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令和6年6月27日(第3777号)
「強みの活用」のアクションリスト9選
~書籍『Character Strengths Intercention』より #17 ~
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3046字/読了時間5分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は終日、外部人事パートナーとして関わらせていただいてる会社様へ、
終日コーチングの実施や勉強会などでした。
また夜は学び仲間とのお食事会でした。
不動産投資を副業として行われている方で、その界隈の方の聞かせていただいたのですが、
「いわゆる“あがった”というお金持ちで割と多いのが、解くべき問い(打ち込むもの・意義)がなくて、余り幸せそうじゃない人いますよね」という話が興味深いところでした。
このあたりは、また後日メルマガでも書いてみたいと思います。
Fさん、ありがとうございました!
*
さて、本日のお話です。
「性格の強み」について読み解いた書籍『Character Strengths Intervention』の第8章、強みの見つけ方と活かし方について、先日ご紹介いたしました。本日も続けてまいりたいと思います。
今日は「強みの活用(Character Strengths Use)」についてです。強みを見つけた後に、具体的にどんな風に活用するの?というところが最も気になるところではないでしょうか。
今日は、この「強みの活用方法」のアクションリストを10選、本書で紹介されていたものを簡単にご紹介させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
■「強みの活用方法」9選
VIAの強みも24種類と分類されており、それぞれの「強み」をどう使うのかは別途推薦アクションリストが紹介されています。 ここでは個別の強みの使い方ではなく「強み全般の使い方としてどのような方法があるのか」が紹介されています。
以下、10種類の概要をご紹介いたします。 順番に全部行うわけではなく、必要に応じて活用する、というイメージです。(ちなみに、個人的な経験として使いやすい・効果があると思ったワークを「★」で1~3で示しています。ご参考くださいませ)
(1)特徴的な強みを新しい方法で使う(★★★)
「特徴的な強み」とは、”本来の自分らしい強み”と感じられる3~7つの強みのことですが、VIAの結果など確認した際に、上位の強みに該当するがそれに相当します。
その特徴的な強みについて、「その強みを1週間、毎日新しく異なる方法で使う」ことで、幸福感の向上、うつ症状の減少などが研究で明らかになりました。
(2)"As If"として行動する(★★)
「もし私がもっと○○だったら…」を考えるのは、強みのアセスメント等を見た結果、よく起こる反応の一つです。(例えば、もっと”創造的”であったら、もっと”勇気”があったら、もっと”希望”があったらなど)
As if というのは、実際にその強みを使いたい状況において、「熱意があったとしたらどう行動するかを想像して行動してみる」ということです。平たく言えば、「その強みが高いつもりで、演じて行動してみる」とも言い換えられます。
シンプルな行動ですが、このことによって強みが引き上げられ、幸福感が向上することも示されています。
(3)強みを内向きに使う(★)
強みを活用する方向性は、「他者」を想定されるものも多くあります。たとえば、親切心や愛情などはそうです。
こうした強みを”自分に対して(内向きに)使う”ことによって、親切心であれば「セルフコンパッション」となり、自己理解/自己洞察を深めます。これは、研究でも検証され、その効果が明らかにされてきています。
(4)強みの習慣を作る(★)
私達は「無意識の習慣」で日々を過ごしている事が多いものです。その中で、「自分が育てたい強み」を考え、それを日々のルーティンの中に組み込む、というものです。方法としては、以下の4ステップとなります。
1,育てたい性格の強みを考えます。
2,きっかけを選びます(例:30秒)。
3,新しいルーティンを作ります(例:5分)。
4,自分にご褒美を与えます(例:30秒)。
(たとえば、私であれば「自律心」を育てるために、毎日習慣としてメルマガ(note)を書いている、というのもあります。性格の強みで私は「自律心」も「忍耐力」も低いですが、その行為によって、結果としては両者とも高い状態に引き上げられたように思います)
(5)様々な領域での特徴的な強み(★★)
「強み」は、特定の文脈のみで使われることも少なくありません。たとえば、”愛情”の強みを、家庭のみで使っていて、職場では使っていない等です。しかし「特徴的な強み」とは、”本来の自分と思う強み”なので、その適用範囲を拡張することは可能です。
自分の「特徴的な強み」を一つ考え、家族・人間関係・社会・コミュニティ、スポーツ・学校・職場などの領域を考え、他の領域に展開することを検討します。このことは幸福感と抑うつに対する長期的な効果があります。
(6)全体的な強みの使用(★)
人の強みは、4の性格の強みを2つの連続体(頭-心、対自己-対他者)にわたって円環マッピングすることができることが注目されています。自分の特徴的な強みを考え、この円環マッピングの特定の領域を強化して使うことが可能になります。
a. 頭: 論理、分析、思考。強みに伴う思考は何ですか?
b. 心: 感情、直感、体。強みを使用するときにどのように感じますか?
c. 対自己: 強みを内向きに向ける。独りでいるときに強みをどのように表現しますか?
d. 対他者: 強みを外向きに向ける。他者に対して強みをどのように表現しますか?
(7)美徳の使用への道(★)
VIAでは、24の強みは「美徳」として6つの分類にカテゴライズされています(知恵、勇気、人間性、正義、節制、超越性の美徳)。
自分が注目したい美徳を選び(たとえば勇気など)、その上でその美徳にカテゴライズされている自分の上位の「強み」を見て、その強みをどのように使うのかを考える、という方法です。
こちらも実施することで、幸福度と抑うつに対する長期的な成果が現れたことが示されています。
(8)心・頭・手:美徳ある生活を送る(★)
タイトルがややわかりづらいのですが、性格の強みを分類すると「思いやり(心)」「探究心(頭)」「自己制御(手)」という3つの基本的な要素に分けられるとされます(6つの美徳よりも更に大きい分類のイメージ)。
その3つの基本的な要素をどのように高めるかを、「思いやり(心)」「探究心(頭)」「自己制御(手)」に分類されている強みを活用してたかめてみる、というアクションです。
●思いやり(心): 公平さ、許し、親切さ、感謝、愛、スピリチュアリティ(チームワークとリーダーシップも含まれますが、他の強みほど中心的ではない)
●探究心(頭): 美と優れたものへの感謝、好奇心、創造性、学びの愛、大局観(勇気、熱意、社会的知性、希望、ユーモアも含まれますが、他の強みほど中心的ではない
●自己制御(手): 誠実さ、判断力、忍耐力、慎重さ、自律心(謙虚さも含まれていますが、他の強みほど中心的ではない)
(9)低い強みを高める(★★)
VIAの強みのアセスメントを受けた時に、ほとんどの人が気になることが「自分の下位の強み」です。低いもの・足りないものは埋めたくなるのが人の心のようです。
「低い強み」は、自分の中で相対的に他の強みほどは発達していない、評価されていない強みです。しかしこの低い強みも伸ばすことはできます。方法としては、「低い強みを毎日違う方法で使用する」というものです。
(ただし、低い強みは、特徴的な強みに比べて、自分にとって自然ではない可能性があるため、使いづらいと感じる可能性もあります)
■まとめと感想
今回は「強みの活用」についてのまとめでした。「個人が自分の強みを使うことで、幸福感を高め、抑うつを下げる」というウェルビーイングの文脈での効果が先行研究から示されているアクションリストとなります。
有名どころは、「(1)特徴的な強みを新しい方法で使う」ことを筆頭としていますが、自分の強みを使うことを意識していくというのが全てのアクションプランに共通する方向性だと思います。
改めて、このように一つずつ見ていくと発見があるな、と感じた次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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【編集後記】
強み文献おかわり100本ノック
25本目
あと75本。
<今月の健康&運動習慣>
・6月のランニング距離:45km
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