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令和7年3月7日(第4029号)
「誠実性」とは何か? 研究でわかっていることをまとめました
ー読書レビュー『非認知能力』#2
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3453字/読了時間5分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、研修プログラムの作成。
出版企画書の作成や、社内ミーティングでした。
夕方からは20kmのランニングでした。
気づけば、ウルトラマラソン100kmまで3ヶ月を切っており、
ある程度距離を走らないとまずそうですが、夕方がっつり走ると眠れなくなるのが難点・・・。
いい方法はないものか、考えたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
先日より「非認知能力」について学べる専門書をご紹介しています。
https://amzn.asia/d/aHbPDoQ
本日のテーマは「誠実性」でございます。
「あの人は、誠実な人だよね」。
そんな風に、普段でも何気なく使われている「誠実」なるこの言葉。
実直で、真面目で、正直。そんなニュアンスを持つ言葉として、用いられているようです。
実は、この「誠実さ」という特性は、非認知能力として重要なポジションを占めています。パーソナリティ特性のビッグファイブでも『誠実性(conscientiousness)』は一つの特性因子とされており、多くの研究がなされてきました。
ということで、本日はこの「誠実性」の世界を探求してまいります。それでは、まいりましょう!
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<目次>
「誠実性」とはなにか
「誠実性」について研究でわかっていること
「誠実性」の遺伝の影響
「誠実性」の生涯にわたる発達
「誠実性」とさまざまな結果の関係
「誠実性」を伸ばすための介入研究
まとめと感想
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■「誠実性」とはなにか
誠実性を一言でいえば「取り組むべきことにしっかり取り組む」パーソナリティ特性です。より厳密に言えば、以下のようにまとめられます。
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<誠実性の定義>
・自分の衝動を社会の規範に沿って適切にコントロールし、課題指向的かつ目的指向的な行動をとる傾向を持つ
・キーワード:規律正しさ、勤勉さ、慎重さ、責任感の強さ、計画性
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パーソナリティ特性で有名なビックファイブの一つに含まれているため、その測定には、ビックファイブを測定する心理的尺度を用いるのが一般的です。
そして、ビックファイブの「誠実性」を測定する項目には、「整然、徹底的、計画的、責任感が強い、几帳面、実践的」などがキーワード含まれます。(参考記事↓↓)
■「誠実性」について研究でわかっていること
誠実性が高い人は、「より規則正しく勤勉であり、先を見越して慎重な意思決定を行い、責任感を持って計画的に物事に対処」しようとします。逆に言えば、誠実性が低い人はルーズでだらしなく、衝動的に行動してしまう傾向がある、といえます。
さて、ではこのような差はどこから生まれてくるのでしょうか?
◎「誠実性」の遺伝の影響
行動遺伝学研究によると、成人の誠実性の個人差の約40%は遺伝的な要因であることが明らかにされているそうです。逆に言えば、残りの約60%は環境によるものといえます。
人は約2万2000もの遺伝子を持つと考えられており、誠実性に関わる遺伝子は多数存在しているとされます。2万を超える遺伝子なので、一つ一つは微小な影響でしかありませんが、積み重なると誠実性に40%もの影響を与えることになるそうです。
余談ですが、民間の遺伝子検査をやったところ、私(紀藤)の「誠実性」の遺伝的評価は「D評価」(5段階評価の下から2番目)でした。(残念!でも、今日も頑張って生きております)
◎「誠実性」の生涯にわたる発達
ちなみに「誠実性」は生涯にわたって発達することが知られています。
まず「乳幼児期の誠実性」を考えてみます。乳幼児期の子どもたちに見られる行動や感情表出の個人差を「気質」と呼びます。発達段階によって、呼び方が変わりますが、基本的にパーソナリティと同一の物が「気質」です。気質は以下の3つで構成されます。
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<「気質」の3つの構成要素>
1.高潮性(surgency):感情が高まりやすく、興奮しやすい気質。
2.ネガティブ情動性(negative emotionality):不安、怒り、悲しみなどの否定的な感情を抱きやすく、ストレスに対する感受性が高い気質。
3.エフォートフルコントロール(effortful control):自分の注意や衝動を意識的に調整し、行動をコントロールする能力
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そして、この中の「3.エフォートフルコントロール」が誠実性の前駆体と考えられているそうです。
▽▽▽
次に、乳児期以降、青年前期(12~18歳ごろ)までは年齢が上がるほど、誠実性の得点が全体として”低くなる”傾向があるそうです。
そして、青年期以降は老年期に至るまで、誠実性の得点が全体として”高くなる”傾向があることが明らかにされているそう。
(たしかに思ってみれば、中学生・高校生などは、思春期あるあるなのか、衝動に振り回されまくっていたような気がします。自分自身がアウト・オブ・コントロール感がありました)
ちなみに、ある時点での「誠実性の相対評価(ある集団の中での誠実性の順位)」は、生涯にわたって同じような傾向があるそうです(つまり、誠実性が高い人はずっと高いし、そうではない人はずっと低い)。
50代以降でも誠実性は変わりうるのですが、児童期や青年期のほうが変化可能性が高いので、教育は早いうちのほうがよいかもしれません。
◎「誠実性」とさまざまな結果の関係
さて、そんな「誠実性」ですが、さまざまな結果(アウトカム)と関わっていることが知られています。たとえば、以下のようなものです。
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<誠実性と関連がある「さまざまな結果」>
・経済(就業状態や収入)
・健康(身体的な健康や寿命、メンタルヘルス)
・社会的な関係性(パートナーとの関係性の質、離婚など)
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これらは、追試試験でも支持されており、フィンランド、スウェーデン、イギリス、ニュージーランド、アメリカなどの縦断研究において、以下のアウトカムへの影響があることが明らかにされています。
たしかに、規律正しさ、勤勉さ、慎重さ、責任感の強さ、計画性があったほうが、社会生活で求められることは達成しやすそうな気もします。
◎「誠実性」を伸ばすための介入研究
では、「誠実性」を伸ばすためには、どのようなことができるのでしょうか?
まず「成人を対象にした介入研究」です。
成人を対象に、24週間にわたって、208の臨床的な介入を行う研究を行い、「誠実性」への影響を調べました。その結果、効果量は比較的小さく、また統計的有意な変化も確認できなかったとのこと。よって、「成人を対象にした介入で誠実性を伸ばすのは、やや困難」かもしれない、という結論になっています。
一方、「子どもを対象にした介入研究」ではどうでしょうか。10歳以下の子どもを対象とした「誠実性(セルフコントロール)」の介入では、有意な効果が得られています。
具体的には「社会性と情動の学習(Social Emotional Learning:SEL)」という学習方法において、「誠実性」に関わる社会情緒的スキル全般の向上が見られたそうです。
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<社会性と情動の学習(Social Emotional Learning:SEL)で得られるコンピテンス>
1.自己認識:自分の感情、関心、価値観、強みなどを正確に認識し、それらに基づいた根拠ある自信を獲得するなど
2.自己管理:ストレスに対処するために感情を調整したり、自身の欲求や衝動をコントロールしたり、課題に対処するために粘り強く取り組むなど
3.社会意識:他者の視点に立って物事を考えたり、他者に共感できたりすること、他者との類似点や相違点を認識し、互いに尊重することなど
4.対人スキル:他者との協働に基づいた健全な関係性の確立と維持、不適切な同調圧力にしっかりと抵抗することなど
5.責任ある意思決定:倫理的な基準や安全上の懸念、社会的な規範、他者への尊重、自分の行動がもたらしうる結果等を考慮して意思決定を行うなど
P24-25
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なるほど・・・、上記のようなトレーニングを10歳以下で行うと「誠実性」を鍛えられる可能性が高いのですね(息子にやってみたい)。
■まとめと感想
こうして書いていると「誠実性」は高ければ高いほどいいような見え方がするかもしれませんが、本章のまとめでは、以下のように述べられています。
誠実性が高すぎることには果たして問題はないのでしょうか。(中略)
たとえば誠実性(セルフコントロール)が高いと豊かな感情的経験が抑制されてしまうといいます。他にも、誠実性が高すぎると特に簡単な仕事においてパフォーマンスが落ちることや、大学のGPAもむしろ下がってしまうことが指摘されています。(中略)
誠実性は「能力」ではなく、あくまでも「特性」なのです。特性としての誠実性は、一人ひとりの豊かな個人差を捉える一つの切り口にすぎません。それを外的な働きかけで一方向的に伸ばすというのは、その個人のパーソナリティを否定することにも繋がりかねないことであるという点には、自覚的であるべきでしょう。
P28
誠実性の魅力を学ぶとともに、そして、あくまでそれも含めて一つの特性でしかないということ。個人個人の色とりどりのパーソナリティの個性を考えさせられる章でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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【編集後記】
◎「ラ・カンパネラ」ピアノ発表会まで・・・あと53日
◎「野辺山ウルトラマラソン100km」まで・・・あと72 日
◯強み文献おかわり100本ノック:79本目
◯今月の健康&運動習慣:3月のランニング距離20km
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