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令和7年6月4日(第4118号)
大学の授業が「生成AI」によってどう変わっているか? を考える
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2445字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は終日大学の授業でした。
そして、4~7月に大学で行っているこのリーダーシップの授業が、だいぶ佳境を迎えてきております。
私は毎週火曜日に大学1年生と、2年生の各クラスの授業を担当させていただいているのですが、7月の最終発表に向けて、アクセルが踏まれてきている感覚があります。そして思えば、今年は「生成AI」の登場によって、今までとまた進め方が変わってきている最中にいるようにも感じます。
今日はこのあたりの大学の授業の話から、個人的に感じること、思うところを共有させていただければと思います。大学の授業のごく一部しか見ていない自分の意見でしかありませんが、ご参考になればと思います。
それでは早速まいりましょう!
■プロジェクト型のリーダーシップ授業とは
大学のビジネスリーダーシップ・プログラムの設計は、「プロジェクト型の学習(PBL)」と呼ばれる形式で進みます。
まず、あるクライアント企業の課題が出されます。そのお題に対して、3ヶ月検討し、プレゼンをする、そして教員らに評価をされ、90ほどあるチームから予選通過、本戦出場が選ばれる。最終的に6組が400名の前でプレゼンする機会が与えられる、というようなイメージ。
ちなみに、協力いただけるクライアント様にも、大学生視点のビジネスのアイデアなど、関わっていただくための価値を提供する必要がありますので、それらも含めて、運営も本気でやりますし、その熱量は学生にも伝わります。タテ・ヨコ・ナナメで刺激を与え合う場の設計が、渦を巻くように、場のエネルギーを高めていきます。
そして、分けられた1グループ4~5名の中で、プランを考えるのですが、お互いに考えを持ち寄って、そして合意をしようとする最中で、色々起こります。たとえば、その対話の中で、すれ違いが起きたり、テンポが早いメンバーについていけなくて悩んだり、フリーライドするメンバーができたりなど、さまざまな葛藤が起こる等々。
そこに「シャバで人と協働する難しさと面白さ」「自分の影響力の源泉(リーダーシップスタイル)」を理解していくわけです。
■「生成AI」をどう扱うか問題
さて、こうした「プロジェクト型学習」は以前からありました。私もあまり詳しくはないのですが、学校が地域活性化のプロジェクトや社会課題を考えるなどで、一部の高校や大学で、教育プログラムの一貫として活用されてきたそうです。
答えがない問題に対して「お互いのアイデアを持ち寄り、創発的に考えていく」という部分が面白く、役割分担をしながら、調査をして、内容をまとめて、プレゼンの骨子を作って、という”人が役割分担して進める”部分が面白かったわけですが、最近ではここに「AI」が登場してきたことで、進め方が変わってきました。
調べるのも、まず「AI」。
ストーリーの骨子を作るのも「AI」。
ビジネスモデルや利益の計算も「AI」。
批判的に捉えたブラッシュアップも「AI」
スライドの作成も「AI」。
学校によって、「ガンガンいこうぜ派」と、「使っちゃダメ派」がわかれているようです。しかし、便利なツールは、いくらポリシーを作っても、活用していく流れは止めることはできません。ゆえに、個人的には「ガンガン使ったらいいじゃん派」です。
■「AIに頼りすぎること」の弊害
ただ、怖いな、と思うことは2つあります。
1つ目が、生成AIの答えを「人間の目で確かめるための目」が養われないのでは、ということです。
ある道の専門性がある人であれば、経験知とその生成AIの回答結果を照らし合わせて、どこが現実的でないか、どの部分を人間の手で修正すべきかがわかります。これは、情報として言語化されていない「プロフェッショナル実践知」が専門家は数々持っているからです。
たとえば、私も人材開発・組織開発の研修プログラムを作るときに、AIに下書きを作ってもらうと、それっぽく「◯◯ワーク=15分」とか出てくるのですが、いや多分その時間と内容だとむずいよね…とか思うのです。
こうした部分は、アナログなようですが、「経験の蓄積」があるからこそ、できることなのでは、と私は思ってしまいます。
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2つ目が、「AIの答え」に依存しすぎる”病”、です。
AIは、合理的な答えを、”論理的に、クリアな表現で、明確にすること”に長けています。なので、「こういう議論とアイデアがあるけど、それぞれのメリットとデメリットを整理して教えて?」などと言えば、多分きれいにまとめてくれるでしょう。
ロジカルに説明される、論理性には、パワーがあります。
だとすると、つい、そのまとめてくれた答えでいいんじゃね?と、チームの思考を煮詰めずに、合理性とスピード感だけで表現することになるのでは、とも思うのです。
1)皆でアイデアを出す→2)それぞれのメリット・デメリットをAIで判断→ 3)皆で合意する
この流れは、スピーディーに進むのかもしれませんが、そのパターンになったとしたら、「対話からの上質な学び」が得られるのだろうか…というのが私には疑問に思えるのです。
■結論:やってみて、また考える
…と思いつつも、実際は、そんな風にならないかもしれず、AIをパートナーとしつつも、人間同士のやりとりからの葛藤はいつまでも生まれ続ける気もします。
新しいツールが増え、考え方や解決の仕方の方法論が増える中で、それを使いながら、試していく他ないのだろうな、と思います。
――――
ただし、一つだけ違うのが、AIは人類最後の「汎用技術(General Purpose Technology, GPT)」となる可能性が高いと言われていることです。
これまで、車輪、活版印刷、電気、インターネットと、汎用技術が社会を変えてきました。そして生成AIは人類における最後の「汎用技術」と言われており、人を超える知能を持つ、つまり主従が逆転するほどのパワーを持ち得るということです。
そうした時代にいるゆえに、全く想像もつかないのですが、いずれにせよ、日々のこの状況を味わっていきたいと思った次第です。
※本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。よろしければぜひご覧ください。
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【編集後記】
◯強み文献おかわり100本ノック:90本目
◯今月の健康&運動習慣:6月のランニング距離20km
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