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令和7年5月5日(第4087号)
「特徴的な強み」への介入はポジティブな気持ち・人生満足度他、6つの成果を高める
ー14論文のメタ分析でわかったことー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2205字/読了時間3分)
■こんにちは、紀藤です。
さて、本日ですが、恒例の(?)「強み論文」をご紹介いたします。今日のテーマは「特徴的な強み(シグネチャー・キャラクター・ストレングス)の介入に関するメタ分析」です。
ちなみに、「特徴的な強み」とは、個人の中で最も顕著なおよそ5つほどの強みを指します。セリグマン(2002)は、これらを特定し活用することで人生が豊かになる重要な基盤になると述べました。
実際、特徴的な強みの使用が多いほど、主観的幸福感・自尊心・自己効力感・目標達成・仕事満足度など、多方面でプラスの結果が報告されています。すごいぞ、特徴的な強み!
さて、今回ご紹介する2019年の論文は、これまで実施された特徴的な強み介入研究を網羅的に集め、幸福感や生活満足度などへの影響を定量的に検証したものです。改めて「強み介入には一定の効果があるのだな」と感じさせられる内容でした。
それでは、早速見てまいりましょう!
■今回の論文
タイトル:The Impact of Signature Character Strengths Interventions: A Meta analysis(シグネチャー・キャラクター・ストレングス介入の効果:メタ分析)
著者:Nicola S. Schutte(First Author)、John M. Malouff(Last Author)
ジャーナル名:Journal of Happiness Studies(2019年, 20巻4号, pp. 1179–1196)
所属:University of New England, Australia
※ChatGPTによる要約
https://chatgpt.com/share/68129a9b-bcd4-8010-88e5-47e5f273541b
■30秒でわかる本論文のポイント
・シグネチャー・ストレングスを活用する介入の有効性を、14研究・29効果量を対象にランダム効果モデルでメタ分析しました。
・結果、ポジティブ感情(g = 0.32)、抑うつ軽減(g = 0.21)、生活満足度向上(g = 0.42)など、小~中程度ながら一貫した好影響が確認されました。
・特に「強みの使用増加」の効果量が最大(g = 0.55)で、介入が意図通り機能していることを示唆していました。
■研究の概要
◎研究目的/背景
・シグネチャー・ストレングス介入が幸福感や精神的健康に及ぼす効果を、定量的に統合評価すること。
・先行レビューは強み全般を扱うものが多く、「特徴的な強み」に特化したメタ分析は本研究が初である。
◎方法
・データ収集:主要学術データベースを検索し、対照群を含む実験研究を抽出。
・選定基準:シグネチャー・ストレングスの使用を促す介入で、効果量(Hedges’ g)を報告していること。
・最終サンプル:14研究(n = 約900)から29の効果量を検出。
・分析手法:ランダム効果メタ分析。アウトカムはポジティブ感情、抑うつ症状、生活満足度、強みの使用、フローリッシング、ネガティブ感情。
◎主な結果(6つの指標における効果)
1)「ポジティブ感情・幸福感」:効果量 g = 0.32(p = .002)で、小〜中程度の向上が見られた(研究数 9)。
2)「抑うつ症状」の軽減:効果量 g = 0.21(p = .001)と小さいながらも有意な改善が確認された(研究数 7)。
3)「人生満足度」:効果量 g = 0.42(p = .004)で中程度の向上が得られた(研究数 7)。
4)「強みの使用」の増加:効果量 g = 0.55(p = .001)と中〜大程度の大きな効果が示された(研究数 2)。
5)「フローリッシング(繁栄感)」:効果量 g = 0.36(p = .030)で小〜中程度の向上が見られた(研究数 2)。
6)「ネガティブ感情」:有意な効果は確認されなかった。
■結論:研究からわかったこと
・シグネチャー・ストレングス介入は、ポジティブ心理的アウトカムに「小~中程度」の安定した効果をもたらす。
・とりわけ「強みをより使うようになる」という介入目的そのものへの効果が大きい。
・ネガティブ感情低減への効果は一貫せず、追加検証が必要である。
■実践に活かすヒント
1.教育現場—学生に自己の強みTOP5を特定させ、日常の学習課題に組み込むと内発的動機づけを高めやすい。
2.職場—1on1やキャリア面談で強みを具体的な業務タスクに結びつけると、仕事満足度やパフォーマンス向上が期待できる。
3.臨床・カウンセリング—抑うつ症状が軽度のクライアントに、強み日記や強み活用プランを処方することで、自己効力感を底上げできる。
■まとめと感想
さて、今回の全般的な介入効果は Hedges’ g = 0.32など、「小から中程度」の効果と評価されます。
※効果量の一般的な解釈の目安
0.2:小さい効果(small)
0.5:中程度の効果(medium)
0.8:大きい効果(large)
(Cohen, 1988をベースにHedges’ gでも用いられる)
ポジティブ心理学領域では、この程度の効果量でも臨床・実務で十分意味があるとされています。ウルトラ級に大きな効果(g ≥ 0.8)が得られる万能施策はないものの、「土台を少し底上げする」実践として強み介入の価値を改めて感じた次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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https://note.com/courage_sapuri/n/n24d67158ac4d
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【編集後記】
◎「野辺山ウルトラマラソン100km」まで・・・あと12日
◯強み文献おかわり100本ノック:86本目
◯今月の健康&運動習慣:5月のランニング距離70km
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