配信日時 2025/10/26 05:56

オーケストラを観に行って、「アウラな学びの場」が大事と思った話【カレッジサプリ】

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令和7年10月25日(第4241号)


オーケストラを観に行って、「アウラな学びの場」が大事と思った話


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2123字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

先日は12kmのランニング。
また2件のアポイント、並びに研修プログラムの開発など。



さて、本日のお話です。

先日の夜、ロサンゼルス・フィルハーモニーのオーケストラを鑑賞しに行ってきました。

おおよそ四半期に一度、特に共通点もない不思議な3人でオーケストラを観に行くという会合が続いており、「謎の会」と称しています。
本当に、謎ですが、でもいつも楽しみな会です。

メンバーはその道に精通した哲学者と、クラシック愛好家かつ人生の先輩、一応ピアノは弾くけれどプレイ専門でクラシックに詳しくない入門者の私。
そんな3人でのオーケストラを鑑賞し、会話をする中で、色々と思うことがありました。

今日はその話を、ゆるっと記してみたいと思います。よ
ろしければお付き合いくださいませ。



■オーケストラの楽しみ方は、人ぞれぞれ

昨日はバレエ組曲『火の鳥』『春の祭典』などを聴いてきました。

事前に曲の背景や歴史を少し調べたり、今回で通算5回目のオーケストラということもあり、なんとなく慣れてきた感もあります。

これまで鑑賞してきた曲目、グスタフ・マーラーの一番、ラヴェルの展覧会の絵、ラフマニノフのピアノ協奏曲、ブラームス交響曲1番など。

曲目をみて、作曲家や指揮者の歴史などを事前に予習をして、国の歴史やオーケストラの特徴など、「新しい世界がちょっとだけ広がる」ことが好奇心が刺激されるのが個人的には面白いです。

ちなみに、愛好家の二人がどこをどう楽しむのかを観察していると、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・「トランペットの立ち位置がふつうと違う」
・「ロサンゼルス・フィルの開演前の自由っぷりがおもしろい」
・「ファゴットの高音がすごい」
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などなどを語っていました。

それぞれが知識のベースを持っているからこそ、ちょっとした違いを観察しているようにも見えます。
何度もいろんな演奏者や指揮者による曲を聞くことで「言葉にできない微妙な違い」を楽しむ、という楽しみ方も一つの方法なのでしょう。

先月いった「ベルリン・フィル・ハーモニー」では、鑑賞していた若者がヒューヒュー言って盛り上げていました。

ちなみに、別の方はずっと目を閉じていて(寝てる?ような人もちらほら見受けられる)、いろんな楽しみ方があっていいんだな、などと思ったりもしたのでした。



■複製時代の芸術は「アウラ性」が大事?

さて、オーケストラが終わった後に、3人で食事をしながら話をしているときに、ふとこんな話になりました。


「もちろん会場でなければ味わえない音圧や、ホールゆえの響きはあるけれど、
 もしそれを完璧に再現できたとしたら、アートの価値はどこにあるのだろう?」


というものです。

全然違う話のようですが、思い返すと、私は少し前にいとこが経営する産婦人科クリニックにある自動演奏ピアノで、自分の演奏を「録音モード」で記録したことがあります。
自分の鍵盤のタッチ感やタイミングまで、ミスタッチも含めて完全にコピーされた演奏データをストックできる機能です。
つまり、いわば“自分のライブ音源”です。(私の連発するミスタッチまで正確に記録してくれています笑。どうせなら修正してくれたらいいのに)

そうすると、音楽の価値とは何か、が気になるわけです。
そして、何がライブの価値なのか、も考えてしまいます。

そんな中、先述の哲学者の彼が紹介してくれたのが、
ヴァルター・ベンヤミンによる1935年の著書『複製技術時代の芸術作品』というものでした。

その中で語られる「アウラ」という概念が印象的でした。以下、簡単な説明です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「アウラ」とは、芸術作品が持つ「その場・その時間・伝統・唯一性」による雰囲気や権威のこと。複製された作品は、オリジナルが持つ「いま・ここ」の存在を失い、アウラを喪失する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※ウィキペディア『複製技術時代の芸術作品』


音楽は、まさにこの「アウラ性」が最も高い芸術のひとつだそう。
これを言葉にすると「この瞬間に偶然起きるかもしれないライブ感」にこそ価値がある、と言っているようにも思えます。

その瞬間にしか生まれない“場のエネルギー”を味わうことこそ、アートの醍醐味なのかもしれません。



■まとめと感想:アウラな学びの場

……とすると、複製があふれる現代において“ライブ感”を楽しむには、やはり「事前学習」が大事になるようにも思いました。

私が好きなアーティストのひとりは、ライブ前に演奏リストを公開しています。
あえて先に知っておくことで、その場で感じる“違い”を味わうため、という意図もあるそう。

そういう意味では、複製しやすい時代だからこそ、予習をして、それと比較するおもしろさを探究することが、体験をより深くするのだとも思ったのでした。

また重ねて、この考えを仕事に置き換えると、研修やワークショップもまったく同じだなと感じます。
eラーニングやオンラインなど、バーチャルな学びが容易になった今だからこそ、「ライブ感」を大事だなと。

その場に集う人たちがつくる“予定調和ではない瞬間”をどう育てるか。
そんな「アウラな学びの場づくり」(=いま・ここで生まれる学び)を意識して、これからも経験を重ねていきたいな、なんて思った次第。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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 【編集後記】
◯今月のランニング:195km

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