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令和7年11月7日(第4274号)
読書レビュー『カウンセリングとは何か』ー第2章 謎解きとしてのカウンセリング 不幸を解析するー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2356字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は1件のリーダーシップコーチング。
また午後からは企業のコンサルティングでした。
その他1件の打ち合わせと執筆でした。
また7kmのランニングなど。
*
さて、本日のお話です。
先日に引き続き、『カウンセリングとは何か――変化するということ』からの読書レビューをお届けしたいと思います。
本日は「第2章 謎解きとしてのカウンセリング ― 不幸を解析する ―」です。
読んでみた率直な感想は「すでに圧倒された」というものでした⋯。
この章では、カウンセリングが始まる最初の関所である「インテーク面接」について、その構造と実際のケースのようなものが提示されます。
この章題に「不幸を解析する」とあるように、カウンセリングに訪れる人は、自分や世界をどうにかしようと思ってもできなかったその果てに、心の問題に気づき、カウンセリングに救いを求めてやってきます。
その“責任感”という言葉では言い表せないような、独特の重さのようなものを感じる章でした。
それでは、さっそく内容を見ていきましょう。
■カウンセリングは「聞く」が目的ではない
カウンセリングというと「話を聞く」という印象があります。実際は「聞く」のですが、それだけではない、ということを著者は冒頭で強調します。
まず、カウンセリングとは「非常時の心」を取り扱います。晴れの日ではなく、雨の日の心。
そのときに何が起こっているのかを謎解きし、「理解」すること。
そして、理解の先には、”必要な心理学的介入を行って変化を促す”まで行うのです。そこに専門性があります。
つまり「話を聞く」のではなく「理解する」ことがポイントであり、それを専門的には「アセスメント」と呼ぶのだと強調されていました。
心を読むのではなく、さまざまな情報を集め、頭をフル回転させて心を解析していく。
それはまるで「謎解き」のような営みだと著者はいいます。
あらゆる専門家には「謎」を解く役割があります。
たとえば、エアコン修理業者は故障の原因(=謎)を探り、医師は病気の元(=謎)を見つけて治す。
同じようにカウンセラーも、心の謎を解き、解決へと導く存在であるとのこと。
その最初の診断にあたるのが、カウンセリングにおける「アセスメント」と説明されていました。
■インテーク面接とは何か
そして、カウンセリングで最初にクライアント(=カウンセリングを受ける人)が訪れる場、そしてアセスメントを対面で行う場が、「初診」であり「インテーク面接」です。
この前も含めて、カウンセラーは、専門性を発揮して“謎解き”を始めます。
著者によると、インテーク面接は少し長めの60分で設定されることが多いそうです。
その時間配分は次のようになります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
⑴ 相談申し込みから当日までの準備
⑵ 情報収集と解析(最初の40分)
⑶ 物語の処方(次の10分)
⑷ 戦略の交渉(最後の10分)
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この時間こそが、カウンセラーの真骨頂とも言える専門スキルが発揮される場面です。
本書では「相続問題をきっかけに苦しさを抱えたある女性」のケースが紹介されており、その描写が、静かながらもリアルなものでした。
関わるカウンセラーが1分1分が意味あるものとして、決してなんとなく聞くことはしないような、そんな真剣みが伝わるようなケース。
まさに「心理学的な専門性をもって相手を理解していく様子」が伝わってきます。
具体的な観点も紹介されるのですが、
「今の状況はどれほど緊急度が高いのか」
「すぐに対処すべきことか、それとも時間をかけて深掘りすべきことか」
などを見極めます。
場合によっては、必要な機関(警察や医療機関)などに相談することも検討します。
そうしたことを短時間で見極め、聞き取った情報をもとに“見立て(物語)”を共有し、今後どのように進めていくかを残りの20分で形にしていく。
プロの技、というと軽すぎますが、そんな迫力のようなものを感じます。
■個人的な感想
一言でいえば、「聞くことの重さが違う」と感じました。
正直、「話を聞く」スキル自体は、コーチングなど平時の心を扱う領域では割と一般的になっています。
しかし、カウンセラーが担う領域はまるで別世界。
そこには、心理学的な専門性、熟練したスキル、客観的に見る視点、心の安定感――そのすべてが、尊敬すべき能力であり、姿勢であると私は感じました。
(もちろん、カウンセラーにも様々いるのでしょうが)
カウンセラーは心理学的な理解を土台に、「聞くこと」や「言葉」を通じて相手の心に介入していきます。
そして、クライアントは、自分自身や周囲の世界に働きかけてもどうにもならず、最後の手段としてここにたどり着く。
その重さを抱えて臨む場面で、もし40分の面接がうまくいかなかったとしても、「まあ仕方ない」で済ませることはできない。
少なくとも私は、このケースを読みながら、その“責任の重み”をひしひしと感じました。
それがどれほど難しく、どれほど重たい営みなのか―
実は極めて専門的な仕事なのだと改めて想像させられる章でした。(それでもまだ入口です)
ここから先の第3章・第4章では、さらにこの入り口から深く潜っていく内容になるそうです。
一体どんな世界が待っているのか、とても楽しみです。
改めて、カウンセリングという営みの奥深さが少しずつ見えてきた気がします。
引き続き、ゆっくりと読み進めていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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【編集後記】
◯今月のランニング:73km
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