配信日時 2025/09/27 00:23

デンマークにて「生産性だけを追い求めない暮らし」は大事だなと思った話【カレッジサプリ】

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令和7年9月26日(第4231号)


デンマークにて「生産性だけを追い求めない暮らし」は大事だなと思った話


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話  1885字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

引き続き、デンマークに来ております。
また朝から10kmのランニングでした。

色々と感じること、学ぶことが多く、書ききれないのですが、
今日はその中から一つ、またお伝えしてみたいと思います。



北欧の家具は、世界的にも評価されているものが数多くあります。

スウェーデンではIKEAが有名ですが、デンマークではHAY、フリッツ・ハンセンなどをはじめ、空間美や持続可能性などのコンセプトを世界に発信しています。

そんなデンマークは、「空間づくりと建築物」が特徴的です。今日は建物にまつわるデンマークの魅力について、学んだことを書いてみたいと思います。

それでは、どうぞ!



■100年前から家が現役で使われている理由

戦火や地震などの自然災害による破壊が少なかったため、100年以上前からの建物が現代の暮らしに合わせて改修されながら、今なお使われ続けています。

一部の有名な博物館や城だけではなく、何気ない住宅も、昔からずっと使われています。外観は保ちながらも配管やインフラ周りは現代的にアップデートされており、過去のものを生かしつつ現代仕様に修正している建築が、コペンハーゲンの街のあちこちで見られました。

16:00ごろ。仕事から帰宅する人も多数です。

その背景は、新しい建物をコンクリートで建てれば、CO₂排出が増えること、また廃材処理も環境に負荷を与えることが、資源を大切にする国のコンセプトと逆行するからとのこと。

そして、そのような「既存の建物を丸ごと活用する」ことに挑戦して生まれたのが、今回デンマークで訪問した「Thoravej 29」(トーラヴァイ29)という建物でした。



■社会変革の拠点「トーラヴァイ29」とは?

Thoravej29とは、コペンハーゲンにあるコミュニティ組織です。

一見するとアート性の高いシェアオフィスのように見えますが、共通の目的のために相互作用を生み出しながら運営されている、「知と活動の交差点」のような場所です。

トーラヴァイ29。おしゃれな建物ですが、リノベーションに廃材をださず作られていました。

コミュニティ組織は約35、所属する個人・団体メンバーは170人以上。分野はアート、社会イノベーション、民主主義、デジタルイノベーション、持続可能性、政治など多岐にわたり、そのコンセプトとしては、以下のことが掲げられています。

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1.再利用とサステナビリティ
1967年に建てられた建物を改修し、既存素材の大部分を再活用。CO₂排出削減や廃棄物削減を定量的に検証している。

2.社会変革の拠点
「良い意図を実際に社会へインパクトとして還元する場」として設計され、社会イノベーション、民主主義、アート、政治などの活動を支援。

3.若者や社会的弱者の支援
教育や就労の機会から外れた人々をサポートする活動も行っている。
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実際に訪れてみると、壁をくり抜いて中央の階段を配置したり、天井を吹き抜けにして机のように利用したり、廃材を組み合わせてオンライン用のブースを作ったりと、空間の随所に意味が込められています。

吹き抜けを作るために天井を切り抜いたら、それを階段に再利用して廃材をだしません。

また、建物のそばにある木は「そこに住む動物がいなくなってから切る」というルールで利用するなど、自然の流れを重んじたり環境を尊重する姿勢が随所に見られました。



■生産性だけを追い求めないくらし

こうした取り組みは、生産性だけを重視する考え方とは逆です。効率よく建築するなら不要にも見える工程を、あえて取り入れています。

ここで大切にしている前提は「効率」ではありません。「自然の中に人を溶け込ませる」ことや、「資源を消失させない」ことであり、”生産性向上”という資本主義的な流れと別のものを追い求めている事が伝わってきます。

たとえば、カフェの作り方も、一見すると不便そうに見えるディスプレイにパンを並べたり、大きなスペースを贅沢に使ったり。「効率的だから」ではなく「美しく魅力的である」ことを大切にする様子が、印象的でした。

壁や天井を机に再利用。



■まとめ:余白を大事にしたい

少し前、友人の経営者とこんな話をしていたのを思い出しました。

「効率を考えると、こう家具を配置したほうがいいと自分は思うのだけど、妻から『ここにオブジェクトがあるのがいいんだよ』と言われて、すれ違ったことがある」

みたいな話です。実は私も同じで、便利さを優先して家具を並べる私と、デザイナーである妻と、よくこういう話になることがあります。

しかし、デンマークに来てから、「住まいや人が集まる空間は、効率だけでは語れないことがたくさんある」ということを感じさせられました。色や空間、そこに物語を込めることの大切さは、確かにあるように思います。

日本は「忙しくしていないとダメ」「余白は埋めるべきもの」という価値観が根強いかもしれません。しかし、余白を意識的に残すことで、人も空間もより豊かになるようにも思いました。

なんだか、引っ越しをしたくなった1日でございました。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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 【編集後記】
◯今月のランニング:263km

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