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令和7年8月18日(第4193号)
今週の一冊『「仕事ができる」とはどういうことか?』
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2542字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は大学院の仲間との、ランニング部でした。
その前に20km走の自主練でしたので、
合計25kmのランニングでした。
暑かったですが、だいぶ体も暑さに慣れてきたようにも思います。
今週は、ランニングフォームと、心肺機能をもっと高める一週間にしたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
お盆で時間があったので、いつもより読書をしていました。
そこで山口周さんと楠木建さんの共著『仕事ができるとはどういうことか』を読みましたが、
実に面白かったです。
内容としては、「仕事はスキルではなくセンスである」という主張が軸になっているのですが、お二人の対話が刺激的で、思考がぐんと拡張されるような一冊でした。
ということで、本日はその本の中身をご紹介してみたいと思います。
それでは、どうぞ!
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『仕事ができるとはどういうことか? (宝島社新書)』
山口周・楠木建
https://amzn.asia/d/5RNLF7H
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■「モテる」は、スキル分解がむずかしい
本書の主題は「仕事ができるとはセンスである」というものですが、そのことを説明するために、象徴的な例が出されていました。
それが、「女性にモテるとはどういうことか?」という問い。
例えば、見た目がすごく整っているのにあまりモテない人がいる。一方で、見た目はそれほどでもないのに、なぜかやたらとモテる人がいる。
その違いを言葉にすると、雰囲気とか、気配りとか、色気とか、さまざまな要素になるわけですが、これらを細かくスキルに分解して、一つずつ身につけようとしても、なかなかモテるようにはならない。
たとえば「清潔感が大事」と聞いて、爪を切ったり髪を整えても、それだけでは清潔「感」が出ないこともある。
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・“清潔”であることと、“清潔感”があることは、似て非なるものである
・同様に、スキルとセンスも、構成要素が同じでも異なる結果を生む。
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仕事でも同じで、センスのある人は、仕事の捉え方や人との関わり方において、絶妙な順番やバランスを取って進めていきます。一方、センスがない人は、それらの要素を並べるだけで終わってしまう。
■センスがない人は「並列思考」、センスがある人は「直列思考」
それを、より具体的に言い表したのが、楠木建さんが話されていた、「センスとは並列ではなく直列である」という表現でした。
たとえば、同じ要素でも「抱きしめてから、ビンタする」のと「ビンタしてから、抱きしめる」では、意味がまったく異なってくる。
構成要素は「抱きしめる」と「ビンタ」で同じ。
でも順番がカギになってくるわけです。
この違いは、センスの有無に直結します。
センスがない人は、「これは良い」「あれも良い」と言って、複数の要素を単純に並列で考えてしまう。
「今はサブスクが流行っているからとりあえずサブスクだ!」
「今はAIの時代だからAIを導入しよう!」
でも、実際にうまくいっているサービスや企業は、そうした流行をいきなり取り入れたわけではなく、それ以前からの「直列思考としての文脈」があり、その直列思考の一つにサブスクやAIを導入したからこそ、優位性が発揮されたのです。
たとえば、Adobeがサブスクで成功したのは、PhotoshopやIllustratorなど、プロ向けの必需ソフトを長年提供し続けてきた蓄積があったから。
それらの製品が「なくてはならない存在」になっていたから、定額モデルでもユーザーが離れなかった結果、サブスクは機能しました。
逆に、ファンもいない、独自性もないサービスがいきなりサブスクモデルを導入しても、うまくいきません。
センスのある人は、この「直列」の流れを理解しています。
上記はビジネスモデルの話ですが、半径5mの仕事の進め方も、抽象度を変えれば同じです。
■「卓越した戦略」も、直列思考である
また、本書の中では、楠木建さんがご自身の著書『ストーリーとしての競争戦略』を例に挙げる場面もありました。
◎Netflixの事例
この本でも紹介されていたのが、かつての「Netflix」の戦略。
当時はDVDレンタルの時代で、Netflixは店舗を持たず、配送のみのサービスを提供していました。
その代わり、顧客の視聴履歴を徹底的に分析し、「この人が好む旧作」をおすすめすることで、新作中心の店舗型レンタル業に対抗したのです。
さらにその分析ノウハウが、のちのオンライン配信やオリジナル作品制作に活かされていった、という流れが語られています。
この戦略の面白さは、「一見すると不利に見える条件(店舗がない・新作に弱い)」を活かす形で、「旧作のレコメンド」という道にリソースを集中したこと。まさに、直列思考の典型例です。
◎サウスウエスト航空の事例
また、サウスウエスト航空の事例も同様です。
アメリカ国内の短距離路線に特化し、機材をボーイング737に統一。サービスを簡素化することで、ターンアラウンド時間(飛行機の地上滞在時間)を短縮し、1日あたりのフライト数を最大化。
この一見地味な構成が、ネットワーク全体としての最適化につながり、結果として競合が真似できない優位性を生み出しています。
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・戦略は、「個別のパーツ」ではなく、「ストーリー」である
・だからこそ、再現困難な競争優位が生まれる
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まさに、ストーリーとしての競争戦略です。
■「自分らしい強み」も直列思考である
さて、こうした直列思考は、戦略だけでなく、「個人の強み」にも応用できると感じています。
私自身、卑下するわけではないですが、そんなに「仕事ができる人」ではないと思っていますし、「センスがある」と胸を張っても言えません。
とはいえ、起業して8年、継続的に仕事をいただき続けていられること、営業がほぼ不要な状態でも、リピートのお客様や、新規のお客様を紹介でいただけていることは、何かしらの理由があると思われます。
それを個人的に分析すると、一つは「人当たりのよさ(自分でいうのもなんですけど)」や「日々のnoteやメルマガ更新」などで、そのキャラクターを見える化していること。
あるいは専門分野である「強み」に関する学術的な知見を蓄積していることなどが、一つのストーリーになっているのかもしれません(そうだといいな、という希望を込めて…!)
できているかはわかりませんが、「どれか一つの飛び抜けた要素」ではなく、複合的に重ね合わせて「技あり一本」みたいな形で成果に繋げようとする意識が大事だよな、と思います。
■まとめと感想
本書は、知的な2人の対話を間近で聴講しているような面白さを感じる本です。何よりもユーモアがあるのも楽しいです。
割と「仕事ができるとは?」という堅いテーマなのに、笑いながら読める。
知的な豊かさが、にじみ出てくるような一冊でした。
そして最後に個人的に心に残ったのが、楠木建さんが娘さんに伝えたという「社会人1年目の心得」。
一人の人間が一度にできることは、3つくらいだとして、こう言ったそうです。
⑴ 常に機嫌よくしていて、挨拶を欠かさない
⑵ 「これは!」という仕事ができる人を決めて、よく視ること
⑶ 顧客の視点で考えること
特に「機嫌よく挨拶をする」というのは、新入社員研修でも言われますが、どんな立場になっても忘れたくない、大切な姿勢だなと改めて感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
※本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。よろしければぜひご覧ください。
https://note.com/courage_sapuri/n/n0823991fc7ba
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【編集後記】
◯今月のランニング:172km
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