配信日時 2025/08/20 18:31

「問題解決力」を高める3つのアプローチ ードイツの生徒249名への研究からの示唆ー【カレッジサプリ】

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令和7年8月20日(第4195号)


「問題解決力」を高める3つのアプローチ
 ードイツの生徒249名への研究からの示唆ー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話  1953字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は朝から11kmのランニング。
また2件のアポイント。

その他、強みに関する概念整理などを行っておりました。
まだまだ旅路は長そうです…!



さて、本日のお話です。

強みの概念の中で「問題解決力」というものがあるのですが(by Strength Profile)、
この概念を高める方法ってあるのかなあ…となんとなく論文を探していたら、
いい感じのものがありました。

ということで、今日は2005年に行われた「自己調整力と問題解決能力のトレーニング」に関する研究と、そこからの示唆をテーマにお伝えしてみたいと思います。

それでは、どうぞ!


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■本日の論文
タイトル:Training of self-regulatory and problem-solving competence(自己調整力と問題解決能力のトレーニング)
誌名・出版年:Learning and Instruction, 2005年(Vol.15, pp.123–139)
著者:Franziska Perels / Bernhard Schmitz
所属:Institute of Psychology, Technical University of Darmstadt, Germany
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■研究の概要

・本研究は、ドイツの生徒(中学2〜3年生に相当する249名)を対象に、数学の問題解決能力を6週間の介入で高められるかという研究が行われました。

・放課後に週1回90分✕計6回のトレーニングを実施。その結果、「自己調整能力」と「問題解決能力」が、有意に高まったという成果が報告されています。



■問題解決力を高めるために、何をしたのか?

さて、実際に行われたトレーニングは、主に以下の3つです。
ちょっと聞き慣れないのですが、言われてみればシンプルな話です。

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(1)順方向・逆方向作業
・問題の出発点から解を導く「順方向」、逆に求めたいものから逆算する「逆方向」の両方を訓練する
・典型的質問:「与えられているものは何か?」「求められているものは何か?」
・例題:「2つの異なる立方体(辺の長さ x と y)を組み合わせて大きな立方体を作ると、その表面積はいくらか?」

(2)不変性の原理
・問題における「変わらないもの」を意識して解法を進める訓練
・典型的質問:「何が一定に保たれているか?」
・例題:数列完成問題などで、不変の関係性を見抜く

(3)表・図・方程式の活用
・問題状況を簡略化する。その手段として、表や図、方程式に変換して解く練習
・あらゆる問題に適用できる共通の解法ツールとして指導
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■「問題解決の王道」として活用できそう

社会に出てからも「問題解決能力」という言葉はよく耳にしますが、あまりに抽象的で、何を指すのか曖昧になりがちです。

今回の3つの方法は、そんなときに応用が効く「王道パターン」として、結構使えるのでは…と思いました。

例えば、「(1)順方向・逆方向作業」は、
「積み上げ式でとにかくやってみる発想」と「ゴールから逆算する発想」の両方を鍛えるものです。それぞれ以下の特徴があります。
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・「順方向思考」:持っている材料や条件から考える
 → アイデア創出や柔軟な対応に向いている

・「逆方向思考」:ゴールから逆算する
 → 締め切りや目標達成の設計に向いている
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次に、「(2)不変性の原理」です。
これは「変わらないもの」を探す視点で、問題解決を整理できます。

余談ですが、ジャングリア沖縄の森岡社長が、テレビでこんなことを言っていたのを思い出します。
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「人生でもビジネスでも、うまくいくためには、定数と変数の見極めが大切。自分の力で変えられる事(変数)に時間と労力を投資するべき」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「ダイエット」を成功させたいとき、”基礎代謝量”は「定数」です(基本あんまり変わらない)。対して、”摂取カロリー”や”運動量”は「変数」です。変数を操作することで成果が出る。

「営業」で言えば、会社で決まっている商品の値段は「定数」ですが、サポートや付加価値を「変数」として、営業努力で調整することができます。シンプルですが、応用範囲は広いと感じます。

最後に、「(3)表・図・方程式の活用」です。

複雑な情報を外に出して可視化・構造化することで、思考が整理されます。
王道ですが、フローチャート、SWOT分析などはなんだかんだ便利ですし、マインドマップや模造紙+ポストイットなど、定番の問題解決ツールと通じていると思います。



■まとめ:3つのフレームを覚えておく

「問題解決スキル」と聞くと、どうしても漠然とした印象になりがちですが、以下の3つを

(1)順方向・逆方向作業
(2)不変性の原理
(3)表・図・方程式の活用

この3つの方法を1つの軸として考えると、自分の思考方法を振り返ったり、課題に取り組むための指針として活用できるのではないかと感じた次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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https://note.com/courage_sapuri/n/neaf6384357f6
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 【編集後記】
◯今月のランニング:183km

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