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令和7年9月17日(第4222号)
「目的意識」が高いほど孤独が低い ー13万人の大規模調査からわかったことー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1881字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、終日リーダーシップ研修の実施でした。
また夜は、「人事の会」とのことで、懇親会への参加など。
*
さて、本日のお話です。
先日、「人生の目的意識」に関する論文をご紹介しましたが、本日も続けます。
本日ご紹介の論文は「人生の目的意識を持つと孤独感が減る」という研究です。合計で13万人以上を対象とした大規模調査で、なかなか興味深いものでした。
ということで、早速中身をみてまいりましょう!
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<本日の論文>
タイトル:Sense of purpose in life and concurrent loneliness and risk of incident loneliness: An individual-participant meta-analysis of 135,227 individuals from 36 cohorts(人生の目的意識と同時的孤独感および新たな孤独感リスクとの関係:36コホート13万5,227人を対象とした個別参加者メタアナリシス)
出版:Journal of Affective Disorders, 2022年, Elsevier
著者:Angelina R. Sutin(First author)、Antonio Terracciano(Last author)
所属:Florida State University College of Medicine, United States
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■論文のポイント
・孤独感は「人が望むつながり」と「実際のつながり」との差から生まれ、うつ病や身体疾患、さらには早期死亡のリスクとも結びついている。
・一方で、目的意識は「人生の目標や価値を持っている感覚」であり、健康と強い関連があることは知られていたが、孤独感との関係は十分に調べられていなかった。
・この研究では、36のコホート(計135,227人)を対象に、目的意識と孤独感の関係を検証し、その一部(28コホート)では最大15年間の追跡調査も行った。
・結果として、目的意識が高い人ほど孤独感が低く(効果量=-.31)、特に精神的苦痛が強い人ではその効果がより顕著だった。さらに、目的意識は将来新たに孤独感を抱くリスクも有意に下げる(HR=.85)ことが確認され、年齢による違いは見られなかった。
■研究の方法
・36の国際的なコホート研究(北米、南米、欧州、中東)から得られた135,227人のデータを用いた。
・目的意識と孤独感を同時に測定したデータ(※)を用いて横断的解析を行い、孤独感の追跡データがある28コホートではコックス回帰による縦断的解析を実施。結果をメタアナリシスで統合した。
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※目的意識(purpose in life)の測定尺度の例
・Ryff’s Psychological Well-Being Scales の Purpose in Life 下位尺度(7項目版):「生活に目標や方向性を持っているか」「人生が意味あるものと感じられるか」を問う。
・CASP-19 の Meaning 項目:特に高齢者コホートで用いられることがあり、「自分の人生には意味がある」といった質問で評価。
・その他の単一項目尺度:「自分の人生に目的があると思うか」といった直接的な質問を用いる場合もある。
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■結果
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わかったこと1:目的意識が高い人ほど、孤独感が低い傾向が全体で確認された(効果量=-0.31)
わかったこと2:特に精神的な苦痛が強い人では、この関係がさらに強く出ていた。
わかったこと3:目的意識が高い人は、将来あらたに孤独を感じるリスクも下がっていた。
わかったこと4:この効果は年齢に関わらず一貫して見られた。
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■まとめと感想
アジアの国は含まれていない調査ではありますが、なぜ目的意識を持っていると孤独が下がるのか、その考察はとても興味深いものでした。
論文の考察としては、「目的意識を持つと、社会的行動が増える。ポジティブな認知が増える。健康行動が増える。だから、孤独が下がる」こう言われるとシンプルですが、納得度の高い説明だと思います。
特に「心理的苦痛が強い状況でも、目的意識が保護効果を持つ」という点には、ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を思い出しました。どんな状況でもそこに「意味」を持たせる力、その意味付けの力が、人生の目的意識にもつながるのかもしれません。スピリチュアリティといった概念とも関連していきそうで、面白い研究だと感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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【編集後記】
◯今月のランニング:173km
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