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令和5年9月30日(第3506号)
「島耕作」の的を射たフィードバックにグサリときた話
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2484字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は1件のアポイント。
その他、研修の企画。
また夜は月1回通っている
ピアノのレッスンでした。
(全然練習できていない、、、)
*
さて、本日のお話です。
最近の私のマイブームに
”『島耕作』”があります。
言わずと知れた累計4500万部超、
国民的サラリーマン叙情詩。
有名なマンガでございます。
名前は聞いたことがあるものの、
これまで読んでこなかった本作品。
あるマンガアプリ(マガポケ)で
2024年1月まで全話無料で読める!
とのことで少し前から読み始めて
面白くて、毎日の楽しみになっています。
(今は課長→部長→取締役まできました)
その中のお話の一つで、
「神回」ともコメントされているお話の一つが
個人的にとても刺さりました。
ということで、今日はそのお話の紹介とともに、
そこからの学びを含めて、
皆様にご共有させていただきたいと思います。
それではまいりましょう!
タイトルは
【 「島耕作」の的を射たフィードバックにグサリときた話 】
それではどうぞ。
■エリートサラリーマン、島耕作。
本作品は、主任 島耕作が
「課長 島耕作」へと昇進し、
会社と美女(!)に翻弄されながら
サラリーマンに身に降りかかる様々な出来事とともに、
島耕作が組織の中で肩書が変わっていく(出世していく)
物語が描かれていきます。
大変有名なマンガなので
読まれた方も少なくないかとおもいます。
*
例えば、
・大企業の政治に巻き込まれた
異動や昇進のお話、
・次期社長を巡る
派閥問題で地方に飛ばされるお話、
・問題の部下にどのように対処するか、
(横領、不正などはじめ。。。)
・親会社からの子会社への出向の文化と
社員のモチベーション低下のお話
・中高年のリストラ、
早期退職制度にまつわる物語、
、、、などなど
■作品が始まった1983年から現在に至るまで
その時代を表した問題も含めながら
読者を引き込むストーリーとして完成させているのが
たいへん魅力的な作品です。
*
ちなみに「島耕作」と検索すると、
関連キーワードで「クズ」と
出てくるのですが(苦笑)
男女共にたいへんモテる島耕作は、
銀座クラブのママ、スナックのママを初め、
部下、海外常駐先のクライアント、
同僚の御婦人、大株主の女性(!)にいたるまで
あらゆる女性にアプローチを受けつつ、
それらの繋がりによって
仕事でのチャンスをものにしたり、
トラブルに助けられたりします。
うーん、羨ましいですね。。。(笑)
(そんな、来る者拒まず的なスタンスが
「ク◯」と言われる理由かもですが)
しかし
そんな魅力と才気、粗品により
強烈な人の運に恵まれている島耕作に、
なんとなく惹かれてしまうのですね。
さすが、島耕作。
■さて、そんな島耕作の第147話(部長 島耕作)にて、
印象に残るお話がありました。
*
その場面は、
島耕作が課長時代だった頃、
何かと問題があった元年上部下(今野氏)に
対話(フィードバック)するシーンです。
その元年上部下の今野氏は、
販売会社の社長として島耕作の上司という立場になりましたが
本人の問題もあり、社長→専務へと降格になったのでした。
そして結果的に、今野氏に変わって
島耕作が地方販売会社の社長になりました。
そんな場面でのシーンです。
以下、引用いたします。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今野「島、おまえうまく立ちまわったな」
島耕作「私が何か?」
今野「しらばっくれるな!
おまえが役員6人にふきこんで、
私を追い落とすように画策したんやろう!!
そうまでして社長になりたいんか貴様は!!」
島耕作「今野さん・・・
あなたは自分の情況が悪くなると、
みんな人のせいにする・・・」
今野「な、何だとぉ?」
島耕作「こうなったのは、自分に非があるからだ
という発想はあなたの中にはないのですか?
もしそれがなかったら、あなたはホントのバカですよ」
今野「き、きさま!!」
島耕作「自分の責任を何か他の要因にすり替えて、自己完結する。
あなたは今まで人生をそうやって生きてきた。
(中略)
自分に非があるとうすうすわかっていても、
それを認めたくないから嘘をついて、その場を逃れる。
人に対しても、自分自身に対しても、嘘をついている。
そういう事を重ねていると、
自分が嘘をついていることすらわからなくなる・・・」
※引用:弘兼憲史、『部長 島耕作』12巻 ステップ147より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
■ちなみに、この後、
”耳の痛いフィードバックのコンボ”
により、今野氏はボコボコにうなだれます。
言い方については
時代や文脈によりますので
良いか悪いかなどは語ることはできません。
ただ、当人に対して
”的を射ている強烈なフィードバック”
を浴びせかけたことにより
本人が「ケッ」といいながらも、
大いに狼狽し、衝撃とともに自らを振り返るのでした。
(ちなみに、このシーンのあと、
別の話で、島耕作は彼に温かいフォローをし、
彼が定年のときも、粋な計らいをしますので、
いい感じで終わります)
■この島耕作のメッセージの中で
考えさせられたセリフが
「自分にも他人にも嘘をつくうちに
それが嘘かどうかもわからなくなる」
という部分です。
*
たしかに人は、
本心での行動を矛盾した行動をしたときに、
その自己矛盾を、解消させようとします。
結果、自分の本心に対して
「いや、元々自分はこう思っていたんだ」と
本心に悖った行動を解消しようと、
自分に”小さな嘘”をつくのです。
しかし、こうした事を繰り返すうちに、
本心がどこにあるかわからなくなる、
つまり、嘘とまではいわずとも
”自分の本当の気持ちがわからなくなる”
ということは意外と起こり得ます。
(これを心理学の用語で、「認知的不協和」と呼びます。
人が矛盾した考えや感情、行動を持つと、
不快な状態(不協和状態)を感じ、その矛盾を解消しようとします)
■登場人物のエピソードではありますが、
私達の日常に落とし込んでも、
同じことが言えるのでしょう。
私(紀藤)にもありますが、
「周りの人の期待に応えようとするゆえ、
自分は何がしたいのかが見えなくなる」
というのは少なからず、
あるようにも思いました。
・誰かの意見を受け入れ、従う
・規範やルールを大事にする
そうすることで
自ら決めることを避けている。
そこにあったはずの
自分の気持ちや欲求も見えなくなる。
そんなことが少なからず起こることも
あるのかもしれない、、、と思いましたし、
それで見えなくなっている可能性や
封じている思いもあるのかもしれない、と思います。
■ということで、島耕作の
的を射たフィードバックのお話から、
考えさせられた、の巻でございました。
現在は「取締役 島耕作」なので、
まだまだ続きます。
続きが楽しみです。
無料で読めますので、気になる方は、ぜひ。
弘兼憲史さんの政治のお話『加治隆介の議』も面白いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
人生において何よりも難しいことは、嘘をつかずに生きることだ。
そして自分自身の嘘を信じないことだ。
ドストエフスキー
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【編集後記】
来年のピアノの発表会はリストの『愛の夢』です。
毎年、1曲ずつ、ゆっくり完成させていますが、
過去弾いた局も、少し弾かないとすぐに弾けなくなります。
ちょっとずつがんばります。
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