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令和7年3月23日(第4045号)
おすすめの一冊『「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学』
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3424字/読了時間5分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は、息子と電車(地下鉄)の旅でした。
その他、風邪で喉の痛みが続いていたため、読書などをしながら、のんびり過ごしておりました。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日、最近読んだ本の中からご紹介する「おすすめの一冊」のコーナーです。
今回の本はこちらです。
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『「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 』
小塩真司 (著)
https://amzn.asia/d/gmZoTie
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タイトルが『「性格が悪い」とはどういうことか?』と、超ストレートな一冊なのですが、読んでみると、想像以上に骨太な本でした。
ナルシシズム等を含め、パーソナリティや非認知能力の研究者の小塩先生による、パーソナリティ心理学の歴史とこれまでの研究を丁寧に紐解き、分類した「性格の悪さの科学」であり、知的興奮を覚えながら、あっという間に読んでしまいました。
ということで、早速中身をみてまいりましょう!
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<目次>
4つのダークな性格とは
「性格」の研究の歴史
「ダーク・テトラッド」という概念
ダークな性格の傾向を測る質問
ダークな性格1:マキャベリアニズム
ダークな性格2:サイコパシー
ダークな性格3:ナルシシズム
ダークな性格4:サディズム
まとめと感想
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■4つのダークな性格とは
◎「性格」の研究の歴史
さて、本書は「性格」の研究を扱っていますが、性格の研究は20世紀のはじめごろのアメリカまで遡ります。
当時の心理学者が、人間を形容する言葉を調べると当時の辞書では1万8000語近く対象のものがあり、安定的な人の特徴を表すものに絞っても約4500語あることがわかりました。(ちなみに日本でも同じ研究があり、性格を表現する言葉は、数百~数千語だったそうです)
性格の研究はそれからも進み、MBTIのような性格をタイプで分ける考え(タイプ論)ができたり、ある行動の程度としての「特性論」が生まれたりしました。そして、近しい性格特性を分類した有名なビッグ・ファイブモデルが開発されたり、HEXACOモデルが開発されたりする中で、性格の研究は心理学尺度の開発とともに、発展してきました。
◎「ダーク・テトラッド」という概念
その中で、ダークな性格特性の典型とされる「マキャベリアニズム」「サイコパシー」「ナルシシズム」「サディズム」なるものも発見され、尺度化されていきます。(ちなみに、これらを総称して「ダーク・テトラッド」、サディズムを除くと「ダーク・トライアド」と呼ばれます)。
そして本書は、これら「ダークな4つの性格特性」を「性格が悪い」と近しい概念として取り扱っていきます。
ではこれらのダークな4つの性格特性とは、そもそもどのような概念なのか? どのように研究され、どんな尺度が開発されてきたのか? またダークな性格の人は、職場や家庭、恋愛でどのような傾向があるのかなどを、世界中の研究データを渉猟し、まとめたのが本書です。
◎ダークな性格の傾向を測る質問
また本書では、ダークな性格について、それぞれの特徴を書いた短文が紹介されています。研究で用いられる心理尺度ではないのですが、程度として「それぞれのダークな性格の10個中、半分くらい当てはまれば、その傾向がある程度のレベルで備わっている」と考えられるそうです。
(私は格闘技とか戦闘場面が結構好きなので、サディズムが意外にも高い結果でした。。。抑圧された何かがあるのでしょうか(汗)) ※質問項目はnoteを参照ください
◎ダークな性格1:マキャベリアニズム
マキャベリズムの特徴は「目的は手段を正当化する」という言葉に集約されます。つまり「目的のためには手段を選ばない」ということ。
ちなみに、マキャベリアニズムは、15~16世紀にかけてイタリアの秘書官や外交官を務めたニッコロ・マキャベリの著作に由来します。マキャベリの著作は、歴代の君主や権力者が、権力を得て保持し続けるための技量をまとめました。そこから、どのような手を使っても国家の利益を最優先で考える姿勢のことを「マキャベリアニズム」と呼ぶようになっていったそうです。
特徴としては、社会的なルールを無視する、戦略的に他者を利用する、操作しようとする、斜に構えた形で世界を見る、などがあります。
◎ダークな性格2:サイコパシー
サイコパシーとは「自己中心的で、社会とあまり関わりもたず、攻撃性や衝動性を持ち、罪悪感が欠如しており、愛情を伴った人間関係を形成することが難しい」という特徴を持つ特性です。そしてこうした特徴を持つ人を”サイコパス”と呼びます(日本語では「精神病質」と当時訳されていました)。
サイコパシーの概念を世に広めた、アメリカの精神医学者クレックリーが、15名のサイコパス事例から、以下16項目の特徴をまとめました。
<サイコパスの16の特徴>
1.表面的には魅力があり、優れた知性をもつ。
2.妄想やその他の不合理な思考の兆候がない。
3.不安や緊張など精神神経的な症状が見られない。
4.信頼できない。
5.不誠実で偽善的である。
6.良心の呵責や羞恥心が見られない。
7.明確な動機づけなく反社会的な行動をする。
8.判断力に乏しく、経験から学ばない。
9.病的な自己中心性をもち、愛する能力が欠如している。
10.主要な感情反応が全体的に見られない。
11.特定の領域で洞察力が欠けている。
12.対人関係全般に無反応である。
13.飲酒を伴う(時には伴わない)風変わりで魅力的ではない行動をとる。
14.自殺はほとんどしない。
15.性生活は非人間的で些細なもので、うまく統合されていない。
16.人生設計に従わない。
P29
◎ダークな性格3:ナルシシズム
ナルシシズムは、「ナルシスト(自己愛が強い人)」なんて言葉でも比較的よく使われる言葉かもしれません。
精神分析学の創始者であるフロイトによって洞察が深められました。根っこの部分での特徴は「常に他者や周囲からエネルギーを注ぎ続けられないと、自分自身の素晴らしさが維持できないという感覚を持つこと」とのこと。
ナルシシズムの病理面の全体像を測定しようとする「病理的自己愛尺度」なるものが開発されており、以下7つの特徴があるとされています。
<ナルシシズムの(病理的自己愛尺度)の特徴>
1.誇大空想:成功や賛美や承認への空想に囚われていること
2.自己犠牲的自己高揚:ポジティブな自己イメージを保つためにあえて利他的な行動をとること
3.搾取性:他者を操作する傾向
4.権威的憤怒:特権意識が満たされないときに感じる怒り
5.随伴的自尊感情:自尊感情が変動しやすく、賞賛や承認が得られないと機能不全を起こしやすくなること
6.脱価値化:自分を賞賛しない他者に対して無関心になること
7.自己隠蔽:自分の失敗を他者に見せないようにすること
◎ダークな性格4:サディズム
サディズムは「他者を支配し、罰を与え、屈辱を与えるために、他者に肉体的または精神的な苦痛を与えることに関連するさまざまな行動、認知的な傾向、対人的な特徴」を指します。
しばしば「あの人は、S(サド)っ気がある」といわれるような他者に苦痛を与える行動特性のことですね。
この実験では、「虫殺し実験」というものがあるそうです。あまりやりたくない困難な仕事で「1.虫を殺すことを手伝う(害虫駆除の助手)」「2.汚れたトイレを掃除する(衛生作業員)」「3.氷水の冷たさに耐える(寒冷地の作業員)」を選ぶことをします。
すると、虫殺しを選択した人は、サディズムの得点の平均値が一番高い傾向が表れたそうです。(実験内容は、もう少し興味深いものなのですが、よければ本書をお読みください)
■まとめと感想
本書は、200以上の性格に関する文献・論文を引用されています。
ゆえに、一つ一つの内容にエビデンスがあるため、説得力があります。
ほえー、なるほどー、とページをめくる手が止まりませんでした。
性格の研究の歴史、性格のタイプ論と特性論の違い、性格の遺伝と環境の影響、性格を変えられるのか、、、などなど、研究データに基づいて、わかりやすいのに網羅的にまとめられている本は、なかなかお目にかかることができません。そういった意味でも、私は大ハマリの本で、感動いたしました。
また、本書の端々で紹介される「学会で恋愛系の尖った研究をする研究者の話」や「研究者の間でのステータス比較のリアル話」なども、違う世界を覗き見たようで、大変興味深く、人類の知見にアクセスできる代表的な研究者らでもそういうことがあるんだなあ…、と人間の奥深さも感じた次第です。
改めて、こちらの本をまとめていただいた著者の小塩先生に感謝です。
一方、評価として「やや難解であった」「思っていたのと違っていた」という方も見られましたが、おそらく「性格の悪さをどうすれば直せばよいか?」「性格が悪い人にどう対処すればよいのか?」という実践アクションを求めていたのではないか、と感じます。
ぜひ「人間の性格という奥深き世界を探求してみたい!」という方には、強くお勧めしたい本だと感じた次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
※本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。よろしければぜひご覧ください。
https://note.com/courage_sapuri/n/nf1c1a8f7d30f
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【編集後記】
◎「ラ・カンパネラ」ピアノ発表会まで・・・あと36日
◎「野辺山ウルトラマラソン100km」まで・・・あと56日
◯強み文献おかわり100本ノック:79本目
◯今月の健康&運動習慣:3月のランニング距離122km
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