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令和7年7月13日(第4157号)
強みを活かすと人生が変わる ―強みと幸福感の研究ー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1903字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日日曜日は、朝6時から大学の教員仲間と25kmのランニング。
途中からは大学院のメンバーも合流し、楽しい午前でした。
その後、子どもと地下鉄博物館へいったり、
お買い物などをしたり、とにかく走ったり歩いた1日でした。
*
さて、本日のお話です。
本日も「強み」について、お話をしてみたいと思います。
それでは、早速まいりましょう!
■「強み」は何の役に立つのか
「強みって何の役に立つの?」
「強みって就活の自己分析とか、転職の時に使うものだけじゃないの?」
「強みを活かそうって言うけど、それって本当に意味があるのか?」
「強み」という言葉を、面と向かって否定する人は少ないにせよ、個別に「強みで聞くとどんな印象ですか?」などと聞いてみると、こんな疑問を口にされることも、しばしばです。
しかしながら、「強みを活かす」ことは「個人」において
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・個人の幸福度を高める
・ポジティブな気持ちを高める
・自尊心を高める
・自己効力感を高める
・ストレスや課題に対処できるようになる
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といった様々な効果があることが、これまでの研究からわかっています。
さらに、「組織やチーム」においても、
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・強みの共有による生産性向上
・強みを認め合うことによる助け合いの増加
・ワークエンゲージメント向上(仕事への活力・熱意など)
・強みの活用を支援することによる組織コミットメントの向上
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といったポジティブな効果も報告されています。
今回では、「強みの見つけ方・活かし方」を深く掘り下げる前に、「強みを活かすと人生はこう変わる」という話について、具体的な研究事例を通じて見ていきたいと思います。
■米ミシガン大学の研究「強みは幸福度を高める」
まずご紹介するのは、ポジティブ心理学の分野で1万件以上引用されている、とても有名な研究です。
2005年「ポジティブ心理学の父」と呼ばれるセリグマン博士による研究で、米国の成人577名に対し、強みに関するエクササイズを割り当てました。
その中で特に注目されたのが、「自分らしい強みを新しい方法で活用する」というエクササイズ。これを1週間行ったところ、「6ヶ月後の幸福感が高まった」ことが確認されました。加えて、抑うつ症状も減少したそう。
さらに興味深いのが、参加者の中には「1週間だけ」と言われたにもかかわらず、自主的にエクササイズを継続していた人たちが一定数いました。
そして、「継続して自分らしい強みを活用していた」人たちを調べたところ、その人達が最も幸福度が高かったという結果も報告されました。
※参考:ポジティブ心理学の5つのエクササイズ介入研究 -半年間に亘る比較調査でわかったこと-
https://note.com/courage_sapuri/n/n768f968563b9
■マンチェスター大学の「227名への縦断研究」
とはいえ、こんなツッコミも聞こえてきそうです。
「それって、たまたまその人たちが幸福感が高まっただけじゃないの?」
こうした疑問に応えるためにも、研究では再現性が重視されます。すなわち、異なる人に実施しても、同様の結果が得られるかどうかという点です。
2011年、イギリスのマンチェスター大学では、成人227名を対象に縦断研究(longitudinal study)が行われました。縦断研究とは、同じ個人や集団に対して、一定期間をおいて繰り返し調査を行い、その人たちの時間的な変化を明らかにする研究手法です。
この研究では、「強みを活用しているか」と「幸福度(ポジティブ感情・自尊心・活力/ストレスの少なさ・ネガティブ感情の少なさ)」との関係を、3回にわたって測定しました。
その結果、
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「強みを活用している人は、3ヶ月後、6ヶ月後の幸福度が高い」
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ことがわかりました。
またその効果量は統計的に見て「中程度の効果量」(標準化傾向r=0.30程度)とされています。これは「まあまあ影響がある」と言える水準です。
より厳密な方法で検証しても、「強みの活用」と「幸福度の高さ」には関連があることが示されました。
※参考:「強みの活用」は6ヶ月後の幸福度にどのような影響を与えるのか?の研究 ―強み活用尺度の検証結果ー
https://note.com/courage_sapuri/n/n373e66549137
■強みの研究テーマは「ウェルビーイング」が軸
この他にも、強みと幸福感に関する研究は数多く存在しています。2000〜2013年ごろまでは、アメリカやイギリスなど欧米の研究が中心でしたが、2014年以降は、中国・インド・インドネシアなどアジア圏の国でも研究が進んできています。(Tommaso et al. 2022)
また、強み研究におけるキーワードでは「ウェルビーイング(幸福度)」が最も多く使われているキーワードになっています。
「強みを活かす」ということは、「誰かと比べて優れているかを考えること」ではなく、「自分の力強さ、生きがい、最高の自分を表す心の状態を、日々の中に取り戻すこと」ともいえます。
「強みを活かすと、人生が変わる」。
大げさなようですが、そうした実証的な知見が、今では世界中から集まってきています。その第一歩として、まずは“幸福度”という成果があることを、ぜひ知っていただけたらと思います。
別の「自尊心」「エンゲージメント」「ストレス対処」などについても、またご紹介してまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
※本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。よろしければぜひご覧ください。
https://note.com/courage_sapuri/n/nafa7e9ae4006
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【編集後記】
◯今月の健康&運動習慣:7月のランニング距離 65km
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