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令和7年3月8日(第4030号)
やり抜く力「グリッド」を高めるための3つの方法
ー読書レビュー『非認知能力』#3
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2543字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、人材開発・組織開発に関わる会社の経営者仲間で
1年に一度あつまる「戦略合宿」の参加でした。
皆さんの1年間の取り組みなど聞いて、背筋が伸びる思いがすると共に、
こうした同じ業種での経営者の相互アドバイスができることが、
非常に貴重だと感じる時間でございました。
皆さま、ありがとうございました!
*
さて、本日のお話です。
先日より「非認知能力」について学べる専門書をご紹介しています。
引き続き、本日も読み解いていきたいと思います!
本日取り上げる非認知能力は「グリット(grit)」という、”困難な目標への情熱と粘り強さ”を表すものです。それでは早速まいりましょう!
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<目次>
「グリット」とは何か
グリットの2つの側面
グリットがもたらす成果
「グリット」と「自己制御」の違い
「グリット」を伸ばす介入方法
まとめと感想
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■「グリット」とは何か
重要な目標に、粘り強く取り組む特性を「グリット(grit)」といいます。グリットとは「困難、失敗、競合目標にもかかわらず、長期目標に対して示す「情熱」と「粘り強さ」」と定義されます。
ペンシルバニア大学のダックワースが提案した特性であり、一般書としても注目され、一時期話題になりました。聞いたことがある人も少なからずいらっしゃるのでは、と思います。
◎グリットの2つの側面
さて、このグリットには以下の2つの側面があるといいます。
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<グリットの2つの側面>
1.興味の一貫性因子:興味があちこちせず、数ヶ月あるいは数年にわたって自分にとっての重要目標から関心がぶれない傾向のこと。
2.努力の粘り強さ因子:目標追求の中で、困難や挫折に直面しても、あきらめず粘り強く努力し続ける傾向のこと。
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そして、グリットの影響を実証的に検討するために「グリット尺度」の開発がされました。日本語版も開発されており、12の質問でグリットの程度を測定をすることができます。
◎グリットがもたらす成果
さて、この「グリット」が他の変数とどのような関係があるのかを検討したさまざまな研究によると、以下のようなことがわかっています。
たとえば、グリットの2つの因子が高い人は、そうではない人に比べて「成果を上げやすい」「目標をあきらめにくい」「神経症傾向が低い」「人生の意義を見出しやすく、ポジティブ感情を経験しやすい」「楽観的で、人生満足度が高い」などの傾向があることがわかっています。
では、なぜグリットが優れた成果をもたらすのか?
この理由はシンプルに「努力の量が多く、質も高いから」だそうです。専門的に言えば、以下のグリットが高い人は、以下の2つの行動ができる傾向があるようです。
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<グリットが高い人の行動>
1.「入念な修練」:何度もフィードバックを受けながらパフォーマンスを改善できるように作られた骨の折れる効果的な練習方法ができる(例:一人で黙々と語彙や語源を学ぶなど。友達とクイズを出し合ったりなどは含まないので、面白みがない練習である)
2.「自己調整学習」:自ら動機づけを高め、学びを進めていく学習ができる。具体的には以下の4つを含む学習行動である。(1)認知方略(記憶の工夫)、(2)メタ認知方略(学習の振り返り)、(3)時間と環境の管理(スケジュールや学習場所の工夫)、(4)動機づけ方略(やる気を高める工夫)
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◎「グリット」と「自己制御」の違い
ちなみに「グリット」は、別の非認知能力である「自己制御」と似た概念ともされます。
「自己制御」とは、価値ある目標のために、自らの衝動や誘惑を抑止・制御することです。グリットも、目標に向かって自らを律するという意味では近いものを感じますが、両者はどのように違うのでしょうか?
この答えですが「グリットは、理想や自己概念に関わる”上位目標”を実現することを目指す」ことが違いとしています。そして上位目標を達成するための”下位目標”を実現するために自らを統制することができるのです。
たとえば、羽生選手が「良いフィギュア・スケーターになる」という「上位目標」を達成するために、あらゆる食事、睡眠、練習、生活、交友関係、余暇の時間の使い方などの「下位目標」をまるっと統制していくイメージです。
対して「自己制御」は、下位目標の一つずつに対して誘惑に流されずに取り組みます。しかし、理想や自己概念に関わる”上位目標”は必ずしも含みません。つまり、”運動”など個別の下位目標に対して自己を統制するものの、それを統合する自己概念としての理想(例:よいフィギュアスケーターになる)は自己制御の特性の中には含まない、ということです。
このように、類似した概念も比較すると、より「グリット」の概念イメージがクリアになりますね。
■「グリット」を伸ばす介入方法
そんな望ましい成果に繋がる「グリット」。では、伸ばすためにはどのような方法があるのでしょうか? 以下3つの介入研究が紹介されていました。
(1)結果に基づくアプローチ
・「期待価値理論」で目標を決める:自分にとっての価値がある目標を見つけ、またその目標を達成できる見込みが高いものに人は動機づけられる。よって、目標の「価値」か「(達成見込みの)期待」が高める目標を選ぶ。
・「成長マインドセット」を教育する:努力や工夫で自分の能力を伸ばせるという考え方を教える。これによって「入念な修練」を高めることができる(ただし言い続けなければ元に戻ってしまう)
(2)自分らしさに基づくアプローチ
・「アイデンティティ」を意識させる:人はアイデンティティに合うように振る舞うことを好む。本人にとっての核となる人生の役割や価値からなる”自分らしさ”を見つけることで、粘り強く取り組みやすくなる(例:書くことが自分らしいと思うから、頑張れる)
(3)目標構造に焦点を当てたアプローチ
・「目標構造」を捉え直す:良い成果を出すことが目標ではなく、「困難や失敗を通じて、成長や気づきを得ることが目標である」と、目標の構造を捉え直すことです。こうすることで、学業に対しても粘り強く取り組む事ができるようになったという研究があります。
■まとめと感想
「グリットは、やり抜く力である」として、なんだか体育会系の非認知能力だなあ・・・などと思っていましたが、詳しく学ぶことで、より大切なことを学んだ気がします。
それは、粘り強さのためには、”「自分らしさ」や「自分にとって価値ある目標」を持つことが大事である”ということ。
「自己制御」も大事ですが、それは自分の衝動をコントロールする筋肉みたいなものです。しかし短期的に自分を制御できても、それだけでは無機質な感じもしますし、どこかで疲れてしまう気もします。
対して「グリット」は長い道のりを、コツコツと目標を見据えて歩み続けることです。そのためには「自分が長期的にありたい姿」へと向かっていること、「自分らしく生きているという自覚」がある事が大事。だからこそ、淡々と粘り強くいられるというのは、まさにその通りだと思いました。
自分が大事にしたいことを大事にしてこそのグリットである。
大切にしたい考えだと思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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【編集後記】
◎「ラ・カンパネラ」ピアノ発表会まで・・・あと52日
◎「野辺山ウルトラマラソン100km」まで・・・あと71日
◯強み文献おかわり100本ノック:79本目
◯今月の健康&運動習慣:3月のランニング距離20km
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