配信日時 2025/05/11 16:52

今週の一冊『Master of Change 変わりつづける人――最新研究が実証する最強の生存戦略』【カレッジサプリ】

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令和7年5月11日(第4093号)


今週の一冊『Master of Change 変わりつづける人――最新研究が実証する最強の生存戦略』


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3422字/読了時間5分)

■こんにちは。紀藤です。

先日より、GWのお休みとして、
家族で福岡→長崎にきております。

朝から日本三大夜景とされる「稲佐山」を約600mほど、
10kmほど峠ランニングをしたのち、

昼からはオランダ坂やグラバー園など、
長崎の坂道スポットを子ども(4歳)をおんぶしてひたすら歩くという、
来週の100kmマラソンに向けたトレーニング的な時間になりました。
(歴史スポットも巡れて、一石二鳥でした)

1週間後は100kmマラソン。
頑張りたいと思います。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、最近読んだ本の中から一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナーです。

今回の一冊は「変わり続ける」ことの重要性、そのための考え方や方法について提案をした一冊です。そのテーマは、今の時代に求められる”変化”というキーワードで、まあそうだよね、と思わされます。ただ、特に面白かったのが、書かれているエピソードや、脳科学や歴史などの引用でした。

ということで、早速内容を見てまいりましょう!

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<今週の一冊>
『Master of Change 変わりつづける人――最新研究が実証する最強の生存戦略』

ブラッド・スタルバーグ (著), 福井 久美子 (翻訳)
https://amzn.asia/d/567BTzF
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■本書の概要

「今はVUCAの時代だから、変化が大事」とか、「変わり続けないと、生き残れない」など「変化の重要性」は、ますます高まっている気もします。

その中で、本書は、”マッキンゼー出身、ウェルビーイング研究の第一人者が、現代人に最も重要な資質を解明した本”ということで、全米でベストセラーになった話題作とのことでした。

以下、著書の紹介文を引用いたします。

(ここから)
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【話題作がついに上陸!多くの人の心を動かした全米ベストセラー!】
変化の激しい時代をサバイブする新しい生き方、自分らしい人生の見つけ方
就職、退職、結婚、離婚、出産、病気、出会い、別れ……大人は生涯で平均36回、"人生を揺るがす出来事"を経験するという調査がある。

環境の変化に直面すると、私たちは不安や戸惑いを覚え、自分を見失いやすい。この変化の激しい世の中で、柔軟かつ健康に、そして自分らしく生きることが求められる今、海外で絶賛された1冊が日本に上陸した。

【最新研究が実証する最強の生存戦略】
行動科学、脳科学、心理学が実証する<柔軟でぶれないアイデンティティ>とは何か?マッキンゼー出身、ウェルビーイング研究の第一人者が、現代人に最も重要な資質を解明する。
35万部突破『限りある時間の使い方』著者オリバー・バークマンをはじめ、NYタイムズベストセラー作家陣から絶賛の嵐!
―――――――――――――――――――――――――――――
(ここまで)

たしかにキャリア・コンサルタントの勉強でも、仕事上の就職、昇進、転職、異動などの変化が、その人に影響を与えるということは知られていますし、また人生全体で、結婚、出産、あるいは病気や事故、死別などもその人に大きな影響を与えるものです。

そして、そのインパクトの中で、人は大きな感情的体験とともに、アイデンティティを変化させていくことが知られています。

▽▽▽

しかしながら、人は「変化に直面したとき」に、必ずしもそれを受け入れて、上手に泳いでいけるとも限りません。たとえば、多くの場合、人は以下のような反応を示すと述べます。

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<人が変化に直面したときの反応>
・反応1:変化に抵抗する、または変化を認めようとしない
・反応2:変化を断固として拒否する
・反応3:混乱のさなかに主体性を放棄する
・反応4:かつての状態に戻ろうとする
―――――――――――――――――――――――――――――

とのこと。全然、変化に対応できてないやんけ…とのことで、そうした課題感も踏まえて、本書では「変化に直面したときに、私たちはどうした心持ちで、どのように対応すればよいのか?」について指針を示しているのが、本書となっています。



■本書のキーワード「ぶれない柔軟性」

さて、本書において、変化に上手に対応するためのポイントは、「ぶれない」✕「柔軟性」という、一見すると二律背反にみえるものを、上手に融合させていくことである、と述べています。

Part1~3の全6章で成り立っており、「柔軟でぶれない”マインドセット”」→「柔軟でぶれない”アイデンティティ”」→「柔軟でぶれない”行動”」と全体がまとめられています。以下、引用いたします。


(ここから)
―――――――――――――――――――――――――――――
<目次>
●Introduction
ぶれない柔軟性 ── アイデンティティを維持しながら変化に適応するための新しいモデル

●PART1 柔軟でぶれないマインドセット
第1章 人生の流れに心を開く
第2章 困難を想定する

●PART2 柔軟でぶれないアイデンティティ
第3章 流動的な自己認識を育む
第4章 柔軟でぶれない境界線を築く

●PART3 柔軟でぶれない行動
第5章 主体的に対応する
第6章 意味を見出し前進する

●おわりに
変化を受け入れ、ぶれない柔軟性を確立する「5つの問いと10の方策」
―――――――――――――――――――――――――――――
(ここまで)



■各章のポイント

以下、各章で述べられていることを、簡単にまとめます。

【PART1 柔軟でぶれないマインドセット】

◎第1章 人生の流れに心を開く
人生の流れに身を委ねる。まずその姿勢を育てることの重要性を述べます。
世界を「白か黒か」で切り分けるのではなく、「白でも黒でもありうる」と捉える非二元論的な発想が鍵であり、変化を拒まず、迎え入れる。
“所有”にしがみつくより「私はどう在るか」という存在思考へシフトすると、揺らぎも必要なものとして受け入れる事ができる、と述べます。

◎第2章 困難を想定する
私たちの「幸せ=《現実 − 期待》」で決まると著者は述べます。
つまり、期待が大きすぎれば、その分だけ落差は苦痛になります。「すべて良くなるはず」という盲目的な楽観は、現実とのギャップを生みがちです。物事は良くも悪くも移り変わる――この現実を見据えたうえで「いま自分にできる最善」を尽くす姿勢こそが、ぶれない柔軟性につながります。
また、「苦しみ=《痛み × 抵抗》」でもあります。抵抗を手放すほど、行動も心も軽くなると述べます。


【PART2 柔軟でぶれないアイデンティティ】

◎第3章 流動的な自己認識を育む
たとえば、「私は登山家だ」「私は○○の専門家だ」と一つの肩書だけに自己を閉じ込めると、その肩書が揺れた瞬間に自分も壊れてしまいます。
 自己というアイデンティティを“石”ではなく“水”のようにする。つまり、状況に合わせて形を変え、隙間を満たす柔軟性を持つことです。
 私たちは多面的な要素で成り立ち、同時に他者とのつながりの中で存在しています。内外の変化を受け取る心の余白が広げることの重要性を述べます。

◎第4章 柔軟でぶれない境界線を築く
柔軟であるためには、”軸”も必要です。
その役割を果たすのがコアバリューです。これは、自分の生き方を支える3〜5つの価値観を表します。価値観を言語化し、日常の言動に落とし込むことで、揺れや迷いが生じた時は、コアバリューがコンパスとなります。
 またコアバリューは抽象度が高いため、所有しているものや行っていることだけに囚われません。これが「柔軟でぶれない境界線」になるわけです。


【PART3 柔軟でぶれない行動】

◎第5章 主体的に対応する
変化と混乱の局面では、まず《コントロールできるもの》と《できないもの》を仕分けること。感情が高ぶったら、1:名前を付けてラベリングし、2:出来事と距離を取る、3:俯瞰して選択肢を見る――この3ステップで“刺激と反応のあいだ”にスペースを確保します。そこにこそ自由な選択が宿ります。
(このあたりは、著書『7つの習慣』の「第一の習慣 主体的である」に極めて似ている部分でした)

◎第6章 意味を見出し、前進する
人生の大きな変化や混乱は、私たちの心理的免疫システムが回復を促してくれるプロセスでもあります。苦しい渦中では時間が遅く感じられても、やがて必ず心は癒える――その働きを信頼することを述べます。
 出来事に自ら意味づけを与え、物語として語り直すと、苦難が学びへと昇華されます。また、助けを求めること・諦めること(降伏すること)の必要性も述べています。諦めが悪いわけではありません。



■まとめと感想
ここでは紹介できませんでしたが、本書の特に面白かったのが「語られているエピソード」でした。

たとえば、ある登山家が、登山中にあるゲリラ兵に捕まり、命の危険を感じた果てに、そのゲリラ兵を崖から突き落とす、というエピソードが紹介されました。それまでは、自分は良心的な人間だと思っていたのに、自分は人を殺めてしまった…しかし、あの状況ではそうするしかなかった…。
そんな中で「己のアイデンティティのゆらぎ(=変化に直面する)」ことに直面したというエピソード。

そして、同じ登山家がようやく変化に対応できたと思った矢先、DIYの最中に、登山家の命でもある指を切断してしまい、山に登れなくなる(=登山家というアイデンティティの崩壊)がやってくるなど、インパクトがあるエピソードが豊富で、翻訳書でありながらぐいぐい引き込まれてしまいました。

理論より、物語こそが面白い。そんなことも感じる本でした。

ということで「変わりたいけど、変わるのがこわい」と思う人にとって、一つの処方箋となりうる本とも感じた次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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 【編集後記】
◎「野辺山ウルトラマラソン100km」まで・・・あと6日

◯強み文献おかわり100本ノック:88本目
◯今月の健康&運動習慣:5月のランニング距離90km


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