配信日時 2025/06/01 23:38

今週の一冊『ゆるストイック――ノイズに邪魔されず1日を積み上げる思考』【カレッジサプリ】

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令和7年6月1日(第4115号)


今週の一冊『ゆるストイック――ノイズに邪魔されず1日を積み上げる思考』


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3344字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。

毎週日曜日は、最近読んだ本の中から一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナーです。

本日ご紹介する本は、起業家の佐藤航陽さんの語る、「次世代の生活スタイル論」である『ゆるストイック』という考え方です。

タイトルが面白そうで、時代に求められている感もあり、思わず手に取ってしまいました。内容もシンプルながら、面白いものでした。

ということで、早速中身を見てまいりましょう!



■「ゆるストイック」とは

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「ゆるストイック」とは、”自分に厳しくストイックでありながら、他人に自分の価値観を押し付けない柔軟さを持ち、自分の目標を追い求めつつも、他者を否定することなく違いを尊重するような姿勢”とのことだそうです。
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がむしゃらに頑張るか、頑張らず休むかのニ極化ではなく、「淡々と自分のペースで進み続けること」というスタイルです。

時代の背景として、地方と都市、富裕層と中間層以下と、現在は格差の拡大が進み、圧倒的な状態にまで進んでいる「超格差社会」であることを述べます。
”人生はガチャである”、といいますが、間違いなく生まれによる経済格差はあり、それらは教育格差につながり、そのサイクルが続くことで、”人が固定化されていく”という側面はあるわけです。
そして、その「どうにもならない諦めのニュアンスの中で、私たちはどう生きていけばよいのか?」の指針が必要では、と著者は述べます。



■「ゆるストイック」を実現するためのポイント

今の停滞している環境と、現代の価値観から、やる気のない人に関わるのはコスパが悪いので、干渉しすぎない傾向もあるようです。ハラスメントなどもあり、ますます他者に介入しづらくなっているこの頃。
言い換えれば、良くも悪くも、自分が”おせっかい”として、指摘してくれる人が少なくなっている、とも言えるわけです。

ゆえに、今の時代では、「自分を律する”ストイックさ」と「他人と違う考えを許容し干渉しない”寛容さ」のバランスが求められると述べています。

そしてそのためには、いくつかのポイントがあると述べています。



■「忘れること」からはじめよう

何かを取り入れるためには、これまでの当たり前としていた考え方を手放す必要があります。(学習棄却=アンラーニング、とも言います)。

そのために、私が「常識や正しいと信じていること」、そしてそれは時代の流れとともに、社会によって発明されたものに過ぎず、真理かどうかはわかりません。そして、手放すべき考えとして、以下のようなものを例示します。

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<古くなった6つの道具(考え方)たち>
1)公正世界仮説:
・努力は報われるという考え方。実際は、努力と報酬は結びつかない。勤勉に働くことで報われるわけではない。このことを冷静に受け止めるべし。

2)被害者意識:
・困難な状況に直面したときに「何が悪かったのか」「誰の責任なのか」と外部に責任を求めること。陰謀論などもそう。こうなると、状況を改善するための行動が起こせなくなる

3)自己責任論:
・かといって、自己責任に囚われすぎると、自己否定に陥ってしまう危険性もある。必ずしも、全ての結果が自分に帰するわけではない。ちなみに、自己責任は権力者にとって労働者を頑張らせるための良いツールであった。

4)ゼロリスク思考:
・リスクがなければリターンもゼロである。よってリスクを完全に排除することは、現実的ではない。リスクを前提にした柔軟な行動をとろう。

5)ゼロ失敗思考:
・失敗をゼロにすることに囚われると、失敗した人を過度に批判したり笑ったりする傾向になり,自分自身も無挑戦になる。成功するためには試行錯誤が欠かせない。

6)ロジカルシンキング信仰:
・合理的に考えるのは、一つ大きな弱点がある。それは「限定合理性」である。人は全ての情報を知りえない。その中で合理的な判断をしているに過ぎない。動きながら新しい情報を得て、認識を更新するのが現実的である。
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■成功を支配するのは「才能」より「運」

そして、実際に、経済的な成功は、才能があることより「たまたまの運を引き当てること」のほうが重要であるという話もします。

「能力が高い人」が必ずしも成功してるわけではない。たしかに優秀だけれども、成功している経営者や投資家の優れているというのも、1.5倍~2倍くらいの差であると感じ、実際の経済の差である数千倍の資産の差を説明するものにはならない、と語ります。

では、そのルールの中で、「ゆるストイック」として何を目指すのか?を著者は以下のように言葉にしています。

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<「ゆるストイック」を実践し、成功に至るプロセス>
1.独自性(ユニークネス)
2.タダ乗り(フリーライド)
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まず、「独自性」は”その時代の人々がなんとなく共有している「常識」を見極めた上で、常識と非常識の境界線上にアイデアを配置する行為”と述べています。これは個人やチームの努力や才能の結果であり、故意に起こすものです。
(たとえば、映画「君の名は。」における、タイムリープ✕体入れ替わりという既視感がありつつも新しい世界観。音楽と映像の美しさ等により独自性をもたらした例として紹介されています)

そして「タダ乗り」は、すでにあるプラットフォーム、Xやインスタグラムなどを利用し、拡散が拡散を呼ぶ仕組みを上手に利用することです。そうした基盤を利用するのが重要で、むしろ成功にはこちらの要素のほうが強いと述べます。

そして、独自性とタダ乗りのバランスを意識しましょう、と述べます。
独自性が高ければ、タダ乗りする基盤が弱くても成果を出しやすく、一方独自性が低くても、成長している基盤にフリーライドすれば規格外の成功が実現することもある、と述べます。

また、他にも

「論理」より「物語」を語ることが大事

才能があるゆえ強者の世界で戦うことになり、独自性が発揮できなくなる

好きなこと✕得意なこと✕受容があること の領域を見つける

活動にとにかく没頭せよ

あらゆることをゲーム化する(試行回数を増やす)

など、「ゆるストイック」に関連する著者のアイデアが伝えられていました。



■まとめと感想

本書のメッセージから、20~30代前半を対象に書いているような印象を持ちました。あとがきで、起業家である著者が「自分が当たり前としてきた考え方」であったとありますが、たしかに、どこか見聞きしたことがあるような考え方なのかもしれません。

しかしながら、それを時代のトレンドと掛け合わせて、暑苦しい自己啓発書ではなく「ゆるストイック」というタイトルで編集し、そして世に出したことに、まさに本書で語る「独自性」の例を見せていただいたように思った次第です。

20~30代の特に若い方におすすめしたい一冊だと思いました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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 【編集後記】
◯強み文献おかわり100本ノック:90本目
◯今月の健康&運動習慣:6月のランニング距離10km

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