配信日時 2024/02/02 00:14

半分の時間で同じ成果を出すことはできるのか?  ー論文『VIAアセスメント短縮版』作成の試みからの学びー【カレッジサプリ】

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令和6年2月1日(第3629号)


半分の時間で同じ成果を出すことはできるのか? 
ー論文『VIAアセスメント短縮版』作成の試みからの学びー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2812字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
その他研修の企画などでした。



さて、本日のお話です。

今日は「VIAアセスメントの短縮版」という
強みに関するアセスメントのお話です。

ということで、早速まいりましょう!

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<今回ご紹介の論文>
『強みVIAインベントリのショートフォーム』
Azañedo, Carolina M., Enrique G. Fernández-Abascal, and Jorge Barraca. (2017).“The Short Form of the VIA Inventory of Strengths.”Psicothema 29 (2): 254–60.
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■はじめに、

20代の若かりし頃、上司がこんな事を言っていました。「30人を集めた1時間の会議は、30分✕1時間で=30時間使うんだぞ。そのことをわかって準備したのか?」

自分に対して言われたのか、それとも誰かに対していったのかは覚えていません。しかし、印象に残っている言葉。現在も、研修などで多くの人の時間をいただく機会のたび、このフレーズが頭をよぎります。


■タイム・イズ・マネー
あらゆるものが短く、効率的になっていく中で「時間対効果」はますます大切にされているように見えます。私が足を置く研修の世界でも、「1時間の研修と半日の研修は、どのくらい成果に違いがあるんですか?」と質問いただくこともしばしば。この質問の背景には「同じ成果なら、短い時間の方がいい」という本音が見えるようです。

(ちなみに、研修の多くは「対面+オンライン」+「事前事後学習」などをブレンドして工夫をすれば、「2日」→「半日✕2回(1日)」などで同じ、またはそれ以上の効果を期待できると思っています。その分設計が大変ですけど)

さて、前置きが長くなりましたが、今日の話はそんな「時間短縮」に関連するある論文です。テーマは「強みのアセスメントの量を半分にしても、同じ結果が得られるのか?」という研究論文です。

結果うんぬんもそうですが、「時間を半分にするプロセスに、丁寧に、真剣に向き合うこと」が勉強になりました。



■半分の時間で同じ成果を出すことはできるのか

◯VIAアセスメントとはなにか
性格的な強みを調べるためには様々な方法がありますが、その中で有名なものの一つが『VIA(Values in Action)』と呼ばれるアセスメントです。

このVIAアセスメント、いくつかの魅力があります。

1,無料で受検が可能
2,信頼性や妥当性の結果も高く、科学的に信頼できる
3,世界2700万人が受検しており、広く知られている

などなど。

VIAによる強みの分類は、合計24種類になります。このVIAを用いた研究論文が私の知る限り一番多く、たとえば「熱意・希望・感謝・愛情」の強みは人生満足度と相関があることが示されているなど、強みに関しての多くの研究の知見にも役立てられるアセスメントです。


◯デメリット「質問が多すぎる問題」
しかし、このVIAアセスメントには、デメリットがありました。それが「質問が多すぎる」ことです。合計240問。

24の強みをそれぞれ調べるために、各10項目の質問が用意されています。これを聞くと24✕10項目=240項目もの質問に答えなければなりません。サクサク回答しても30分以上かかります。これはなかなか重たい・・・。

このアセスメントだけならまだしも、他のサーベイや調査と併せて回答してもらうことも研究では少なくありません。そう考えると、240もの質問は、正直ヘビーです。論文では、このように書かれていました。

VIA-ISの長さがその使用の障害となっている (Littman-Ovadia, 2015)。この尺度の240項目の記入にはか なりの時間がかかるため、この長いフォームの短縮版を実 施することは、性格の強さに関する測定において時間節約 の工夫となりうる。

うーん。長いのは確かに負担のようです。。そこで本研究では、「240の質問を半分の120にしても、同じ信頼性・妥当性が得られるか?」を検証したのでした。
(ちなみに厳密に言えば、英語ではこの論文時点で、既に120のショートバージョンが開発をされており信頼性・妥当性が確かめられていました。今回は同じように「VIAのショート版を”スペイン語”でも適用できるか?」を調べた内容となります。これくらい、短くすることでも研究においては厳密に行うのですね)



■分析のステップ
さて、ではどのようなプロセスを経て、分析をしたのでしょうか?
分析はスペインの2143名に対して、以下3つの質問に答えてもらいました。

・VIAーIS (240の質問)
・人生満足度
・ポジティブ・ネガティブ感情尺度

その上で、強みの24分類に紐づく10項目のうち、特に因子負荷量が高い上位5項目をピックアップし「ショートバージョン(VIA-120)」を作成しました。

そして、通常版(VIA-IS)と短縮版(VIA-120)で人生満足度、ポジティブ・ネガティブ感情の尺度との相関を調べ、結果に違いがあるかどうかを検証しました。



■結果:半分でも同じ結果が得られた

さて、いきなりですが結論です。結果としては

「短縮版も、通常版と同じように信頼がおけるものだった」

ことがわかりました。

具体的にお伝えすると、結果を分析したところ、VIA-IS下位尺度と人生満足度の平均相関は0.31であり、VIA-120とこの尺度の平均相関は0.28でした(ほぼ同じといってよい)。

また、人生満足度と最も高い相関を示した5つの強み(希望、熱意、感謝、愛情、好奇心)も、通常版と短縮版で同じでした。
これらのことからも、両尺度の相関パターンは類似しており、短縮版も同様に信頼性がある尺度と言えるとのことでした。



■まとめ(個人的感想)
一言でいえば、「VIAのアセスメントを240→120に半分にしてみました」というシンプルなお話です。ただ、こうした質問紙に対する一つの論文を見てみても、「質問紙へのこだわり」を考えさせられました。

しばしば、私もアンケートを作成することがあります。自己効力感でも、ワークエンゲージメントでも、複数の質問項目がある尺度だと「どこまで短縮してOKなのか?」という疑問が湧くことがあります。

しかし、このプロセスのように丁寧に紐解くと「ああ、半分にしても問題ないのね」とわかります。(同様に1/3にしてもいけるのか?1/4にしてもいけるのか?なども気になります)

いずれにせよ「答える側の時間」「多くの人への適用」を考えたときに、時間や答えやすさは大事なポイントである、このシンプルな事を考えさせられた論文でもありました。時間は有限だからこそ、同じ結果なら短く凝縮していきたいものですね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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<本日の名言>

すべては疑いうる。

カール・マルクス
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【編集後記】
強み論文、100本ノックプロジェクト。
現在、57本目です。
あと43本。

<今月の健康&運動習慣>
・2月のランニング距離:0km

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