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令和7年7月18日(第4162号)
あなたの「強み」を捉える3つの視点
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3153字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は朝から10kmのランニング。
また2件のアポイントと、執筆活動でした。
なんとか「強み本」の内容も少しずつ書き記すことができてきたので、
このまま2ヶ月くらいで一気に下書きは終えていきたいと思います。
楽しくなってきました…!
*
さて、ということで本日も「強み」について、
お話を続けてみたいと思います。
それでは、どうぞ!
■「強み」の長くて、短い歴史
「強み」を紐解くと、そこには「長い歴史」があります。
古代ギリシャでは「私たちの中にある最良のものに従って生きるために、あらゆる神経を働かせよう」(アリストテレス)と言われました。
言葉こそ「強み」という表現ではないにせよ、「私たちの中にある最良のものを働かせよう」とは、ほぼ同義を意味しているといえるでしょう。
アリストテレス先生も、同じようなことを言っていたのですね…!
そこから、だいぶ時代を進めて1947年。キャリア開発のバーナード・バルデインがハーバード・ビジネス・レビュー誌にて、「組織の文脈で強みの活用の重要性を指摘」しました。
そして、その後、ピーター・ドラッカーも「組織の目的は強みを生産的なものにするものだ」と述べました。組織と強みが繋がった時代です。
▽▽▽
一方、「強み」は「短い歴史」でもあります。
実は、強みが科学的な手法と結びついたのは、ここ50年くらいです。
1980-90年代の調査会社ギャラップ社の研究から、強みの研究は始まりました。「成果につながる思考や行動はどんなものがあるのか?」について200万人に対する定性調査を行い、それらの結果から強み診断の元祖『ストレングス・ファインダー』が開発されました。
2000年に入ると、ポジティブ心理学が誕生します。セリグマン博士を始め「人間の強みを分類する事が大事だ!」と提唱され、歴史や文化の違いを超えて現れる「普遍的な美徳」を特定する研究のため、55人の研究者のドリームチームが編成されました。
そして、学術的背景に基づく強み診断『VIA(Value in Action)』が生まれます。ポジティブ心理学と強みが科学的に繋がった瞬間です。
2008年にはイギリスの応用ポジティブ心理学センター(CAPP)が発足。リンリー博士を中心による『Strength Profile』という「強みと弱み」いずれも特定できるアセスメントも開発され、リーダーシップ開発にも活用されるようになりました。
また当初、強みの研究はアメリカやイギリスなどの先進国が中心でしたが、2010年代になると中国、インド、インドネシア、ブラジル、南アフリカなどと、多くの国にも研究の輪が世界中に広がっていきました。
古来アリストテレスの時代から渡されたバトンが、紡がれ、発展し、今に至っているのです。
■百花繚乱?!さまざまな「強みの定義」
さて、では強みの定義とは一体どのようになっているのでしょうか。
論文から、どんな定義がされているのかを見てみましょう。
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・「特定のタスクでほぼ完璧に近いパフォーマンスを一貫して行う能力」(Rath and Conchie, 2008)
・「価値ある結果を追求するために最適な機能を発揮できるような方法で、感じ、考え、行動する能力」(Snyder, Lopez and Pedrotti, 2010)
・「元気で情熱的な気分にさせ、素晴らしい仕事をするように導く個人的な特性や性質」(Brewerton and Brook, 2010)
・「理想的には非常に高いレベルで実践されている典型的な特性。ある集団の中のリーダーの10~20数パーセントに現れる」(Zenger et al, 2012)
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・・・う、全部違う。そして、なんともわかりづらいです(汗)
「強みには、特徴、能力、資質など、様々な定義があることがわかる。(中略)一方、強みの起源についての明確な推測はほとんどされていない」(Mackie, 2016)
と述べられているように「ぶっちゃけ強みには色々あるので、明確にコレっていう定義はない」というのが現実的なようです。
■あなたの「強み」を捉える3つの視点
とはいえ、さまざまな研究者の「強みの定義」から考えると、リンリー博士が提唱する以下の3つの視点が「強みであるかどうかを捉えること」に役立ち、また納得度が高いと考えられます。
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1.パフォーマンスにつながる
2.自分らしく、エネルギーが湧く
3.頻繁に使っている
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とはいえ、やや抽象的なので。どういうことなのか、以下解説してみます。
1)パフォーマンスにつながる
まず「パフォーマンスにつながる」です。なんだかんだいって、成果に繋がってこそ、「強み」と呼べます。
たとえば、ある人の”熱意”が高まることで、周囲にもやる気が伝播し、停滞していたプロジェクトが一気に動き出したりしたら、「あなたの”熱意”は強みだね」と言えるでしょう。
しかしながら、もしただ語り口調はアツいけれど、周りが見えておらず暴走気味。自分も空回り感があり周りも白けていたのなら、残念ではありますが「強み」とは呼べません…(涙)
その成果がかならずしも大きくなくてもよいですが、それでも強みとは「パフォーマンス(成果)」に結びついたとき、はじめて「強みだよね」と自他ともに認められるものになりそうです。
2)自分らしく、エネルギーが湧く
次に「自分らしく、エネルギーが湧く」です。イルカが大海原で水の抵抗が少ない流曲線の自分らしい身体を使ってのびのびと泳ぐように、鳥がその羽根を使って大空を何十時間も羽ばたくように、その人の持つ「自分らしい特性を使うとき」に、それは強みと呼べます。
逆に、鳥は海を泳げませんし、垂直降下して一瞬も海に潜れますが、魚のように自由自在に泳ぐことは叶いません。そもそも自分(鳥)らしくもないし、エネルギーを消費するばかりでしょう。
鳥が泳ごうとするように、自分らしくないものをムリして使っていても「強みを活用している」とは呼べません。
そして、ある場面で「強み」となるものは、ある場面では「弱み」にもなりえます。海の王者であるクジラも、陸に上がれば自重で死んでしまいます。かつての人類史上最速の男 ウサイン・ボルトも海ではペンギンにすら敵わないでしょう。「強み」とは、ある文脈における特性の発揮とも言えます。
3)頻繁に使っている
最後が「頻繁に使っている」です。物事は、使うほど磨かれ、研ぎ澄まされていくものです。
「隠された強み」とか「秘めた強み」というとカッコよいですが、おばあちゃん家の物置にある錆びついた鉄の棒がいくら名刀だったとはいえ、今となってはその切れ味は期待できないでしょう。それよりも、たとえそこら辺の鉄でできていても、普段から使い慣れ、磨かれている包丁のほうが、よっぽど切れ味が鋭く、武器になりうるはず。したがって「頻繁に使っているかどうか」が強みを捉える一つの指標となります。
ただ、注意点があります。それは「頻繁に使っていても、自分で自覚していないこと」がしばしばあるということです。唐突ですが、信号機は24時間365日、呼吸をするように赤色や青色の光をともし続け、山道でも街でも交通安全を守り続けてくれています。しかし、それを「強みだ」などと思うことはありません。
当たり前で容易にやっていることは「当たり前すぎて気づかない」ということがあるものです。ゆえに、自己認識だけではなく、他者からのフィードバックも強みを見つける上で重要だとも言えるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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【編集後記】
◯今月の健康&運動習慣:7月のランニング距離 75km
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