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令和6年10月2日(第3873号)
「真似したい!」と思ったファシリテーションの関わり3選
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3045文字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、午前中、大学院プロジェクトの仲間との「ジョブ・クラフティング研修」のサポート。
午後からは1件のアポイント、また夜は5キロのランニングでした。
*
さて、本日のお話です。
前職で働いていた企業研修の会社で「ファシリテーター養成コース」なるものがありました。
曰く「ファシリテーションのスキルを高めるのは『受け身のトレーニング』である」という話が記憶に残っています。要は「ファシリテーションは、人がやっているものに参加したりオブザーブすることで向上するんだよ」というお話です。
さて、そんな話について、先日思い出す出来事がありました。今日はそんなファシリテーションにまつわるお話について、お伝えしたいと思います。
それでは早速まいりましょう!
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<目次>
大学院の仲間たちとのプロジェクト
「真似したい」と思ったファシリテーションの関わり3選
(1)参加者の「今」に寄り添う
(2)参加者の「未来」に全力で期待する
(3)「ポジティブな働きかけ」を絶やさない
まとめ
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■大学院の仲間たちとのプロジェクト
立教大学大学院 経営学専攻 リーダーシップ開発コース(LDC)という人づくり・組織づくりを学ぶ大学院があります。私は2021~2022年にて、2年間学びました。こうした大学院には「アルムナイ」なるものがあり、その後も、公私ともに仲間たちで繋がっており、非常にありがたいネットワークができています。
さて、その中で某飲料メーカーの人事で働く仲間がいます。今回、その会社にて「50代向けのジョブ・クラフティング研修」を実施されるとのことで、プログラム開発~実施まで、その船団の一員として関わらせていただく機会がありました。
プロジェクトのリーダーYUYAさんの声かけでそれぞれが様々な役割を持つプロフェショナル集団が集まりました。この忙しい綿々が、人が時間を割いて集まろうと思うのは、「一緒にやりたいと思わせる何か」があるからに他なりません。
まさにそれは他者を巻き込み、影響するリーダーシップであると、その背中から感じさせられる時間でもありました。すごいぞ、YUYAさん!
■「真似したい」と思ったファシリテーションの関わり3選
さて、その実践の中で私は「タイムキーパー役」でサポートさせていただきました。普段は、自分がファシリテーションを行う立場なので、ほとんどこうした機会はありません。
今回は、タイムキーパーとのことで前から、他者のファシリテーションと参加者の表情を見ることができて、実に稀少な学びの機会になりました。(まさしく「受け身のトレーニング」そのものでした)
今日は、そんな経験の中から、「真似したい!と思ったファシリテーションの関わり方」をまとめてみたいと思います。
*
◯(1)参加者の「今」に寄り添う
まず1つ目が、「参加者の”今”に寄り添う」ことです。
研修などは、「行動変容」のために行うものなので、乱暴に言えば「今を変える」ことを求めることも少なくありません。つまり、今のやり方をやめる・付け加える・変更することを提案するわけです。
しかし、誰もが「”今”を否定されて気持ちがよい人はいない」ものです。矛盾するようですが、「今」を認めるから「次」に向かうことができるのではないかと思います。
そのときに、「相手の”今”に寄り添っている言葉・態度・働きかけなのか」を、ファシリテーターは常に吟味する必要があります。そうすることで、こちらが提案したワークによりノッてくれる可能性も高まると思われます。
先日のワークショップでは、「めんどくさい人、緊張している人いますか?」(→それでもいいんですよ)、「これから、変なワークやりますよ」(→やったことないと思うけどぜひ付き合ってください)「難しいと感じると思います」(→難しいと感じても普通ですよ)と、”今”に寄り添う言葉がけが多くありました。
そして、こうした関わりによって参加者が、抵抗感を感じずにワークに入っているように見えていました。
*
◯(2)参加者の「未来」に全力で期待する
2つ目が、「参加者の未来に期待する」ことです。
”今に寄り添う”、というのは、”今のままでよい”とするのとは違います。
先日のワークショップでは、ファシリテーターが冒頭から「私の信念を知って下さい」という言葉とともに、「人は誰一人同じ存在はいない・人はチャレンジが好きな生き物だと思っている。そうした気持ちで皆様に向き合います」と、明確に述べていました。
「押し付けに聞こえるかもしれないけれど・・・」と配慮しつつも、こうした自分のスタンスを示すことで、参加者の顔色が変わったように、私には見えていました。
もちろん、これが効果的かどうかは、文脈や相手との関係性なども考慮が必要です。ただ時間的な制約がある中で、参加者をぐっと、深く考えるモードに引き込むためには、こうした関わりは実に効果的だと感じました。
つい「もしかするとこう思われるんじゃないか・・・」という躊躇から、自分の思考を押し出すことを避けがちな自分もいるため、参加者の心に、勇気を持って一歩踏み込むスタンスが、私には眩しく見えました。これはぜひ真似をしたい!と思わされました。勇気は、大事。
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◯(3)「ポジティブな働きかけ」を絶やさない
3つ目は「ポジティブな働きかけ」です。
特にロジカル・シンキングなどの論理的な思考トレーニングではなく、自らのキャリアなどを考えるワークショップでは「ワクワクする」「やってみたいと思う」などの情緒面の働きが重要です。
先日のワークでは、「取り組みたいことを書く」というワークの最中でも、常に”励まし&イメージをふくらませる声掛け”をファシリテーターが行っていました。
たとえば、個人ワークで皆が書きながら考えている際に、「書こうかなと迷ってことは全部書いてください」「大事にしたいと思ったことを書いてください」「大きなことでも、日常のことでもOKです」「自分の目指す方向性に関わるものを書いて下さい」な「こういう機会もなかなかありません」などの声掛けを絶やさずにしていました。
参加者が「何を書いたら良いかわからない」と迷った際や、「こんな事難しいだろう」と躊躇する気持ちが起きた時に、それを上書きするようなポジティブな声掛けのように思えました。
実際、こうすることで、こうしたワークに慣れていないであろう参加者も、殆どの方が「取り組みたいこと」のようなやや抽象的なワークもしっかりと書くことができていました。
ポジティブ感情というと、なんとなく何の役に立ちそうなのか?と思われそうですが、「ポジティブな感情が、個人の変革に影響を与えるという『意図的変革理論』」なるものもあります。
あるいは、学習と活力を意味する「スライビング」でも「ポジティブな関わりが影響を与える」とも述べられています。
勇気づける関わりも、大事です。
■まとめ
その他にも、
●「ユーモア」を交えること
→笑いを取ること(スベったとしても言い切る)は大事。参加者の方との心を距離が近づく。ユーモアによりポジティブな気持ちがより強化される
●「配慮しつつ言い切る」こと
→「私はこう見えました、と明確に述べる」と伝えることでファシリテーターとしての力強さが生まれる
●「背伸び体操」
→疲れる時間帯に身体を動かすことで、気持ちを集中させる効果がある。エネルギーを高めることができる
など様々な工夫も効果的かつ自分も取り入れたい、と思いました。
ジョブ・クラフティングの研修デザインも面白かったですし、エピソードの差し込みなどの全体設計も、やっぱり大事だよなあ、、、などと考えさせられました。
改めて、こうして他者と共に行うプロジェクト、実に楽しく学びになる時間でございました。そもそもこうした機会があることが、大変貴重なことだと感じますし、ありがたい限りです。
研修も、ファシリテーションも、実に奥深い。
もっともっと探求したいと思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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【編集後記】
◯強み関連文献おかわり100本ノック:38本目
◯今月の健康&運動習慣:10月のランニング距離:5km
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