配信日時 2025/04/01 17:54

遺伝 vs 環境どちらで人は決まるのか?「行動遺伝学」が解き明かす謎【カレッジサプリ】

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令和7年4月1日(第4054号)


遺伝 vs 環境どちらで人は決まるのか?「行動遺伝学」が解き明かす謎


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話  2531字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
その他、出版に向けた強みのインタビューなどでした。
色々とお話を伺う中で、ニーズなどが少しずつ見えてきたような気もします。
長い旅路、コツコツ進めたいと思います。



さて、本日のお話です。

「人は、”遺伝”で決まるのか? それとも”環境”で決まるのか?」

こうした疑問を持ったことがある人も少なくないのではないでしょうか。

もちろん「どちらか一つだけで決まるわけことはない」ということはわかります。「オレとアイツの違い」を比較したりして、持って生まれた「遺伝子」の影響を否応なしに感じたりもします。では、実際のところ、どうなのか?
人は遺伝の影響がどれくらいで、環境の影響がどれくらいなのか・・・? 

今日から、この「遺伝子」が私達の心や行動に影響を与えるとする「行動遺伝学」の書籍を題材に、学びを皆さまに共有させて頂ければと思います。

本日はまず「序章」から見てまいります。

それでは、早速まいりましょう!

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『遺伝マインド --遺伝子が織り成す行動と文化 (有斐閣Insight)』
安藤 寿康 (著)
https://amzn.asia/d/iqVfbcE
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■「コトバ」としての遺伝子

さて、「遺伝子」というと、どのようなものを想起されるでしょうか。

遺伝子というと、「我が社のDNA」「先祖代々から受け継いだ遺伝子」みたいな伝えられた信念や考え方を表す場合もあります。あるいは、一目惚れで恋に落ちて「遺伝子が反応した」なんて表現をすることもあるかもしれません。日常で使われる「コトバとしての遺伝子」は、

”みずからの内側に宿る
1.伝達性(伝えられたモノ)
2.普遍性(変わらないモノ)
3.必然性(すべからく起こったモノ)を表す”

と説明されています。

一方、科学者が主に研究している「科学としての遺伝子」とは、超ミクロな世界における遺伝子の現象(DNAの塩基配列など)を調べます。先述の「コトバとしての遺伝子」が意味するものと、乖離があります。



■「行動遺伝学」という科学

さて、遺伝子について「ありがちな誤解」があります。

それが、”「〇〇の遺伝子」というように、1つの結果に、1つ対応する遺伝子があるように思う”というものです。(つまり「”背が高い”遺伝子」を持っている人は、背が高い、みたいなもの)

しかし、実際は、2万2000個のヒトを成り立たせている遺伝子の中の微妙な違いが、相互作用として「”背が高い”という現象」を作っています。

多様な遺伝子が協同した結果として、私達の、体質的なものだけではなく、考え方や行動にも影響を与えますが、この現象の詳細はまだわかっていません。
とはいえ、1953年にワトソンとクリックとDNAの二重らせん構造の発見から、”遺伝子が人間の心や行動の働きに及ぼす影響を明らかにする科学”を「行動遺伝学」と呼び、研究が進んできました。

それらは「遺伝子が性格に与える研究」としても、パーソナリティ心理学の分野にも展開されています。たとえば「性格の強み」の研究でも、一卵性双生児に対する遺伝の影響を検討したものなども発表されています

(参考記事:「スピリチュアリティは遺伝する?! 双生児336人に調査をした結果わかったこと→遺伝します。」)
https://note.com/courage_sapuri/n/na53663175d79



■「遺伝マインド」とは何か

では、そんな遺伝子について、本書のタイトルにもなっている「遺伝マインド」とは、一体何なのでしょうか? 以下、その定義を引用します

―――――――――――――――――――――――――――――
<「遺伝マインド」とは>
行動遺伝学的視点から、人間の日常的な心や行動の営みの中に、遺伝的要因が入り込んでいるという事実のもつ意味を解き明かしていこうとする態度(P7)
―――――――――――――――――――――――――――――

平たくいえば、「私達が生きる上での考え方や行動にも、遺伝子が影響している」という前提で物事を解き明かしてみよう、ということです。(逆に言えば「遺伝なんて関係ない、人は環境の生き物だ」は「遺伝マインド的な考えではない」となります)

▽▽▽

そんな「遺伝マインド」を持つと、世界がどう見えるのかについて、本書では以下のように説明しています。

―――――――――――――――――――――――――――――
<遺伝マインドで「見える世界」>
1.遺伝現象は個々の「遺伝子」の単独プレイによるのではなく、多数の「遺伝子たち」の協同プレイによる現象である
2.遺伝現象は、環境を介してあぶりだされてくる
3.社会は多様な遺伝子によってつくられている
―――――――――――――――――――――――――――――

この「遺伝マインドから見える世界」から著者が伝えたいメッセージは、「単一の遺伝子が単一の何かを決めるというように、単純化したり、矮小化してはいけない」ということだと理解しました。

「遺伝子」という言葉は、あるバイアスを生み出す可能性があります。
そのバイアスとは「遺伝子がすべて決めるという”宿命感”」です。

たとえば「音感という遺伝子が”ある”」なら「音楽で成功して当たり前」になるし、「病気になりやすい遺伝子が”ある”」とすると「病気になって仕方ない」となり、いずれの結果も決まっているから仕方ないという身も蓋もない話になります。
遺伝子同士や、遺伝子と環境が織りなす複雑性を理解しなければ、こうした「遺伝子が全部を決める」という極端な考えになりかねません。

これは「遺伝マインド」とは違います。



■「遺伝と環境」の相互作用を考える

同時に、もう一つ「遺伝マインド的でない考え」として、「環境が全てを決めるという”環境マインド”」があります。

「人は環境によって作られる。だからあなたも環境で変わるし、変えられる」というものです。この考え方は可能性を感じさせ、希望や勇気を与えてくれるもので、そのように考えたがります。

しかし、とはいっても個体差があるのが「行動遺伝学」の、今のところのわかっていることです。しかし私たちは、外側の環境が与える声が大きすぎて、”私たちの内側から私たちに影響を与えてくるもののメッセージになかなか気づかない(P9)”と著者は述べます。

遺伝が環境によってスイッチが入るものだとしても、人間が学習することで学ぶ生き物だとしても、遺伝子が与えてくる影響はたしかにそこに存在する。こうした「行動遺伝学」の観点から、人間を読み解いていこうというのが、本書のメインテーマとなります。

このテーマは、未知のことが多く、また難しい問題もはらみます。
一方、自分を知り、他者を知り、人間を知る上で、とても大事な要素のように思います。まだ序章ではありましたが、これからの探求が楽しみになっている次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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https://note.com/courage_sapuri/n/n0bd1c985235e
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 【編集後記】
◎「ラ・カンパネラ」ピアノ発表会まで・・・あと27日
◎「野辺山ウルトラマラソン100km」まで・・・あと47日

◯強み文献おかわり100本ノック:79本目
◯今月の健康&運動習慣:3月のランニング距離189km


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