配信日時 2025/11/06 01:27

コミュニケーションとは「脳内伝言ゲーム」である【カレッジサプリ】

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令和7年11月5日(第4272号)


コミュニケーションとは「脳内伝言ゲーム」である


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2543字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は3件のコーチングの実施。
また夜は2ヶ月ぶりのピアノのレッスンでした。

全然練習できていないので、ひどいものですが、
レッスンを続けることで、ぎりぎり忘れることを避けられている、という感じです。
継続は、力なり、ですね。


さて、ここ数日、コーチングを実施しています。
その中で、少なくないクライアント(そして私自身も含めて)が、自分の内面的な世界観や価値観などを言葉にするときに、非常に躊躇したり、難儀に感じている様子に出会うことがあります。

言葉でコミュニケーションをすることの難しさを、改めて感じるこの頃。

今日はこの「コミュニケーション」というテーマについて、ふと思い出した「コミュニケーションモデル」というお話がありますので、この内容と人との意思伝達の難しさについて思うことを書いてみたいと思います。

それでは、どうぞ!



■言葉にして説明するのは難しい

最近しばしば目にするビジネスワード的なものに「言語化力」なるものがある気がします。
たとえば、『好きを言語化する技術』というのもとても売れました。『言語化力』という、ど真ん中のタイトルの本も出たりしています。

たしかに、自分の気持ちを言葉にするのは、難しいですよね。

話は変わりますが、企業研修の中で、しばしばレゴブロックを使って「自分の考える悪夢のような職場」や「自分がなりたくない“最悪のリーダー”」を表現してもらうことがあります。(ネガティブなお題だけではないですが)

たとえば「最悪の職場」と言っても、その“ギスギスした職場”という表現が、具体的にどんな雰囲気や関係性、風土を指すのか――それを言葉で表すのはなかなか難しいものです。

ところが、レゴなどの造形物や絵のように、イメージを即座に具現化する表現方法を使うと、不思議と伝わりやすくなります。

そうすると、参加者からよく出てくる感想が、「人の考え方の違いがすごくよくわかった」など。新しいコミュニケーション方法に、新鮮味を感じているようにも見えます。

おそらくそれは、「言葉では伝えられない・伝わらない他者の思考への理解」または「自分の言葉にできなかった思いへの理解」が深まったからだと思われます。



■コミュニケーションには、3つのプロセスがある

さて、ここで、人がコミュニケーションを行うプロセスを紹介した「コミュニケーションモデル」なるものをご紹介したいと思います。

ここに、二人の人がいるとします。一方が、自分の考えていることをもう一方に伝えようとするとき、そこには以下のようなプロセスが生じます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(1) 発信者による「記号化」
(2) メッセージの「伝達」
(3) 受信者による「解読」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それでは、順に見ていきましょう。


(1) 発信者による「記号化」

発信者は、自分が相手に伝えたいことを言葉にします。
しかし、「思ったことをそのまま言葉にする」わけではありません。

相手との関係性を踏まえて言葉を選んだり、あえて遠回しに伝えることもあります。また、その人の内面にある世界
――価値観や人生観、思考の癖などを、どのような言葉で表現するかという「記号化」も、意外に難しい作業です。

語彙の豊富さ、比喩の使い方、相手の理解力や立場を踏まえた表現の選択など、言語化は極めて繊細な作業と言えます。

言語化って、難しいですね⋯。


(2)メッセージの「伝達」

次に、記号化された内容が実際に相手へと届けられます。
話し言葉であれば、声が空気を振動させて相手の聴覚に届きますし、視覚的な情報として伝えられる場合もあります。

しかし、周囲の雑音や、オンライン会議での通信環境の悪化などによって、メッセージが途中で途切れたり、正しく届かないこともあります。
つまり、この段階でもエラーが起こり得ます。

あと、ずっと集中してするのもむずいので「ごめん、聞いてなかった!」なんてことも、実際良くあるものです。


(3) 受信者による「解読」

そして、受け取ったメッセージを、受信者が自分の中で「解読」します。

このプロセスで難しいのは、受信者の価値観や人生観、世界観が大きく影響するという点です。

たとえば、発信者が「ギスギスしている職場」と表現したとします。
しかし、「ギスギスしている」という言葉の持つ意味は、相手によって異なります。

ある人にとっては“冷たい沈黙の多い職場”を意味し、別の人にとっては“意見をぶつけ合う活発な職場”を意味するかもしれません。

同じ言葉でも、受け取り手の中で全く違うイメージとして再構成される――これが「解読のズレ」であり、いわゆる“誤解(エラー)”が生まれる瞬間です。



■まとめ:コミュニケーションとは「脳内伝言ゲーム」である

こんなモデルでコミュニケーションを見てみると、「発信者が適切に記号化すること」も難しければ、「受信者がそれを正確に解読すること」もまた難しいことがわかります。

言葉という記号を介して人が意思を伝え合う以上、それぞれのプロセスで何かしらのエラーは起こるものであり、100%の純度で伝達することは、本質的に不可能である、とも言えます。

実際の伝言ゲームほど荒くなくとも、コミュニケーションの発信者と受信者の脳内で「脳内伝言ゲーム」が行われているとも言えるかもしれません。

▽▽▽

そして、こうした構造を理解すると、私たちはコミュニケーションを行うときに、できる限り丁寧に「記号化」と「解読」のプロセスを踏む必要があることに気づきます。

ゆえに、たとえば、繊細な内容や誤解を招きそうな表現を使うときには、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・複数の角度から説明して誤解を防ぐ
・相手の理解を確認しながら進める
・自分の言葉の背景(こだわり・価値観)を明示する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

といった工夫が必要になると思われます。

また、「あの人はこういう意味で言っているのだろう」と勝手に想像するのではなく、きちんと確認すること。
その“ひと手間”が、コミュニケーションのズレを防ぐための最も大切な要素なのだと思います。

言葉は便利でありながら、もっとも誤解を生みやすいツールでもあります。
だからこそ、私たちはその「記号化の限界」を意識しながら、相手と丁寧に向き合う姿勢が求められるのかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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 【編集後記】
◯今月のランニング:54km

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