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令和7年4月4日(第4057号)
「遺伝」が性格や才能に与える影響度は◯◯%だった?! 研究からの知見
―読書レビュー『遺伝マインド』#4
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1951字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
先日より「行動遺伝学」を取り上げた書籍『遺伝マインド』の読書レビューをしております。
ややマニアックですが、「!」という気付きが多く、知的な興奮を勝手に覚えております。
ということで、本日も続けます。
本日は「第3章 遺伝のはなし」です。”遺伝が、認知能力やパーソナリティ等にどのように影響を及ぼしているのか?”について、様々な研究からの知見をまとめた章です。
ということで、早速中身を見てまいりましょう!
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目次
「行動遺伝学の三法則」とは
認知能力・性格・才能…どのくらい「遺伝の影響度」があるのか?
行動特性を決める公式
まとめと感想
―――――――――――――――――――――――――
■「行動遺伝学の三法則」とは
遺伝子が私たちの心や行動に影響を与えるとする「行動遺伝学」において、2000年にある出来事がありました。
それが「行動遺伝学の三法則」の誕生です。
行動遺伝学の研究は、個々でばらばらに研究がされてきたのですが、それらをまとめた法則が、エリック・タークハイマーにより提唱されたのです。
曰く、「こんなものにも影響がある(第一法則)」「家庭環境の影響と思っていたものがじつは遺伝だった(第ニ法則)」「同じ家庭で育ったきょうだいが何でこんなに違うのか(第三法則)」(P60)と表現されていました。
本書とは別で調べてみると、以下のような説明がされていました。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<行動遺伝学の三法則>
1. こんなものにも影響がある
~ヒトの行動特性はすべて遺伝的である~
あらゆる行動特性(知能・性格・嗜好など)に遺伝的要素が関与します。ただし「遺伝だけで決まる」という決定論ではなく、遺伝的「傾向」が存在することを意味します。
2.家庭環境の影響と思っていたものがじつは遺伝だった
~同じ家族で育った影響は遺伝子の影響より小さい~
親の子育て方針や家庭環境(共有環境)よりも、遺伝的要因の方が個人差に大きく寄与します。例えば学力への影響では、遺伝要因が47.4%を説明するのに対し、共有環境は9%程度というデータがあります。
3.同じ家庭で育ったきょうだいが何でこんなに違うのか
~複雑な行動特性の差異は遺伝や家庭では説明できない~
遺伝と共有環境を合わせても説明できない部分(約40-50%)が存在し、これは「非共有環境」(友人関係・偶然の出来事・個人的体験など)の影響によるものです。
Perplexityによる要約
認知能力・性格・才能…どのくらい「遺伝の影響度」があるのか?
そして、実際に著書において、さまざまな心理的・行動的特徴(認知能力、パーソナリティ、才能、精神疾患、物質依存、社会的行動などなど)において、「遺伝・共有環境・非共有環境」の影響の強さが、表としてまとめられています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
この表(note参照)を見ると、認知能力(学業成績など)、パーソナリティ(外向性や誠実性など)、才能(音楽的才能、数学など)、物質依存(アルコール、喫煙)など、私たちが生活の中で表す心やふるまいのほとんどに、遺伝の影響があるとわかります。
遺伝的影響が比較的強くある領域は、「才能」(音楽92%、数学87%など)、精神疾患・発達障害系(ADHD80%など)に見ることができます。
遺伝的影響が中程度の領域は、「認知能力」(学業成績55%など)、「パーソナリティ」(外向性46%など)、「社会的態度」(自尊心31%など)などです。
■行動特性を決める公式
このように、あらゆる心や行動に、遺伝が影響を与えています。
(行動遺伝学の第一法則「あらゆるところに遺伝の影響がある」です)
そして、社会における人の違いのばらつきの30~50%程度が、遺伝の違いで説明ができる」と考えられます。逆に言えば、50~70%がそれ以外の要因となります。
まとめると、人の心のあり方やふるまい(行動特性)を決める公式があるとすると、以下のように表現できると思います。
―――――――――――――――――――――――――
行動特性 = 遺伝率 + 共有環境 + 非共有環境
―――――――――――――――――――――――――
ちなみに、本書が強調しているのが「あらゆるものに遺伝の影響がある」と「遺伝子が全てを決める(遺伝決定論)」は違うと述べます。この話は「遺伝決定論の宣言ではない」とのこと。
理由は「遺伝だけで決まるものはほとんどない」から。たとえば、学業成績は55%は遺伝の影響ですが、もう半分はそれ以外の要因なわけです。その点もしっかりと把握しておくことが重要です。
■まとめと感想
「遺伝の影響がある」というのは、何となく理解はしていましたが、様々な研究を統合して、それぞれ「遺伝・共有環境・非共有環境」がどの程度影響を与えているのかを数値として示された表には、驚きを隠せませんでした。
性格なども、生まれ持った気質(遺伝)が半分程度ですが、むしろどちらかというと生まれてから出会った人や経験など(非共有環境)が、その人を形づくっていると思うと、興味深く感じた次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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【編集後記】
◎「ラ・カンパネラ」ピアノ発表会まで・・・あと24日
◎「野辺山ウルトラマラソン100km」まで・・・あと43日
◯強み文献おかわり100本ノック:79本目
◯今月の健康&運動習慣:4月のランニング距離5km
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