配信日時 2024/04/13 03:28

「できなかったところに囚われてしまう」を手放すためにできること【カレッジサプリ】

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令和6年4月12日(第3701号)


「できなかったところに囚われてしまう」を手放すためにできること


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2856字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日はマネジャー研修の個別コーチング、振り返り会でした。
また研修の企画や準備など。
加えて、膝を痛めてしまったので10kmのウォーキング。



さて、本日のお話です。

「できなかったところは目立って見えてしまう」。

こういうこと、あるものです。

今日はこのお話について、少し思うことを書いてみたいと思います。

タイトルは


【「できなかったところに囚われてしまう」を手放すためにできること】


それでは、どうぞ。



■人はネガティブバイアスが本能的に備わっているようで、
自然にしているとつい、できたところより出来なかったところに注目してしまい、必要以上に落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
まるで、視力検査のスキマが空いた部分を無意識に探してしまうかのようです。

さて、4月に入って、新入社員の研修に携わらせていただいています。
研修を行った後は、「受講者アンケート」をとります。
リッカート5件法で、「研修が役に立つと思いましたか?」等について、5:大いにそう思う~1:そう思わない、というものです。

私が携わる研修の場合、大きく外さなければ「研修の有用度・関連度・自己効力感」等の評価項目についても、5:大いにそう思う~4:そう思う、にスコアが多く集まることが主になります。(研修系のアンケートはこうなることが多いかと思っています)
ちなみに新入社員系だとインフレ気味に働くことが多いため、マイナスの評価がつくことは、あまりありません。

しかし、最近の研修で「1:そう思わない」という結果を数名にいただいたのでした。ふと思えば、かなり珍しい。
そう思って、少し動揺している自分に気づきます。

結果は基本的にほとんどは5か4です。
しかし3名が1~2などのネガティブな評価。そ
こにぐぐっと引き寄せられて、動揺します。
自分が至らなかったところはどこだったのか、何が足りなかったのか。
研修のどの部分がそうさせてしまったのか。あるいは、その人個人的な特性なのか・・・。


■頭ではわかっても、感情は制御できない
頭ではわかっているのです。
数字はあくまでも数字として捉えるべき。
そしてGOODとMOTTOを冷静に振り返って次に活かせば良い。

それでもなお、マイナスのコメントはどうしても気になるのです。
特に、一生懸命行ったプロジェクトに対しては、「できなかったことがものすごく大きく見えてしまいがち」です。仕事でもそうだし、ピアノの発表会でもそう。ミスやマイナス部分が、ルーペで拡大したように見えてしまうのです。

まさに、人間の性というものなのでしょうか。
普段「強みや出来たところを見よう」と言っているくせに、自分はできてない、この状況に対して、引っかかりを感じつつも、そんな自分を眺めている感じを受けていました。


■フラットに見るためにできること
「出来事に対する、認知が感情を引き起こす」。

これは、認知心理学でいう、ABC理論というものですね。
Activation events:出来事→ Belief:認知・信念→ Consequences:感情的な結果、の頭文字をとったものです。

そして、認知にはバイアスがかかっており、上記の例も、ネガティブバイアスが働くことにより、結果をフラットに見られなくなる、という事情が起こっている例になるのかもしれません。

そんな中で、自分の認知から距離を置いて、冷静に見るほうほうがあるな、と感じました。それが以下の2つです(他にもあるのでしょうが)

◯その1、時間を置く
まず1つ目がシンプルですが、時間を置くことです。
研修もその当日だと「その場に全て捧げた自分」と「結果」が癒着しすぎており、感情的なスペースを取ることが難しい事があります。

ゆえに、結果は確認するけれど、少し間を開けて、再度確認する。
やや過去の自分という形で、距離を置くと、冷静に捉えることができたりします。
(360°フィードバックのアセスメントも、結果を渡した直後ではなく、少し時間を置いてから振り返りのコーチングを行ったりします。消化する時間が必要なので)

余談ですが、少し前に参加したピアノの発表会も、終わった直後に言えでその動画を見たら本当に椅子から転げ落ちて「ああ、やっちまった・・・」とうなだれていましたが、1ヶ月も経てば「まあ、失敗してるけど曲になってるからいいんじゃない」と思えるようになりました。


◯その2、信頼できる客観的な人に意見を聞く
もう一つが、「信頼できる客観的な人に意見を聞く」ことです。
私の場合は、「妻」がそれに当たります。

妻も一緒に研修教材を作成してくれていますが、そばで研修当日に至るまでに苦闘のプロセスを見ています。
そういう背景も知っていることに加え、気持ちの上の痛みについては敏感なので、配慮がないフィードバックはしません。
きちんと強みに焦点を当てつつ、課題にも客観的に分析をした意見をくれます。

「いや、めっちゃ評価されてるじゃん」
「ポジティブな評価がほぼ全てで、ネガティブなのはこの2件」
「意見もそれも批判ではなく建設的だから好意的に受け止めているのでは」
「元々設定したゴールは達成できているように見える」

などと割とフラットにコメントをくれます。

配慮はしつつも、もちろん向き合うべきところは遠慮せずにフィードバックをくれるので、ああそう見えるのか、と冷静になることができます。

自分が冷静に見られないときは、こうした他者からのフィードバックがどう見えているかを受け止めるきっかけになっています。

(ただし、人を選ばないと、逆に追い打ちをかけるようにさらにボコボコになってしまうことも。。。ゆえに注意が必要です。
 大事なのは、自分を否定せず、結果を冷静に受け止め、次に活かすことなので)


■まとめ

以下、今日のお話のまとめでございます。

・ネガティブバイアスはあるし、出来ないことは気になるもの。
・ときに頭でわかっても、バイアスが働き、感情的にマイナスな気持ちになることもある。
・バイアスによりネガティブに注目するデメリットは、客観的に結果を受け止められなくなること。また不必要に落ち込み、良い気分にならないこと。
・冷静な分析と次に活かすためには「時間を置いて改めて結果に向き合う」こと、「信頼できる客観的な他者に意見をもらう」ことが有用と思われる。

というお話でした。

書きながらまだまだ未熟だなあ、と自分で思いますが、こうした振り返りを含めて、明日へとつなげていきたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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 【編集後記】
強み論文、100本ノックプロジェクト。
現在90本目です。
あと10本。

<今月の健康&運動習慣>
・4月のランニング距離:45km
(長野マラソンまであと10日)


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