可能であると言われます。そして、この2つの型は生まれつきの個人的素質によるものであると考えたということです。
その理由は、両者が社会的偶然の差や精査によって無関係に生じること、またその個人の素質を態度逆転させると著しく疲労現象が現れることなどから、そのように結論づけているということです。
■望ましい態度は、時代や文化の影響を受ける
また興味深いところとして、「環境の圧力」というものがあると言います。例えばある集団(社会や時代や家庭など)が、どちらか一方の態度に高い価値判断を置く傾向があるということです。
例えば、西洋においては外向的態度のほうが肯定的に語られ、社交性に富む、適応が良いと評価されることが多い。一方、内向的態度は自己中心的・病的であるとさえ考えられることがあるそうです。
実際にアメリカでは「内向的」という言葉は、一般的には「社会不適応者」という意味を含んだ扱いを受けることもある、と著書に述べられています。
一方、東洋では少なくとも近世までは内向的態度が高く評価され、その内的な豊かさに価値が置かれていた。しかし最近は西洋の影響を受けて外向的態度を高く評価する流れになってきた、と述べられています。
こうした「世界の全体傾向として、外向的態度を重要視する事実が認められる」とも書かれていました。
ある方が外資系で働く上で「外向的な方が得をするからそのように振る舞っていた。けれども実際は自分は内向型だから無理をしていた」と述べていた話を聞きましたが、まさにこうした影響を受けた代表的な例だなと感じます。
■4つの心理機能
次に一般的態度とは別に、心理機能という心の活動形式を紹介しています。それは以下の4つです。
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・感覚(Sensation)と直感(Intuition)
・思考(Thinking)と感情(Feeling)
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「感覚と直感」は非合理機能とされ、現れてくるものをそのまま知覚する機能。何かの思いつきは自然と湧き起こるものです。
一方「思考と感情」は合理機能と呼ばれ、判断を下す機能。概念の規定を考えたり、良し悪しを判定したりすると述べています。より詳しく説明を見てみましょう。
●思考(Thinking)
その固有の法則に従って、与えられた表象内容に概念的なつながりをもたらす心理機能。その対象としては、感覚によって知覚される外的事実や、心の内部の無意識的・主観的なものに依存する。
●感情(Feeling)
与えられた内容について、受け入れるか退けるか、一定の価値を付与する機能。判断作用ではあるが、思考が概念的つながりを重視するのに対して、好き嫌い・深い浅いといった主観的尺度で行われる。
●感覚(Sensation)
生理的刺激を知覚に仲介する機能。
外向的感覚型の人は客観的事実そのものをそのまま蓄積する一方、内向的感覚型の人は刺激そのものより、それによって引き起こされる主観の強度を頼りにする傾向がある。
●直観(Intuition)
事物そのものより、その背後にある可能性を知覚する機能。
その過程は無意識の道をたどって生じ、どうして得られたのか他人にも本人にも説明しづらい厄介な性格を持つ。
そして、これら4つの機能は、「思考 対 感情」「感覚 対 直感」というように、という対立関係にあります。
思考機能が発達している人は感情機能が未発達であり、逆も同じです。
こうした対立機能を「劣等機能」と呼び、弱いというより未分化(意識化されておらず発達していない)なものとされます。
知的に淡々と考える「思考型」の人が、つまらない美談に感激したりする(感情が爆発するように見える)のは、未分化な劣等機能が突然意識を越えて現れたと考えられる、と表現していました。
■意識と無意識は、補い合っている?!
また主機能と劣等機能が相互に補い合う関係も述べられています。
意識の態度に対して、それを補う動きが無意識に存在するという点が、ユングの理論では重要とされています。
例えば、「外向的直感型」の人がいたとします。その場合、直感によって得たものを適切に扱うため、思考や感情による判断の助けを必要とするそうです。
もしこの第二次機能の助けがないと、”直感的判断が裏付けのないものとなり、陳腐で退屈な理論になってしまう”など起こります。望ましくない結果です。
よって直感を主機能として働かせた上で、思考・感情・感覚を第二次・第三次・劣等機能として使うようになります。
これを示した表が非常にわかりやすく、MBTIを理解する人もこの像を理解しておくと「何が第二次機能で、何が第三次機能で、何が劣等機能なのか」がパッと見てわかるのではないかと思います。
改めて本書を読んで、ユングのタイプ論がどのような軸で考えられているのかが端的によくわかりました。まだまだ奥が深そうだなと思った次第です。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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【編集後記】
◯今月のランニング:160km
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