配信日時 2025/10/05 22:34

今週の一冊『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』【カレッジサプリ】

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令和7年10月5日(第4240号)


今週の一冊『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話  2354 字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

毎週日曜日は、最近読んだ本の中からオススメの一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナーです。今週の一冊はこちらです。

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『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』

針貝 有佳 著(PHP研究所/PHPビジネス新書)
https://amzn.asia/d/9cb4TVT
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デンマークの働き方を紹介した、一時期書店でよく目にしていた一冊です。

4時に帰っても成果を出す”というタイトルが目立つ一冊ですが、一つ一つ練られた言葉と、デンマークの考え方や実際のコメントがシンプルにまとめられている良書でした。

ということで早速中身を見てまいりましょう!


■本書の概要

本書は、「なぜデンマーク人は午後4時に帰宅しても高い成果を出すのか?」という問いを軸に、デンマークの働き方・組織文化・価値観を、著者自身の在住経験と現地取材をもとに描いています。

その根底にあるのは、「ムリしない・させない」時間管理とコミュニケーション、そして「信頼」に支えられた組織運営、生産性と幸福を対立させずに両立させる社会制度の存在などを網羅的に触れています。

以下、本書の紹介より引用いたします。
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福度調査でトップ3常連国である「北欧の幸せな国」デンマークは、2022年・2023年と2年連続で「国際競争力1位」に選ばれた。

千葉県よりも人口の少ない北欧の国が、なぜ世界と肩を並べるビジネス国に成長できたのか。デンマーク在住の著者がビジネスパーソンを取材してわかったのが、その生産性の高さ。DXを活用し、圧倒的スピードでプロジェクトをこなす一方で、午後4時に退社して家族との時間を過ごす。高い生産性とワークライフバランスを実現させる要因は、「ムリしない、させない」時間の使い方と職場の人間関係にあった。

デンマーク人は職場や家庭で生じる人間関係のイライラ・モヤモヤを自然なかたちで排除している。本書は、国際競争力が2年連続1位でありながら、仕事への満足度も幸福度も高いデンマーク人の働き方・コミュニケーション方法・仕事やキャリアに対する考え方を明らかにし、日本人も使える楽しい「働き方」を提案する。
現地のビジネスパーソンへの取材から働き方78のポイントを抽出、巻末には「デンマーク人から学ぶ『働き方のコツ』」リスト収録。
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Amazon本の紹介より



■目次構成

第1章ではデンマークがどんな国で、なぜ注目されているのかをデータも含めてシンプルに説明します。

また第2章では“時間に振り回されない人生”をテーマに、「ムリしない・ムリさせない」という時間観が語られます。

第3章では信頼を前提とした“任せるマネジメント”や、上下の垣根を越えた人間関係のあり方が紹介されています。

そして第4章では、転職が前提のキャリア観や、社会制度の支えといった
構造的な背景が丁寧に描かれています。

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まえがき
第1章 なぜ今、北欧のデンマークが世界から注目されるのか?
第2章 真の「タイパ」
第3章 生産性を生む「人間関係」
第4章 国際競争力を育む社会の「仕組み」
あとがき
巻末付録:デンマーク人から学ぶ「働き方のコツ」リスト
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■「ムリしない・させない」という働き方

本書の中で最も心に残ったのは、デンマーク人の根底に流れる「ムリをしない、そしてムリをさせない」という思想です。

日本では“頑張る”ことが美徳とされがちですが、デンマークでは「頑張りすぎない勇気」が尊ばれます。つまり、アリとキリギリスでいえば、キリギリス的考え方でしょうか。

家族が大事、そして大事なことはたくさんある。ライフの中にワークがあるから、ワークを第一義としない。ゆえに、残業を前提とせず、仕事の優先順位を明確にすることで、限られた時間の中に集中とゆとりを共存させようとする哲学が要所要所でみられます。

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・会議は25分や50分といった“半端な時間”で終える。
・上司は管理者ではなく、部下のファシリテーターである。
・信頼を土台に、任せることを恐れない…などなど。
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当たり前のようですが、大切な考え方ががたくさん含まれています。



■幸福と生産性を両立させる社会

デンマークでは、幸福(ウェルビーイング)と生産性を分けて考えません。

どちらかを犠牲にするのではなく、両立させることが“当たり前”の前提として社会がつくられています。

教育・医療・育児の制度が整い、男女共に子育てに取り組む。転職が一般的な環境の中で、人々は安心して挑戦し、失敗できるようにする。「失敗してもいい」という文化が、創造性と変化への柔軟さを育てています。

小国であるからこそ、変化に素早く適応する。
そんなスピード感もまた、デンマークの強みのひとつであるとされています。



■まとめ:真似できるところは真似するでよい

本書が好ましいのは、デンマークを“理想郷”として描かない点です。

大企業や外資系企業では会議が多く、実際には16時で帰ったあと、夜21時から、再び働く人もいる。もちろん、すべての会社が全てそうでもないし、サボりたがる社員だっている。

けれども、国全体として「16時で一度、区切りをつける」という時間のリズムを大切にしていると、もちろんキレイに見えるところだけではないところも、きちんと触れています。

著者は「文化も制度も違う日本で、すべてをそのまま真似ることはできない。けれども応用できることもあるよね」というスタンスが、個人的にはとても好きだな、と思いました。

こういう話をすると、短絡的に「デンマーク最高!」となりがちですが、そうした考えは、なんだかなあ…と思いがちです。日本は、その文脈の中で、立ち止まったりしながらも進んでいるということも認めるのも大事。

その上で、他国の素晴らしいところはそれをいかに融合するかを考えるのが大事なんだろうなと個人的には思うのでした。(当たり前の話ですけど)

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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 【編集後記】
◯今月のランニング:13km

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