配信日時 2025/07/22 17:44

強みを見極めるコツ ー強みは「個人間」と「個人内」で分けて考えると分かりやすいー【カレッジサプリ】

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令和7年7月22日(第4166号)


強みを見極めるコツ ー強みは「個人間」と「個人内」で分けて考えると分かりやすいー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話  2854字/読了時間4分)


■こんにちは。紀藤です。

引き続き、沖縄に来ております。
昨日は海の日(祝)でしたが、海は全くいかず
また子どもと公園で遊んだりしておりました。
(せっかく沖縄なのに)

その他、陸地で10kmのランニング。



さて、本日のお話です。
今日も「強み」について、お話をしてみたいと思います。

それでは、どうぞ!



■「個人間」と「個人内」の強み
「強み」とは、曖昧で、相対的なものです。

この「強み」を正しく捉えるために、2つの視点で分けて強みを認識することができるとオランダのディルブルグ大学の論文で、研究者らが提唱しました(Woerkom et al ., 2022)。

キーワードは「個人間の強み」と「個人内の強み」です。
内容はシンプルです。

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・個人間の強み = 他人と比べて光る強み
 他人と比較したときに、自分が勝っている部分や秀でている特徴。
 (例:プレゼンが同僚に比べて上手いと言われる)

・個人内の強み = 自分らしいと感じる強み
 他人と比べなくても、自分の中で一貫してよく現れる資質や自然に使っている特性。得意なこと。
 (例:プレゼンをしていると気分がアゲアゲになる)
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■「個人間の強み」は、属する集団で変わる
個人間の強み、つまり「他人と比べて光る強み」は、「自分がどの集団に属するか」によって、がらりとその評価が変わります。

たとえば、私が外部パートナーとして関わっている企業では、仕事上思考の整理や分析のサポートをしていることから、「紀藤さんの強みって、論理的思考ですよね」と言っていただきます。

しかし、大学院時代には、私などミジンコのようなもので、論理思考の猛者たちがたくさんいました。彼らと比べたら、私はむしろ論理的思考の下位層でした。ロジカルな人が多めの場では、「紀藤さんの強みって、雰囲気づくりですよね」と言われていました。

つまり、個人間の強みとは、

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・ある集団の中で、自分が抜きん出ている能力や行動が“個人間の強み”になる
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▽▽▽

この話にまつわるちょっとした余談ですが、私の趣味はマラソンです。
フルマラソンは3時間20分、ウルトラマラソン(100キロ)10回以上完走。最長263キロマラソンも完走。このレベルだと、市民ランナーとしては上位10%くらいに入る「強み」と言えるかもしれません(ドヤ顔)。

……しかし、集団が変わると、私は「普通の人」となります。
昨年、「うつくしま・ふくしまジャーニーラン」というレースに出たことがあります。これは、250キロの長距離と130キロの短距離が選べるものです。そこには、500キロや600キロを走るような猛者の仲間達がわんさかおりました。

私は短い方(130キロ)に出場しました。夜通し走る中で眠くてヘロヘロになり、「ねむいよ、もうムリだよ」と弱音を吐きつつ、なんとか完走。
完走後の猛者達も集まる打ち上げでは、「きつかった。眠かったです…!」というと、「え、たった130キロで眠たいとか言っちゃだめっしょ!ププー!」みたいに、軽くいじられました。

つまり、「どの集団に属するかで、その人の「強み」は簡単に意味を変える」ということですね。



■「個人内の強み」は、属する集団で変わらない
次に「個人内の強み」です。

これは、「自分の中での順位が高い強み」であり「自分らしいと感じる強み」です。

たとえば、先ほど私がある集団で「論理的な思考が強みだ」と言ってもらった、と述べました。これを「自分らしいと強みと感じるか?」と問われれば、「まったくそうではない」と答えます。

実際、私(紀藤)が、論理的な思考をしようとするときは、背伸びしてふくらはぎを攣らせそうになるツラさがあります。目を血走らせ、界王拳を使った孫悟空のようにパワーを発揮して、なんとか「ロジカルに考えよう」と我慢している印象です。プールで精一杯お腹に力を入れて一生懸命凹ませてようとしているみたいなものです。

使っていて、エネルギーを消費するタイプの特性は自分らしい強みではありません。
自分らしい強み、つまり「個人内の強み」とは、

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・自分らしくいられてエネルギーが湧いてくるものであり、それらを使う時に「幸福感」や「充実感」を感じやすい特性が”個人内の強み”である
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「個人内の強み」は、その人の変わりづらい「特性」が関わっています。個人の自然な思考・感情・行動のパターンであり、個人の感覚が判断軸なので、所属する集団が変わっても、大きくは変わらないのです。



■「自分が得意なこと」も「他人と比べて光ること」も、どっちも大切にしよう
私たちが「本当の強み」と呼ぶとき、「他人と比べて自分の方が優れてる」という個人間の強みと、「やっていて自分で楽しくて得意と感じる」という個人内の強み、この両方が一致することを表しているように思われます。

自分から見た強みと他者から見た強み。
理想的にはその両方が一致するのがベストですが、現実にはそううまくいかないこともあります。

「自分の強みを活かそう!」という言説の中には、「自分らしいと感じる強みを発揮さえすればOK!」という、ある種の“無邪気さ”があります。

もちろん、それは幸福感に直結する重要な側面です。しかし、私たちは「社会の中で」生きています。現実の職場やコミュニティでは、関係性や役割の中で、もっと複雑な形で強みを活かしていく必要があります。

たとえば、職場で「雰囲気づくり」という強みを持つメンバーが、5人中5人全員いたとしましょう。全員が「雰囲気を大事にしよう!」だけでは、逆にチームは停滞してしまいます。目標を達成できないからです。

その中で見たとき、たとえ「自分らしい強み(個人内の強み)」でなかったとしてもが「目標管理やタスクの推進」が「相対的に他人よりできる強み(個人間の強み)」あるならば、その強みを発揮することが求められるのが現実なのです。



■「強み」は、使うほどに成長し続ける

”自分らしい強み(個人内の強み)”を「メインウェポン」とし、”集団の中で比較的すぐれてる強み(個人間の強み)”を「サブウェポン」としてすると、このどちらも磨くことが大切です。

オタゴ大学の研究者らによる「強みの介入の効果を調べたレビュー論文では、「自分の強みは、上位の強みでなくとも、磨くことで成長すること」が示されています。(Denise et al., 2012)

チームで求められている行動や能力があるとき、「これは自分らしい強みじゃないからやりません」と突っぱねてしまうのは、自分にとっても、チームにとっても望ましくないのは、「強みを成長させる機会を失うから」です。

経験する場自体が希少になっていく今、「自分の新しい強みを鍛える場」を逃すことは「もったいないこと」とも言えます。

強みは一つではなく、複数持つもの。自分らしい強みと、集団の中で相対的に頼られる強みのどちらも磨くこと。そうすることで、自分の中での「強みの武器」という選択肢が増えて、人生の幅も広がっていくはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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 【編集後記】
◯今月の健康&運動習慣:7月のランニング距離 98km

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