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令和6年7月9日(第3789号)
大人が越境できないのは「否定」されたくないから。
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2455字/読了時間5分)
■こんにちは。紀藤です。
先日より「出版ゼミ」に通い始め、絶賛頑張っています(まだ3日目ですけど)。
「見出しのキャッチコピーを3つ書く」というお題に向き合いながら、書いた見出しに容赦のないフィードバックが来る、というスパイシーな経験をしている今日この頃(涙)
新しい環境は、居心地が良いか悪いかと言えば、よくはない。
とはいえ「自分の居心地良い場所から外に出ることで、得られることもある」とも感じます。ですが、居心地良い場所から出ることへの抵抗感も、未だ強く感じています。今日はこの揺れ動く心理の中での気づきを、したためて見たいと思います。
ややウロウロした文章ですが、よろしければ、お付き合いくださいませ。
■大人が「こだわり」を捨てられない理由
突然、自分の話で恐縮ですが、わたくし、自分は比較的、柔軟な思考の持ち主だと思っております。あんまりこだわりは持たないようにしています。
「郷に入れば、郷に従え」「ローマでは、ローマ人のようにせよ」。
その言葉をモットーにとまでは言わずとも、割と大事にしています。
独りよがりではないか確認のため、妻にも聞いたところ「まあ、あなた柔軟なほうだと思うよ」と言われたので、多分そうです(な気がする)。
しかし、今回の出版ゼミに入ってからというもの、かつてないほど「柔軟じゃない自分」に気づいたのでした。
フィードバックのたびに、何かのメッセージのたびに、湧き上がる抵抗感を覚えるのです。何なんだ、この感じは、、、初めての体験だ。。。
そう思って、その理由は何だろうか?と己に問うててみると『自分の持論を強く持つ領域に飛び込んだこと』であるという結論に達しました。
自分の持論を強く持つ領域とは、「書く」ということです。
手前味噌ながら、私は「メルマガを3800号近く毎日書き続けてきた」という自負があります。これが、自負であり、強固なこだわりになっていたようなのです。
もちろん厳密にいえば、メルマガと出版は、同じ「書く」でも違うもの。
似ていても、本にして残る言葉と、メルマガで発信する言葉は、練り上げる練度も違うし、かける時間も違う。
しかし、それでも自分が、自分なりに「書く」ことについてポリシーを持つことに対して、良かれと思うものにフィードバックが来ることに対して、こんなにも自分は繊細になるのだと、自分でも驚いているのです。
そして思うのでした。「こだわりを捨てられなくなるのは、かけてきた時間と労力に比例する」のだ、と。
■大人が「越境しない」理由
その話に関連して、越境しない大人問題(=居心地の良い場所から離れて、外の世界に出ていくことをしない)を考えました。
経験が長くなると、自分の場所がどんどん居心地よくなってくる。
勝手もわかるし、自分が一番上であれば、否定されることもない。
一方、居心地のよい環境にいるから、考えが凝り固まる。
外の世界に出ないから、自分の立ち位置もわからず、健全な危機意識も生まれない。
色々言われます。そして、私も同じようにも思います。
外に出ようよ!大きな世界を見て、刺激を受けようよ!と。
しかし、出版ゼミで、極小の器の私が思ったこと。
それは「人は、否定されたと感じたくないのだ」
ということです。
そして、それが人を越境学習から人を遠ざけるのかもしれない、と思いました。否定されるとは、「あなたは間違っている」という直接的なものではなく、やんわりと感じるカルチャーショックのような、自分が依拠してきた価値観・信念との違いのようなものも含みます。
たとえば私の場合、自分の中に生まれた抵抗感の原因は、出版ゼミでも大事にしている「多くの人に届くことを大事にする」ことでした。つまり、「売れること」です。
これは私の解釈ですが、論文や専門書などは「本質を追求するという研究」を誠実かつ丁寧に編み上げます。そこは誇張もありません。だからこそ信頼がおけるものです。多くの人の手に渡らずとも、美しいのです。
そこに対して、商業出版は、「キャッチーで売れることを良しとする文脈」があるように、どうしても感じられてならない。手に取られなければ考えも伝わらないし、人の心や行動を動かすこともできない。それはわかるけれども、研究としても探求したい気持ちもある。誠実に言葉を紡ぎたい欲求もある。
その中で「キャッチーで目を引く言葉を優先させる」ようなものに染まってしまう自分に、自分は、これまでの仲間はどう思うのだろうか、、、そんな安や懸念が、無意識に自分に新しい世界に浸かることを躊躇させているのだ、、、と思ったのでした。
これも「これまでの自分を否定したくない」の現れの一つとも言えます。
(最終的に追求していった果てには、どちらかではなく、どちらも含めて昇華した、いわゆる「アウフヘーベン」(あるものを否定しつつも、より高次の統一の段階で生かし保存すること。止揚)になるのでしょうが、その境地には遥か彼方です)。
■まとめと、これから
これまで「越境なんて、ちょちょいのちょいでしちゃえばいいじゃん!」位に思っていましたが、こうした抵抗感を覚えて、そんなに簡単なモノでもないのかもなあ、などと思うのでした。
そして、これからのメルマガの話をしますと、これからはやや発信の仕方を模索することになるかもしれません。これまでは「強み論文100本ノック」など、先人の知見を自分の学びの書棚に蓄積するような発信の仕方であり、これは大学院生の延長としての発信でした。
しかし、これからローマ人ならぬ「出版ゼミ人」として、5ヶ月の間飛び込む上で、自分は「多くの人に届けられる言葉を磨くこと」を優先して言葉を紡ぐことになりそうです。
これが読者の方にとって、ポジティブに捉えられるか、そうでもないのかはわかりません。しかし、自分の言葉で、自分の経験を物語として紡ぎ、温度がある言葉にしていくこと。そうした発信の仕方に力を入れていきたい、と思っている次第です。
改めて、お目通しいただける皆様、いつもありがとうございます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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https://note.com/courage_sapuri/n/n474ae77e6413
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【編集後記】
沖縄では、経営者の友人の家を沖縄の拠点としても使っています。
そこでは、2歳と7歳の友人の子どもがいて、私にあそんでーあそんでーと言ってくれます。
その結果、最近「お父ちゃん、ダメ」「お父ちゃん、お仕事して(あっちいけの意)」という3歳の我が息子が、「お父ちゃんと遊びたい」と言ってくれるようになりました。
需要が出ると、希少価値を感じるようす。
ああ、人ってそんなものだよな、となんだか複雑な気持ちになりました。
<強み論文おかわりノックの進捗>
強み文献おかわり100本ノック
31本目
あと69本。
<今月の健康&運動習慣>
・7月のランニング距離:10km
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