配信日時 2025/08/27 09:54

人と人がぶつかるとき、私達はどうすればよいのか? ー対立に対処する作法ー【カレッジサプリ】

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令和7年8月27日(第4202号)


人と人がぶつかるとき、私達はどうすればよいのか? ー対立に対処する作法ー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話  2253字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は、「強み✕キャリア」のワークショップの実施でした。
ご参加いただいた皆さまが前向きで素敵な方ばかりで、
私自身がとても楽しい時間でございました。

これからのさらなる飛躍を、心より応援しているばかりです。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました!

また、その後は1件の打ち合わせと、
12kmのランニングなどでした。



さて、本日のお話です。

突然ですが、私自身、とても苦手なテーマがあります。

それが「対立」です。

誰かと誰かがぶつかっているのを見るとざわざわします。
自分自身も面と向かって対立をすることは、全く得意ではありません。

対立への対処も、0か100かみたいになってしまい、言い過ぎたり言わなさすぎたりと、中間点の力加減ができなくなってしまう、という幼さを未だ抱えております…(汗)

ちなみに、日本人の強みの一つとして「調和性」(感情的な対立を避け、合理的に物事を決めたがる傾向)があるとされています。面と向かって自分の立場をはっきりさせないのは、もしかすると国全体として「対立のマネジメントが苦手な傾向」があるのではないかと推察します。

さて、そんな中で、本日は『ハーバード・ビジネス・レビュー』6月号から「対立をマネジメントする方法」という記事を紹介します。

読みながら、私自身の苦手意識を少し和らげ、方向性を考えるヒントになるのではと感じましたので、この記事からいくつかポイントを共有したいと思います。

それでは早速参りましょう!

※参考記事:
組織内の「対立」をマネジメントする方法 性質や原因を見極め、適切なアプローチを選択する | ウォレン H. シュミット,ロバート・タンネンバウム | 
https://dhbr.diamond.jp/articles/-/11976



■組織内で対立は避けられない

『ハーバード・ビジネス・レビュー』はマネジメントにおける実践的なテーマを扱う雑誌ですが、この記事の冒頭では「マネージャーにとって意見の違いや口論、対立は避けて通れない問題である」と断言しています。

そして、心あるマネージャーほど、二つの気持ちの間で引き裂かれるような思いを抱えるのだと述べています。つまり、人と人の問題を解決しようと本気で努力しながらも、チーム全体の成果を求める立場にあるがゆえに、板挟みになりやすいのです。

組織に対立が起これば仕事は複雑になり、感情的になったり、客観的な立場を見失うこともしばしばあります。ではその中で、どう対処すればよいのでしょうか。



■対立に対する基本的原則

まず大前提として、以下の二つを忘れてはならないと書かれています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
⑴ 人と人との対立を本質的に「良い」「悪い」とみなしてはならない
→ 対立は新しい利益を生むこともあれば、破壊的な影響をもたらすこともあり、一概に良し悪しを断定できない。

⑵ 対立に対処する唯一の「正しい」方法は存在しない
→ 回避したほうがいい時もあれば、あえて明確化したほうがいい場合もある。文脈によってアプローチは変わる。
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■「対立を見極める」ための3つの観点

チーム内で対立が起きたときには、以下の3つの観点で見極めることが必要だとしています。

⑴ 対立の性質を見定める
・事実の不一致:同じ問題に対して異なる定義をしている
・ゴールの違い:何をすべきかをめぐって意見が分かれる
・方法論の違い:ゴールへの到達手段で食い違う
・価値観の違い:公平性を重視するか、柔軟さを認めるか など

⑵ 対立の真の原因を探る
目的のズレがあるとき、情報共有が不十分だったり、同じ情報でも理解が異なっていたり、役割や立場の影響が関わっている場合がある。

⑶ 対立の段階を見極める
噂レベルなのか、議論の段階か、すでに公然化しているのか。段階によってマネージャーが介入できる余地も変わる。初期なら火消しが効くが、全体に広がった後は介入が難しい。



■「対立に対処する」ための5つのアプローチ

対立の原因を突き止めた後に取れるアプローチとして、記事では次の5つを紹介しています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1.対立を回避する
関係が悪い2人を別々のグループに配置するなど。
メリット:気が弱いメンバーや争いが苦手な人に有効。
デメリット:新しいアイデアが生まれにくくなる可能性。

2.対立を封じ込める
価値観に根ざす対立(宗教や政治など)は解決困難なため、表に出さないようにする。
メリット:解決不能な場合に有効。
デメリット:抑圧されたエネルギーが後に爆発するリスクがある。

3.対立を明確化する
徹底的に話し合いの場を設ける。役割や責任を明確にする。
メリット:解決の糸口が見え、教育的効果もある。
デメリット:対立が激化し、エネルギー消耗やダメージを生むリスクも。

4.対立を創造的に解決する
「群盲象を評す(※)」の寓話のように、異なる視点を持ち寄る。
(※象を触った盲人たちが、ある人は鼻を触って「ホースだ」といい、ある人は足を触って「柱だ」といい、ある人は尻尾を触って「ロープだ」という。全員正解だが、全体から見ると一部だけ正解というお話です)
メリット:複数の視点を統合し、建設的な解決が可能。
デメリット:時間がかかり、スピード感が求められる場面では不向き。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



■まとめ:対立に向き合うポリシー

改めて、この記事は「これをすれば必ず解決する」という万能策を提示してはいません。しかし、状況に応じて診断と処方をどう組み合わせるかの道しるべを与えてくれます。

そして、記事の最後では、対立に向き合う際の8つのポリシーが示されています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・組織内に対立が存在することを歓迎しましょう
・評価せず、理解するために耳を傾けましょう
・対立の性質を明らかにしましょう
・当事者一人ひとりの感情を尊重しましょう
・誰が最終決定を下すのかを明らかにしましょう
・解決のためのルールや手順を明示しましょう
・当事者同士の関係性に注意を払いましょう
・適切なコミュニケーションの手段を整えましょう
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

結局、「対立を所与のものとして受け入れること」、そして「一人ひとりの感情と視点を大事にすること」こうしたことを文脈を大事にしながら、丁寧に紐解くことが重要なのだと感じさせられた次第です。

マネージャーに限らず、チームの一員としても実践できるアプローチだと感じました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


 ※本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。よろしければぜひご覧ください。
https://note.com/courage_sapuri/n/nd42bf8c068c9
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 【編集後記】
◯今月のランニング:249km

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