配信日時 2025/08/08 23:55

小さい子に突進してしまう息子は、痛みから学んでゆく【カレッジサプリ】

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令和7年8月8日(第4183号)


小さい子に突進してしまう息子は、痛みから学んでゆく


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話  2654字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は終日、製造業の中堅社員向けの「ストレングス・ファインダー研修」の実施でした。
全国から60名以上の方がオンラインで参加いただき、
エンゲージメント向上施策の一つとして実施いたしました。

皆さま、長時間の研修にもかかわらず、
積極的にご参加いただき、大変ありがたかったです。
改めて、ご参加ありがとうございました・・・!

また、夜は7kmのランニングでした。



さて、本日のお話です。

私事ですが、私は現在4歳の息子がおります。

最近は「発達グレー」と呼ばれる幼児が3人に1人などと言われていますが、私の息子も「いわゆる発達グレー」に相当する児童です。
つまり、言葉や運動能力、手先の器用さなどのいくつかの要素が、相対的に年齢に比べて遅れているという状態です。

このことについて、悲観しているというわけではまったくありません。一つの特徴だな、くらいですし、本人らしく育ってくれたらいいなと思っています。

むしろありがたいと思うのは、運動機能や読み書きに関して、様々な支援を受けられるということ。現在2つの支援(運動機能と社会性)を受けさせていただいていますが、親としてこちらが学ばせてもらうことばかり。こうした支援を実質無料で受けられるのは本当にありがたい限りです。

そんなこんなで、最近は子どもの発達にも強く興味を持つようになりました。そして改めて「子どもも大人も経験学習だなぁ」と思わされた出来事がありました。

今日は、その出来事を仕事とは関係ないのですが、記録として残しておきたく、少し書いてみたいと思います。

それではどうぞ。


■人との距離感がわからない・・・
人とのコミュニケーションというのは、実に難しいものです。

大人でも、ふとした言葉が相手を深く傷つけてしまったり、距離を縮めようとしたつもりが、逆に過剰に優しくなってしまい、かえって不自然な関係になってしまったり。人と人との関係性は、本当に繊細で、難しいものだと感じます。

大人になってもなお、人付き合いが苦手で、人との距離感がわからないまま、自分のスタイルを頑なに貫いているという人も、少なくないかもしれません。

そう考えると、子どもの頃なんて、わからないだらけです。

人間関係という「さまざまなケース」を知らず、ゼロベースで経験を積み重ねている最中ですから、人との関わり方が難しいのは当然のことでしょう。

うちの息子(4歳半)も、まさにそうした段階にいます。

彼はかなりこだわりが強いタイプのよう。発達支援の場でも「自分がこうと思ったことは頑として譲らない」「やりたいようにやらなければ強く反発する」といった気質があると指摘されています。

ゆえに、対人関係においても、小さい子に対して距離感がうまく測れず、興味があった子に対して、急に突進して体当たりしたり、強く抱えたりして泣かせてしまうことがしばしばあるのでした。

本人としては「仲良くなりたい」「親しくしたい」という気持ちがある。しかしその方法がわからず、ニヤリと笑って体ごと突撃してしまい、結果的に相手を吹っ飛ばす――。

当然、相手の子は驚き、むしろ距離が広がってしまう。本人の望む結果とは真逆のことが起きてしまうわけです。

(昭和的な例えかもしれませんが、小さい頃に好意を持っている相手のスカートをめくる的な、そんな行動に似ているのかもしれません。)


■「触っていい」と許可を取ってみたら?
よって、妻との会話も息子の話題が多いです。

そんな中、先日、保育園である出来事がありました。

保育園の玄関で小さい子を見かけた息子は、ニヤリと笑い、突進しそうな空気を醸し出しました。

そのとき妻より息子に、別の手段を提案してみることにしたそうです。

「急にぶつかっていくと、びっくりさせちゃうかもしれないから、仲良くなりたかったら“触っていい?”とか“なでなでしていい?”って聞いてみたら?」

と、促してみたそう。
すると息子は、「触ってもいい?」と実際に口にして聞いてみたそうです。

結果は、相手の子は無言のまま硬直し、親のもとに走って逃げてしまいました。
それを見て、息子はとても悲しそうな表情を浮かべ、涙ぐみました。違うやり方を試してみたけれど、うまくいかなかった。


「そういうこともあるよね」と、妻。


その直後、別の子が通りかかりました。

その子は、普段は息子に対して普段叩いたりする、やんちゃなタイプの子です。しかし、その子のことも息子は興味があったようで、今度はおずおずと、手を差し出して握手を求めてみたそうです。

すると、そのやんちゃな子は、笑って息子の手を握り返してくれました。

そして、そのまま息子は相手の子の頬を触ったりしながら、お互いニコニコしながらコミュニケーションをとっていました。

親同士も「仲良しじゃん(笑)」と微笑ましく笑っていました。


■適応課題に、経験学習に、最近接発達領域。
さて、この一連の出来事を通じて、妻と「うまくいかなかった直後に、成功した体験ができてよかったよね」と話をしつつ、「学びってこういうことだよな」と改めて感じていました。

同じやり方でも、相手によってうまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。人と人との関係というのは、常に同じ方法で同じ結果が得られるものではありません。

人にまつわる課題は、いわゆる「技術的課題」ではなく『適応的課題』と呼ばれるものです。正解が決まっておらず、状況や相手によって変わる、まさに人間関係にまつわるような課題です。

では、こうしたことはどうやって学ぶのか。

それは「経験から学ぶ」という『経験学習』しかありません。

いろいろなパターンを、さまざまな状況で試してみる。

相手の性格や、そのときの関係性によって、少しずつ学び、少しずつ行動を変えていく。きっと息子にとっても、「実践」として新しいアクションを試すことには、不安や恐れがあったはずです。

でも、そこを踏み出してみたことで、彼の中の世界が少し広がった、そんな経験が今回の話だったのではと思います。

▽▽▽

そしてもうひとつ重要なのは、選択肢を与えることをした年長者(ここでは妻)の存在です。

今回は隣で「触っていいと聞いてみたら?」と選択肢を示して、背中を押すことが、子どもにとって新しい行動の第一歩を踏み出すきっかけになりました。

ちなみに「子どもが一人ではできないが、大人やより能力の高い他者の援助を受けることでできるようになる課題や活動の範囲」のことを、『最近接発達領域』と呼びます。

まさに、周囲のリソースを活用することで、本人の力では届かなかった行動を可能にしたこの概念だなあ、とも感じたのでした。



■まとめ
子どもと大人の発達には違いもありますが、共通点もたくさんあるように思います。

それぞれのステージに応じて、自分に合ったやり方で、いろいろなことを経験しながら学んでいく。そこには、子どもも大人も、時に痛みを伴います。
しかし、そのプロセスそのものに、なんだか尊さを感じたのでした。

これから息子がどう成長していくのか。その過程を、楽しみに見守っていきたいと思った次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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 【編集後記】
◯今月のランニング:77km
 ※月間250kmまで、あと173km

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