配信日時 2023/10/23 09:52

25の論文レビューでわかった!「組織における強み活用」がもたらす成果のまとめ【カレッジサプリ】

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令和5年10月23日(第3529号)


25の論文レビューでわかった!
「組織における強み活用」がもたらす成果のまとめ


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2552字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は朝から大学院の方々と
10kmの皇居ランでした。

お昼からは家族で公園へ。
テントとラジコンを持っていき、
子供をラジコンを追いかけさせて(?)
ゆるりと遊んでおりました。

また夜は1件のミーティング。



さて、本日のお話です。

今日も「強み」に関する論文より、
皆様にお伝えさせていただければと思います。

ある論文で

「強みの活用が、過去の先行研究にて
 どのように仕事のパフォーマンスに影響を与えるのか?」

が網羅的に整理されていました。

この論文も2020年と
比較的新しいものですので、

”今現在、強みの活用研究が
 どこまでわかっているのか?”

を知る一つの手がかりににも感じました。

ということで、
今日はこの論文からの学びを
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは早速参りましょう!


タイトルは、



【25の論文レビューでわかった!
 「組織における強み活用」がもたらす成果のまとめ】
 
 

それでは、どうぞ。




■強みに関しての研究は

本当にここ10年以内くらいで
組織への影響を含めた論文が
数々でてきているようすです。


その中で先日もご紹介した論文、

『職場における強みの活用:文献レビュー』
Miglianico, Marine, Philippe Dubreuil, Paule Miquelon, Arnold B. Bakker, and Charles Martin-Krumm.(2020).
“Strength Use in the Workplace: A Literature Review.” 

では、

1)「組織における強み活用」の成果の要約を提供すること

2)「職場における強み開発」に関する文献で言われる
  主な介入マップを提示し、統合モデルを提案すること
  
を目的に、調査をしていました。



■本論文の研究方法は
以下の通りです。

まず、

1)「組織における強み活用」の成果の要約を提供すること

については、

”システマティックレビュー”なる、
過去の研究をレビューするプロセスを用いて調査しました。

利用可能な科学文献を徹底的に調べ、

「強み・仕事・組織・職場」

などの検索キーワードで洗い出したところ、
合計598の論文が見つかりました。



その中で、

a)査読付きジャーナルに掲載されたもの
b)英語で書かれたもの
c)ポジティブ心理学の分野が確立された1998年以降に発表されたもの
d)定量的アプローチを用いたもの

の基準を満たしたものを対象論文とし、
「25の論文」が選出されたのでした。

(その内容については、
 これからコツコツ読んで、
 またご紹介させていただければと思います)
 


■そして、
それらの論文によると

”「組織における強み活用」の成果”

は以下のような話に
まとめられていました。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【「組織における強み活用」の成果の要約】

<全体の傾向>

・強みの活用と開発は
 仕事のパフォーマンスと職務満足度と正の相関がある。
 

<具体的な成果と論文>

1)より「積極的」になる

・従業員が職場で自分の強みを特定し、利用し、開発すると、業績が向上し、
 職場でより積極的になる傾向があることが示されている
※論文:Cable et al.2013; Dubreuil et al.2014; Harzer and Ruch 2014; Van Wingerden and Van der Stoep 2018; Van Woerkom et al.2015


2)より多くの「援助行動」を示す

・より多くの援助行動を示し、より少ない望ましくない行動を示す
※論文:Kong and Ho 2016; Lavy and Littman-Ovadia 2017; Littman-Ovadia et al. 2017


3)「創造的な解決策」を見つけるようになる

・問題に対するより創造的な解決策を見つける。
 これはポジティブな感情やエンゲージメントによって媒介されることが多いことが示唆されている
※論文:Lee et al, Lavy and Littman-Ovadia 2017; Littman-Ovadia et al.


4)「仕事の満足度」と「ウェルビーイングの増加」と関連する

・強みの使用と開発は、仕事における満足度とウェルビーイングの増加と関連する傾向があることを示している。
 強みの使用は、一般的に仕事における意味の 感覚と関連している
※論文:Harzer and Ruch 2013; Littman-Ovadia et al. 2017; Littman-Ovadia and Steger 2010)


5)強みは「仕事を天職」として認識させる

・強みの識別と開発が仕事を天職として認識することを促す可能性を示唆する研究もある(Harzer and Ruch 2016)。
・職場における強みの使用は、一般的に満足感、喜び、コミットメント(Harzer and Ruch 2013 )などのポジティブな経験や、
 喜び、誇り、熱意( Cable et al. 2015; Littman-Ovadia et al. 2017)などのポジティブな感情に関連しており、
 ひいては幸福感にポ ジティブな影響を与える可能性がある(Meyers and Van Woerkom 2017)。

6)「ワークエンゲージメント」を高める

・職場における強みの特定、使用、開発は、ワークエンゲージメントを高める
※論文:Cable et al. 2015; Littman-Ovadia et al. 2017; Van Wingerden and Van der Stoep 2018; Van Woerkom et al. 2015)


7)「強みの活用に対する組織的支援(POSS)」は成果に影響を及ぼす

・強みの活用に対する組織的支援が、成果に重要な影響を及ぼすレビューで示された。
 強みに基づく心理的風土は、特にマネジャーが従業員の自律性を促進する場合、個人の強みに依存する
※論文:Kong and Ho 2016

・強みの活用に対する 組織の支援は、役割内および役割外のパフォーマンスと正の相関があり
 (Van Woerkom and Meyers 2015; Van Woerkom et al. 2016b)、

・特に従業員が高負荷や感情的な要求に直面している場合には、欠勤率の低下とも関連している
(Van Woerkom et al.)


8)一方、「強みの過度な使用と過小使用は逆効果」である

・強みの過度な活用や過小な活用は逆効果であり、パフォーマンスに悪影響を及ぼすようである
※論文:Harzer and Ruch 2012; Kaiser and Overfield 2011。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのことです。



■強みを活かすと


・より「積極的」になる

・より「支援的」になる

・より「創造的」になる

・より「仕事の満足度」が高まる

・より「ワークエンゲージメント」が高まる

・「仕事を天職」としてみなせる

、、、などと

ええい、これでもか!
これでもか!!

と、

強みの活用の成果について根拠を示す論文を、
コンボのように叩き込まれる(?)と、
説得力が生まれてくる気がします。



■上記の研究についていえば

・アメリカ
・オランダ
・ドイツ
・南アフリカ
・カナダ
・ベルギー
・イスラエル
・インド

などの国々で言及をされており、
北米、北欧、中東、アジアなど
様々な文化圏で研究されているようですので、

こうした研究が世界的にも
広がっていることがわかります。


一方、日本ではこうした研究が
まだまだ進んでいないようにも思いましたので

これは私も一つのテーマとして
掘り下げていきたい、とも思います。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

マネジメントのほとんどがあらゆる資源のうち、
人が最も活用されず能力も開発されていないことを知っている。

だが、現実には、人のマネジメントに関するアプローチのほとんどが、
人を資源としてではなく、問題、雑事、費用として扱っている。

ピーター・ドラッカー
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【編集後記】
大学院のランニング部には、
大尊敬する先生も参加していただくのですが、
(なんたるありがたきこと・・・!)

「最近は、強みに関しての研究も増えているんですね」 
と本メルマガについてコメントをいただき、モチベーションが上がりました。  

この研究も出版につなげていきたいと、リアルに考え始めております。
来年には形にしたい、、、!と思います(ミニ宣言)

そして、ランニングをやっていて、よかったなあ。

<今月の健康&運動習慣>
・10月のランニング距離:53km
・開脚ストレッチ:0回
・体幹トレーニング:1回

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メルマガのご感想は、このメールに直接ご返信いただければ紀藤にのみ届きます。
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