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令和5年12月4日(第3571号)
3つの文献から「強みの定義」を調べてみました
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3154字/読了時間4分)
■こんにちは、紀藤です。
昨日はミーティングや、研修企画書の作成など。
ありがたいことに、お仕事の相談を諸々いただいており、
自分の余力が許す限り、対応ができればと思っており、
色々と手を動かしております。
本当はもっとたくさん提案もしたいし、
お話したい方もたくさんいる中で、やや口惜しいところ。
(年末年始で、ご挨拶させてください・・・)
日々、後悔なきよう、時に緩めつつ頑張りたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
先日、「最近、『強み』について論文とかまとめてるんだよね~」と、ある方にお話をしていたら、「そもそも”強みの定義”が気になりますね」と素朴な疑問を投げかけられたのでした。
「強みの定義って、それ自体が曖昧なんですよね」などと返答をしたものの、とはいっても、実際にどのような定義があるのかは、整理してみたいと思いました。
ということで、今日は3つの文献から、それぞれ「強みの定義」ならびに「強みの種類」について書かれているところを抜粋しつつ、ご紹介してみたいと思います。
それではまいりましょう!
タイトルは、
【3つの文献から「強みの定義」を調べてみました】
それでは、どうぞ。
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■強みの定義とは?
■その1:広く考えた「強みの定義」
「強み(Strength)」と言ったときに、様々な論文の、様々な研究者は、どのような定義をしているのでしょうか?
このことについて、書籍『Strength-Based Leadership Coaching in Organizations An Evidence-Based Guide to Positive Leadership Development』Doug MacKie (2016) によると、こんな説明がされていました。以下引用いたします。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・「特定のタスクでほぼ完璧に近いパフォーマンスを一貫して行う能力」(Rath and Conchie, 2008)
・「価値ある結果を追求するために最適な機能を発揮できるような方法で、感じ、考え、行動する能力」(Snyder, Lopez and Pedrotti, 2010)
・「元気で情熱的な気分にさせ、素晴らしい仕事をするように導く個人的な特性や性質」(Brewerton and Brook, 2010)
・「理想的には非常に高いレベルで実践されている典型的な特性。ある集団の中のリーダーの10~20数パーセントに現れる」(Zenger et al, 2012)
Doug MacKie (2016)『Strength-Based Leadership Coaching in OrganizationsAn Evidence-Based Guide to Positive Leadership Development』 第二章:強みの定義とモデルより
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
なるほど、、、。見てみると
・完璧に近いパフォーマンスを出す
・最適な機能を発揮できるようにする
・元気で情熱的な気分にさせる
・高いレベルで実践される
などのキーワードがならび、成果に関連した定義から、使用時の気分にまつわる定義まで幅広くあるようです。
ちなみに、この書籍に続く部分で補足されている言葉を借りると、「強みには、特徴、能力、資質など、様々な定義があることがわかる。(中略)一方、強みの起源についての明確な推測はほとんどされていない」とのこと。
乱暴にいえば、「正直色々あるので、明確にコレっていう定義はない」という、というのが結論のようです。
*
■その2:3つの主流学派の「強みの定義」
さて、そんな中でも強みの研究は進んでいき、強み分析のアセスメントでは
・「ストレングス・ファインダー」
・「VIA」
・「Stregnth Profile」
と、大きく3つの学派にわかれていきます。ここでいう「強みの定義」もみていきましょう。このように表現されていました。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■ストレングス・ファインダー
◯強みの定義:
「ある活動において常に完璧に近いパフォーマンスを発揮すること」(Rath and Conchie, 2008)
■VIA-IS(Value in Action Inventory of Strength)
◯強みの定義
「性格の強み」を定義する基準は以下、10項目とする
(1)自分自身と他者の成長に貢献する
(2)道徳的に評価されるものであること
(3)その使用は他者を萎縮させないこと
(4)その反対は否定的であること
(5)認知、感情、行動の各レベルで現れるものであること
(6)他の肯定的特質とは区別されるものであること
(7)合意の範疇で具現化されるものであること
(8)天才に見られるものであること
(9)人によっては存在しないこともあること
(10)異なる文化でも望まれ、培われるものであること
(Peterson and Seligman, 2004)
■Strength Profile(旧:Realize2)
◯強みの定義
「特定の行動様式、思考様式、感情様式に対する既存の能力であり、
その使用者にとって本物であり、活力を与えるものであり、最適な機能、発達、パフォーマンスを可能にするもの」(Linley 2008)
Miglianico, Marine, Philippe Dubreuil, Paule Miquelon, Arnold B. Bakker, and Charles Martin-Krumm.(2020).“Strength Use in the Workplace: A Literature Review.”
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
強みの定義については
・パフォーマンスに繋がる
・本物である
・成長に貢献する
・活力を与える
などがキーワードになるようですね。
なんとなく並べてみると共通するものも見えてくるような気がします。
*
■強みの種類
もう一つ、強みについて深掘りしてみたいと思います。
ここまで強みの定義を見てきましたが、強みは「パフォーマンスにつながるもの」といっても、正直あらすぎる感じもします・・・(汗)
例えば、「医者」がパフォーマンスが高いとしたとき、そのドクターが持つ「強み」は分析したとしても、「学習する力」「忍耐強さ」みたいな”性格特性的な強み”もあれば、「卓越したメスさばき」みたいな”技術的な強み”もあります。
あるいは、大病院の教授たちと繋がっているという”人的ネットワークの強み”だってあるし、様々な最新の知見を知っているという”知識としての強み”だってあるわけです。
これをおおざっぱに「パフォーマンスを発揮する強み」というのは、もうちょっと細かく分類できるんでない・・・?と突っ込みたくなります。
*
■人が持つ多様な「強み」の種類
ここで、上記疑問について、「強みの種類」を分けている文献がありましたので、ご紹介いたします。以下引用です。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<人が持つ多様な「強み」の種類>
(1)性格特性的強み(Character Strengths)
・この強みは、「人間が持つ優れたパーソナリティ特性」である。それを発揮することでその人自身だけでなく、他者を利する人間の特性であり、個人にとってのアイデンティティであると同時に、行為でもある。
(例:VIAなどで定義される強み)
(2)才能
・この強みは、「遺伝的な生物学的要素に大きく依拠する強み」である。
(例:空間的知能、音楽的知能、対人的知能など)
(3)スキル
・この強みは、「ある特定の習熟的技能」である。
・これらのスキルは通常、最終的な目的を達成する手段として研鑽を積むことで習得される
(4)興味・関心
・この強みは、「夢中になっていることがらや、関心事」である。
(例:テニスをする、コインを収集する、水彩画を描くなど)
(5)リソース(資源)
・この強みは、「外的・環境的に与えられたものだが、個人の実施的な支えになってくれる強み」である。
(例:家族の支え、良い友人関係、安全な住環境、コミュニティーグループなど)
スージー・グリーン&ステファン・パーマー、西垣悦代(2019)
『ポジティブ心理学コーチングの実践』金銀出版 P117-118
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
おお、、、!「強みの種類」としてわけてみると、なんだかしっくり来ますね
*
■まとめ
「強みって、そもそもなんですか?」
こうした素朴な疑問に向き合うからこそ、「強みを発揮している」というのが何を示すのかが明確になることを、改めて感じました。
私が最近見ている研究では「Character Strength(性格特性的強み)」が中心ですが、調べてみると遺伝的な強みやスキルなどにフォーカスした研究もありそうな気がします。
前提を確認する、前提を揃えることの大切さを考えさせられました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
私のスタイルは、リトル・リチャード、ジャッキー・ウィルソン、
ジェームス・ブラウン、それに教会音楽を組み合わせたものだ。
エルビス・プレスリー
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【編集後記】
コーチング祭りです。
毎日コーチングをさせていただいていますが
コーチングも色々な手法(キャリアコンサルティングを含め)を
学ぶことを通じて、幅が拡がる感じがしています。
<今月の健康&運動習慣>
・12月のランニング距離:10km
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