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令和7年10月27日(第4243号)
ミュージカルの本気の稽古から「ハイコンテクストなフィードバック」の凄みを感じた話
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2564字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
先日、大学院関連の学びの場で「音楽座ミュージカル」さんの舞台稽古の見学と、
身体を使ったワークショップを体験する機会をいただきました。。
今回は、初めてプロの劇団の稽古を目の前で拝見しましたが、職場などで行うフィードバックとは違う、“
アート的な観点”からのやりとりもあり、そのハイコンテクストな世界に、考えさせられ、感銘を受けておりました。
今日はその体験から感じたことを、共有させていただきます。
それでは、どうぞ!
■ミュージカル✕人材開発ワークショップ
音楽座は『リトル・プリンス』などの舞台を自主運営で行っている劇団で、特徴的なのは劇団公演にとどまらず、年間100社以上で企業研修を行っているそうです。
チームビルディングや新入社員研修などの場で、プロの俳優が演じる「リアルな上司役」や「葛藤する若手社員」などのロールプレイが高く評価されているそうです。
実際に役者の皆さんの佇まいを拝見しても、一瞬で聴衆を引き込むその演技の迫力から、多くの企業様から支持されるのも納得してしまいました。
少し前に、上田先生の「プレイフル・ラーニング」という場でも感じたのですが、歌ったり踊ったり、身体で表現することを通じて、
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・「言葉にならない感情を身体で表す」
・「身体を使うことで、短時間でも深いつながりをつくる」
・「自らのリミッターを意図的に外す」
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といった言葉にはならない力を強く感じました。
今回もまさに、身体性を伴った学びの力と、演劇が持つ素晴らしい可能性を体感した時間でした。
改めて、プロ集団のすごさを感じました。
■ハイコンテクストなフィードバック
さて、ワークショップのあと、20名ほどの俳優の方々によるミュージカルの稽古シーンを見学しました。
クライマックスと思われる場面で、全員が歌い踊る。その迫力と熱量に、圧倒されました。
しかし、その後に行われた“フィードバック”の時間が、特に、私にとっては考えさせられる、インパクトがあるものでした。
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・「首から上だけが力んでいて、固くなっている」
・「振り付けの大事な部分を忘れてしまっている」
・「決めるところを決められず、流れてしまっている」
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どれも、演じている本人たちにしかわからないような微妙な感覚の違いに見えます。
でも、不思議なことに、聞いているメンバーが「確かにそう感じる」「わかる」と共鳴するように、うなずいていく。
そして一定の合意が得られたような空気の上で、再度、同じシーンの稽古が始まると、素人の感覚かもしれませんが、より魅力的な踊りと歌へと洗練されたように感じて、驚くのでした。
■「何が起こっていたのか」を考えてみた
後ほどで質問してみると、もちろん俳優の方々は、「自分たちの動きを映像で撮影し、客観的に見て修正を重ねる」という、技術的なフィードバックももちろん行っているそうです。
しかし、この日のフィードバックは、「動きの正確さ」ではなく「自分自身の内面の身体感覚」を、それぞれが、似たような言葉で語っているようにみえました。
人は、感覚を言葉という記号に置き換えて、交わすもの。しかし、その言葉は人によって意味が違うものです
。だから、人と人が全く同じように理解し合い通じ合うのは、感覚と言葉が100%の純度で受け渡せないから、やっぱり難しいもの。
ですが、プロの皆様の対話では「超ハイコンテクストなフィードバック」の中で、合意が生まれ、それが結果につながっているように見えました。
違うニュアンスの言葉だけど、何か共鳴しているようなものがある。
何が起こっているのかはわかりませんが、自分の卑近な経験と照らし合わせながら、解釈しようと思ったとき2つのことを思いました。
◎演者だけがわかるハイコンテクストな感覚がある?
私事ですが、その時に思い出したのが、自分が習っている「ピアノの発表会前の練習」のシーンでした。
練習していたときに、先生から「もっと高音のメロディを”ブリリアント”に鳴らしてみてください」と言われました。
その瞬間は、何のことやらと思いつつ、先生の指導通りにタッチを変えて音の輝きが変わった経験に、自分でも驚いた経験があります。その曲を弾き始めた頃には、わからない感覚でした。しかし、技術が多少アップすると、当時は感じられなかった違いを、キャッチするアンテナが育つ。
もしかすると、歌や踊りも、そうした「磨いてきた演者同士だからわかる言語」があるのかもと思ったのでした。(違う気もしますが)
◎人々の空気の中で、答えが導き出されていく
また、俳優の皆さんは長い稽古や公演を通じて、共通の“ことば”や“文脈”が育まれているように思えました。
だから、なんとなく合意した空気の中で、ゆるやかに方向性が決まっていく動きがあるのかもしれません。
終わった後に、ある方に質問をしてみると、多くの組織にもあるように「ベテラン(実力を持っている人)」「思い入れが強い熱量がある人」などによって、何かが決まる流れができることも、もちろんあるようです。
ただ興味深いのが、ただその空気に流されるのではなく「思ったことは口に出す」ことを心がけており、「小さなグループで自分の意見を伝える練習しておく」ようにしているとのこと。
そうすることで、「いつもの流れ」になんとなく身を任せることは避けられるように工夫をしている、というお話が非常に印象的でした。
「演者としてのハイコンテクストな感覚の共有」✕「自分の意見を率直に伝える文化」✕「メタ的に自分を俯瞰する姿勢」。
それが、ハイコンテクストなフィードバックを適切に機能させる上での要素なのかもしれない⋯などと、勝手ながら妄想・想像をしてみたのでした。(繰り返しますが妄想です⋯!)
■まとめ:文化づくりが素晴らしすぎる
また、音楽座さんの中では、年齢や立場を越えたグループで互いをケアし合う仕組みがあるそう。全員が「俳優でありプロデューサー」。
つまり、自分の演技だけでなく、舞台全体の流れを俯瞰する視点を持っています。個人と全体の両方を見つめるこの仕組みこそ、健全な学びの文化を支えているのだと感じました。
ひとつのフィードバック文化の背後には、創設者の思想や、長年培われた文脈があります。そうした紡がれた素晴らしい文化を、垣間見せていただいたような、そんな経験でございました。
※音楽座ミュージカルさんの『リトル・プリンス』の公演を11月に行うとのことで、まだ少しだけ席があるそうです。お薦めでございます。
リトルプリンス | 音楽座ミュージカル
音楽座ミュージカルのリトルプリンスページです。
ongakuza-musical.com
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【編集後記】
◯今月のランニング:195km
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