配信日時 2025/08/05 21:25

強みを活かして「仕事の成果」を高める方法 ーその2:忍耐力最強説【カレッジサプリ】

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令和7年8月5日(第4180号)


強みを活かして「仕事の成果」を高める方法 ーその2:忍耐力最強説


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話  2525字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は1件のアポイント。
その他、10kmのランニングなど。
また、書籍の執筆や研修プログラムの開発などでした。



さて、本日のお話です。

本日も強みに関するお話をお伝えしたいと思います。
先日より「強みを活かして『仕事の成果』を高める」をテーマにした研究・論文をお届けしております。
本日も続けてまいります。

本日は、第二弾「忍耐力最強説」です。

それでは、どうぞ!


■研究でわかった!「パフォーマンス」につながる強みトップ3とは?
「仕事の成果」には様々なものがあるということをお伝えしました。

……とは言え、「仕事の成果につながった」と感じるのは、自分の仕事の本業(役割内行動)に関することだと思います。営業なら営業成績が大事です。では、そうした「役割内行動における仕事の成果」につながる強みとは何なのか、傾向はあるのでしょうか?


◎アリエル大学の686名を対象にした「仕事の成果と強み」の研究
このことについて、イスラエルのアリエル大学にて、「仕事の成果と強み」に関する研究を行いました。それは、686名の主に正社員の人に対して「あなたの仕事の成果につながった”強み”はなんですか?」という質問をしました。ここでいう仕事の成果とは「役割内行動」についてです。

調査の結果、「仕事の成果につながった強み」「生産的でないと行動を抑制する強み」がランキングされました。その結果は、以下のようなものでした。

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<仕事の成果に相関が高い強み>
1位:忍耐力
2位:誠実さ
3位:熱意
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これらの強みは、仕事の成果との相関が約0.25〜0.35と、他の強みに比べて比較的強い相関があったことが示されています。

ちなみに、他の性格の強み、たとえば「チームワーク」「感謝」「社会的知性」「慎重さ」なども0.10〜0.24と小さいながらも相関があり、「関係ない」というわけではありません。「仕事の成果」につながる強みは人それぞれ、というのは昨日お伝えした通りです。

とはいえ、これら3つの強みが頭一つ抜きん出ていたという点では、注目に値するのではないかと思います。

…では、これらの強みをどのように活かすことができるのか?
まずは第1位「忍耐力」から見てみましょう!


■「忍耐力」最強説

忍耐力とは別名「グリット」とも呼ばれ、「やり抜く力」と言われます。

忍耐力とは、逆境に立ち向かう力です。様々な障害やトラブルがあっても、最後までやり抜く。もうこのくらいでいいかと負けそうになっても、もう一歩進もうとする。この姿勢が仕事の成果につながるというのは、大変納得度が高い結果と言えそうです。

以下、忍耐力研究の第一人者であるダックワースの言葉を、論文より引用します。

ダックワースら(2007)によれば、忍耐力 、すなわちグリットは、あらゆる分野の著名なリーダーに共通する個人的資質である。 グリットとは、課題に向かって奮闘し、失敗や逆境、進歩の停滞に関係なく、長年にわたって努力と関心を維持することである。グリットのある人は、達成をマラソンのようにとらえる。失望や飽きが、他の人には軌道修正と損切りの時期であることを知らせるのに対し、気骨のある個人はコースを維持する(1088頁)

忍耐力とは走り続ける力です。「忍耐力が高い人は、ある瞬間だけやるのではなく、長期間にわかってコツコツやり続けるから成功する」という話です。

「Going Extra Mile(余分な1マイルを行く)」。

コツコツと、もう一歩、更に一歩とひたすらに続けていくことこそが成功の秘訣なのかもしれませんね。まさに「忍耐力最強説」です。



■「忍耐力を高める」ための3つの方法
さて「そんな強み、自分にはないよ…」とがっかりした人、ご安心ください。この忍耐力という強みは、誰もが高めることができると、研究でわかっています。

忍耐力の研究では、以下の3つのプロセスがその向上に寄与するとされています。

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【忍耐力を高めるための3つの方法】
⑴ 自分らしさを大切にする
・自分の中心的な価値観や自分らしさを見つけることで、粘り強く取り組みやすくなります。まさに「自分らしい強み」を活かすことが、間接的に忍耐力を高めることにつながるといえます。

⑵ 自分にとって価値ある目標を見つける
・自分にとって意味があり、かつ達成できそうだと思える目標を選ぶことで頑張れるようになります。これは期待価値理論と呼ばれています。

⑶ 成長や気づきを得ることが目標だと捉える
・結果にこだわらず、困難や失敗を通じて「成長や気づきを得ること」を目的と捉え直すことで、粘り強く取り組めるようになります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この3つが、現在わかっている「忍耐力の高め方の王道」です。



■「挑戦する仲間の背中」を見ること
一方で、もっとシンプルな方法もあります。
それが「環境へアプローチする方法」です。

ドイツのハンブルク大学の研究で、152名の参加者に対し、言葉の並び替え問題に取り組んでもらいました。ちなみにめっちゃ難しくて、心が折れそうになるくらいの難問だそうです。

参加者は次の3群に分けられました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1.他者から影響を受けない群(対照群)
2.自分の課題が他者に観察されている群(被観察群)
3.仲間の取り組みを観察しながら進める群(観察者群)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この結果、もっとも粘り強く課題に取り組んだのは「3.仲間の取り組みを観察している群(観察者群)」だったのです。
さらに、観察対象の仲間が「自分と同じくらいの能力」であった場合、その効果が最大化されたといいます。

つまり、人は「誰かが頑張っている姿に刺激をうける」という話です。

まとめると、この論文の示唆はこういう話です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
⑴ 挑戦している仲間を見ると、「忍耐力」が高まる
⑵ 自分と近しい能力の人が頑張っていると、「忍耐力」はさらに高まる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この話、私も非常によく分かります。

ウルトラマラソンを走っていて、200キロ地点で「もうやめたい…」と思う。しかし、隣で仲間がヘロヘロながら頑張っている。すると、自分も「あと一歩もう一歩」と踏み出し続けられるのです。一人じゃムリなのです。

また大学院でも、最後の修論に相当するプロジェクト報告書を書くとき。これまた「もう無理…」と思っても、仲間が頑張っている姿が刺激になり、踏ん張れました。受験や部活も、まさに同じ構造です。

頑張る仲間の存在により「忍耐力が高まる」のです。

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【強みのアクションプラン】
・自分が大切だと思う目標を立てる
・挑戦している仲間がいる環境に身を置く
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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 【編集後記】
◯今月のランニング:47km
 ※月間250kmまで、あと203km

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