配信日時 2025/10/03 22:02

研修転移を促すには「事後課題のタスク化」がよく効く【カレッジサプリ】

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令和7年10月3日(第4238号)


研修転移を促すには「事後課題のタスク化」がよく効く


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話  2054 字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

先日ヨーロッパの旅から戻りまして、早速「チームビルディング研修の実施」という、日常が戻ってきました。

今日は、そんな人材開発・組織開発の本業に戻る中で、「研修で学んだことは、時間の経過とともに確実に忘れていくもの」であり「実際に職場で実行してもらわなければ、結局のところ何も形にならない」というのは、改めて感じています。

そんな中で、最近、ピンポイントの研修を実施する際に、ほぼ必ずと言っていいほど組み込んでいる“ある「研修事前&事後ワークのタスク化」がやはり機能するな、と改めて思いましたので、今日はそのお話をしてみたいと思います。それでは、どうぞ!



■研修転移の王道「転移マトリックス」

研修で学んだことが実践されずに、「あれ、何やったんだっけ?」となる研修ほど、悲しいものはありません。

例えば、「組織の文化に強みを活かす」という研修を受けたとしても、自分の強みを研修で知っただけでは、組織のチームビルディングに役立つということはなく、やはり部下やチームでお互いの強みを開示したり、話し合ってこそ、上司と部下の関係性や、チームの心理的安全性への影響が生まれるものです。

「リーダーシップ研修」でも、実際に職場で自分が周囲に影響を与えるということを企画し実践をしなければ、リーダーシップを体感することはできません。「チームビルディング研修」においても、これは同じです。

では、それらの研修の実践をどのようにデザインすればいいのか。その参考になるのが、こちらの書籍です。


『研修開発入門 「研修転移」の理論と実践』
https://amzn.asia/d/doCDabj


そして、この本で示されているこの言葉が、王道であると強く感じてなりません。以下、書籍からの引用です。

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“研修前に職場のマネージャーは受講生と会話し、研修参加理由の明確化を行うことが必要です。研修に参加する受講生に対し、マネージャー自身がそのことに関心を持っていることを示すことと、参加する目的を伝えたり、受講生自身に聞いて考えさせたりすることが重要だと言うことです。”
P43
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また、「転移促進策」として一覧で事前事後にこうしたワークを行うとよいというものがまとめられていますが、個人的にこれらを設計すると、やはり研修転移は高まると感じます。

一方、これらのもの丁寧に実行している研修が、一体どれほどあるか、とも思います。



■研修前後に「タスク化」をするのが効く

さて、この著者のお一人に、「研修転移のポイントを一言でいうと、何か」についてお話を伺うことがありました。そのときの言葉が、印象に残っています。

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「研修後のワークは『タスク化』するのが一番です。
 できればやってくださいね、だと結局やらないんですよね…」
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とのこと。まあ、そうだよな…。と非常に納得しました。
そして、実際に最近の研修でも、受講者が面倒くさいと重たとしても、企画をいただいた人事の方とともに、研修転移の実効性を高めるために、次のような仕掛けを施していました。

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⑴「マネージャーになぜこの研修をやるのか、という動画を送り、それを見ていただく」
⑵「その上で、事前課題をマネージャーとともに受講生が取り組んでいただく」
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そして研修後も、

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「研修後、マネージャーと改めて対話し、アクションプランで決めたものを、1ヶ月後、3ヶ月後に実際にどれくらいできたかということを追いかけていく」
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という「タスク化」を実行しました。実際、このような検証作業は、企画側や受講生側に負担がかかるのではないか、という懸念から、しばしば敬遠され、行われないことも多いものです。
しかし、今回改めて実施してみて、参加者の様子などを研修中に見ると、参加者に「なぜこれをやるのか」ということをきちんと伝え、真摯に向き合えば、皆、少しでも職場を良くしていきたいという思いはやはりある、とも感じましたし、それによって、研修後のワークに向けた意識も高まっているように私に感じられました(結果は、1ヶ月後、3ヶ月後にならないとわかりませんが)。
もちろん、すべてが順風満帆といくわけではありません。
一筋縄ではいきませんが、真摯に設計し「従業員と職場自体に、こういうことを起こしていきたい」というメッセージをまっすぐ伝えることができれば、そして「タスク化」というのは「めんどくさいこと」ではなく「職場を良くする、良いきっかけになる」と、受け取ってもらうことも可能なのだろうと、改めて思ったのでした。



■まとめ:効果が出る研修は、ちょっと大変

私自身も運営側、実施側として研修を手掛ける時に、改めて強く感じます。

効果が出る研修は、周囲の巻き込みやアセスメント、事前事後の評価など、なんだかんだ、仕掛けることも多く、大変なものです。
しかしながら、そういったことを丁寧に考えるからこそ、狙った効果に繋がると改めて実感している今日この頃です。
ただ、こうした仕組みも、今は様々なシステムが開発されてきているため、以前よりも、容易になってはきています。

こうした事前事後の仕掛けやアセスメントなど、仕組み化してしまうことによって、皆が研修での学びを実践できるように仕掛けていきたい。そんなことを思った次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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 【編集後記】
◯今月のランニング:0km

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