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令和7年2月4日(第3998号)
「強みと健康」に関係はあるのか?→間接的にあり ー英レスター大学の研究よりー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3456文字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
引き続き、沖縄に来ております(でもずっと曇り)。
その他、3件のアポイントと、研修プログラムの作成でした。
また恩師より、出版について大変ありがたいアドバイスをいただき、
自分の中で方向性を考えるとても大切な機会がありました。
自分が大事にしたいものに誠実に向き合いながら、
それを形にする努力をしたいと思った次第です。
*
さて、本日のお話です。
本日は「強みと健康の関係」についての論文のご紹介です。
イギリスの大学生135名に、強みの使用と、主観的幸福感、身体的・精神的健康などを測定し、それぞれの項目の間の関連を調べました。
その結果、”「希望」や「熱意」が、主観的幸福感を媒介して、健康にポジティブな影響を与えることが示唆された”、という内容です(その他にも色々発見がありますが、それは本文にて)。
強み✕健康、なかなか気になるテーマです・・・!
ということで、早速内容を見てまいりましょう。
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<今回の論文>
タイトル:Strengths Use as a Predictor of Well-Being and Health-Related Quality of Life(強みの活用が幸福感と健康関連の生活の質の予測因子としての役割)
ジャーナル名と出版年:Journal of Happiness Studies, 2011年
著者:Carmel Proctor、P. Alex Linley
所属機関:School of Psychology, University of Leicester, UK
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※「今回の論文」のChatGPTによる要約はこちら↓↓
https://chatgpt.com/share/67a14534-9730-8010-9792-f882e2057358
■1分でわかる本論文のポイント
・この論文は、性格の強み(VIA)における、強みの活用と幸福感、健康関連の生活の質に注目した研究である。
・イギリスの大学生135名を対象に、強みの活用、主観的幸福感(SWB)、自尊心、自己効力感、健康関連の生活の質(HRQOL)、およびVIAの強みを測定した。
・その結果、強みの活用はSWBの有意な予測因子であったが、HRQOLの予測因子とはならなかった。
・また、VIAの強みの中では「希望」と「熱意」が人生満足度を正に予測した。
・最も頻繁に支持されたVIAの強みは「愛情」「ユーモア」「親切心」「社会的知性」「判断力」であり、最も少なかったのは「リーダーシップ」「忍耐力」「大局観」「精神性」「自律心」であった。
・本研究の結果は、「強みを活用」している人は「主観的幸福感」が高く、主観的幸福感の向上は、「健康関連の生活の質」(身体・精神の両方)に関連していることを示している。これは
という内容です。
■研究の背景
まず、こちらの研究の背景として、2011年当時、これまで人生満足度に影響がある「性格の強み」の研究はされていました。しかし、アメリカにおける研究(※1)のみでした。そこでイギリスの大学生を対象に研究をしたところに、新規性がある研究でした。
また、強みの活用と幸福感(SWB)、健康関連の生活の質(HRQOL)との関係を調査する研究が不足していたことから、この研究がされたとのことです。
(※1.ちなみにアメリカを含む「強み✕人生満足度」の一般的な研究では「希望」「活力」「感謝」「愛」「好奇心」が人生満足度と強く関連していることが示されています(Park et al., 2004; Peterson et al., 2007))。
■研究の方法
そして、研究の方法ですが、以下のプロセスで行われました。
◎参加者(Participants)
135名の大学生(女性102名、男性33名)
平均年齢:19.24歳(SD = 1.34)
◎測定方法(Measures)
以下の質問項目について、その関連を測定しました。
(1)健康関連の生活の質(Health-Related Quality of Life, HRQOL)
・SF-8健康調査票(8項目の質問表)
・身体的機能、身体的健康問題、身体的苦痛、一般的健康、エネルギー/疲労または活力、社会的機能、情緒的問題、心理的苦痛または幸福/精神の健康を測定
(2)人生満足度尺度(Satisfaction with Life Scale, SWLS)
・グローバルな人生満足度を測定する5項目の質問票
(例:「私は自分の人生に満足している」)
(3)ポジティブ/ネガティブ感情(Positive and Negative Affect Schedule,PANAS)
・10項目の肯定的影響と、10項目の否定的影響を調べる20項目
(例:興味、興奮、熱狂など=肯定/悩み、恐れ、いらいらなど=否定)
{※2}:人生満足度尺度(SWLS)と統合して、主観的幸福感(Subjecteve Well Being)を測定する
(4)強みの活用尺度(Strengths Use Scale, SUS)
・個人が強みをどれだけ活用しているかを測定する14の項目
・(例:「私は自分の強みを多様な方法で活用できる」)
(5)強みの支持(自分らしい強みの選択)
・VIAの24の強みのリストと簡単な定義を示し、自分らしい強みを5つ選択
(6)自尊心(Rosenberg Self-Esteem Scale, RSE)
・自尊心の高さを測定する10項目の質問票)
(例:「全体的に自分に満足しているか」など)
(7)自己効力感(New General Self-Efficacy Scale, NGSES)
・一般的自己効力感に関連する8項目の質問
(例:「私は自分のために設定した目標のほとんどを達成できるだろう」)
■研究の結果
では研究の結果、どのようなことがわかったのでしょうか。
以下、本論文の結果をまとめます。
わかったこと1:強みの活用と主観的幸福感(SWB)は関係があった
・強みの活用はSWBの有意な予測因子だった(β = 0.203, p = 0.010)。
わかったこと2: 強みの活用と健康は直接的に関係がなかった
・強みの活用は健康関連の生活の質(HRQOL)の予測因子とはならなかった(p > 0.05)。
(※ただし考察にて「強みを活用」している人は「主観的幸福感」が高く、主観的幸福感の向上は、「健康関連の生活の質」(身体・精神の両方)に関連していることが示唆されています)
わかったこと3:「希望」「熱意」が人生満足度を予測していた
・「希望(Hope)」と「熱意(Zest)」が人生満足度の正の予測因子だった。
・意外なことに「好奇心(Curiosity)」は人生満足度の負の予測因子となった(β = -0.151, p = 0.073)。
わかったこと4:VIAの強みの選択頻度に傾向があった
・最も支持された強み:「愛情(66.67%)」「ユーモア(58.52%)」「親切心(36.30%)」
・最も支持されなかった強み:「リーダーシップ(3.70%)」「忍耐力(5.93%)」「大局観(6.67%)」
▽▽▽
また総合して、本論文の最後では、このように締めくくられています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
一般的に、本研究の結果は、強みを活用している人は主観的幸福感が高く、主観的幸福感の向上は精神的・身体的HRQOLの両方に関連していることを示している。これらの結果は、Govindji and Linley(2007)の知見と一致している。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
■まとめと感想
この論文を読んでみての感想は、大きく2つでした。
1つは、「ポジティブな気持ちが、身体的・精神的な健康に影響を与える」ことについて、間接的ではあるものの示唆のある研究であったこと。
(強みを活用すると、主観的幸福感が高まり、そして健康関連の生活の質も高まるであろうという考察です)
一方、「希望」と「熱意」に関しては、ポジティブ感情/ネガティブ感情の因子が含まれない「人生満足度」の尺度の得点が高いということでしたが、ポジティブ感情やネガティブ感情にどれくらいの影響があるのかは読み解けなかったので、このあたりは気になるところでした。
▽▽▽
2つ目は、今回の大学生135名を対象とした研究では「好奇心が人生満足度に負の相関があった」という結果であったことです。しかし、高齢者1万5000人を対象にした、より大規模な調査では、「好奇心が人生満足度に正の相関があった」という全く逆の結果が出ています。
つまり、「誰を対象とするかで、結果も異なってくる」という研究が絶対的なものではないことを示す論文でもあるとも感じました。
とはいえ、色々な論文を見ると、共通性が見えてくるのが面白いです。
引き続き、探求を進めたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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【編集後記】
◯強み文献おかわり100本ノック:78本目
◯今月の健康&運動習慣:2月のランニング距離8km
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