配信日時 2023/09/30 12:10

「島耕作」の的を射たフィードバックにグサリときた話【カレッジサプリ】

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令和5年9月30日(第3506号)


「島耕作」の的を射たフィードバックにグサリときた話


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2484字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は1件のアポイント。
その他、研修の企画。

また夜は月1回通っている
ピアノのレッスンでした。
(全然練習できていない、、、)



さて、本日のお話です。

最近の私のマイブームに
”『島耕作』”があります。

言わずと知れた累計4500万部超、
国民的サラリーマン叙情詩。
有名なマンガでございます。

名前は聞いたことがあるものの、
これまで読んでこなかった本作品。

あるマンガアプリ(マガポケ)で
2024年1月まで全話無料で読める!

とのことで少し前から読み始めて
面白くて、毎日の楽しみになっています。
(今は課長→部長→取締役まできました)

その中のお話の一つで、
「神回」ともコメントされているお話の一つが
個人的にとても刺さりました。

ということで、今日はそのお話の紹介とともに、
そこからの学びを含めて、
皆様にご共有させていただきたいと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは



【 「島耕作」の的を射たフィードバックにグサリときた話  】



それではどうぞ。



■エリートサラリーマン、島耕作。

本作品は、主任 島耕作が
「課長 島耕作」へと昇進し、

会社と美女(!)に翻弄されながら
サラリーマンに身に降りかかる様々な出来事とともに、
島耕作が組織の中で肩書が変わっていく(出世していく)
物語が描かれていきます。

大変有名なマンガなので
読まれた方も少なくないかとおもいます。



例えば、

・大企業の政治に巻き込まれた
 異動や昇進のお話、

・次期社長を巡る
 派閥問題で地方に飛ばされるお話、

・問題の部下にどのように対処するか、
 (横領、不正などはじめ。。。)

・親会社からの子会社への出向の文化と
 社員のモチベーション低下のお話

・中高年のリストラ、
 早期退職制度にまつわる物語、

、、、などなど

■作品が始まった1983年から現在に至るまで
その時代を表した問題も含めながら
読者を引き込むストーリーとして完成させているのが
たいへん魅力的な作品です。



ちなみに「島耕作」と検索すると、

関連キーワードで「クズ」と
出てくるのですが(苦笑)

男女共にたいへんモテる島耕作は、
銀座クラブのママ、スナックのママを初め、
部下、海外常駐先のクライアント、
同僚の御婦人、大株主の女性(!)にいたるまで

あらゆる女性にアプローチを受けつつ、
それらの繋がりによって

仕事でのチャンスをものにしたり、
トラブルに助けられたりします。

うーん、羨ましいですね。。。(笑)
(そんな、来る者拒まず的なスタンスが
 「ク◯」と言われる理由かもですが)
 
しかし

そんな魅力と才気、粗品により
強烈な人の運に恵まれている島耕作に、
なんとなく惹かれてしまうのですね。

さすが、島耕作。



■さて、そんな島耕作の第147話(部長 島耕作)にて、
印象に残るお話がありました。



その場面は、

島耕作が課長時代だった頃、
何かと問題があった元年上部下(今野氏)に
対話(フィードバック)するシーンです。

その元年上部下の今野氏は、
販売会社の社長として島耕作の上司という立場になりましたが
本人の問題もあり、社長→専務へと降格になったのでした。

そして結果的に、今野氏に変わって
島耕作が地方販売会社の社長になりました。

そんな場面でのシーンです。

以下、引用いたします。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今野「島、おまえうまく立ちまわったな」

島耕作「私が何か?」

今野「しらばっくれるな!
  おまえが役員6人にふきこんで、
  私を追い落とすように画策したんやろう!!
  そうまでして社長になりたいんか貴様は!!」

島耕作「今野さん・・・
   あなたは自分の情況が悪くなると、
   みんな人のせいにする・・・」
   
今野「な、何だとぉ?」

島耕作「こうなったのは、自分に非があるからだ
  という発想はあなたの中にはないのですか?
  もしそれがなかったら、あなたはホントのバカですよ」
  
今野「き、きさま!!」

島耕作「自分の責任を何か他の要因にすり替えて、自己完結する。
  あなたは今まで人生をそうやって生きてきた。
  
  (中略)
  
  自分に非があるとうすうすわかっていても、
  それを認めたくないから嘘をついて、その場を逃れる。
  
  人に対しても、自分自身に対しても、嘘をついている。
  
  そういう事を重ねていると、
  自分が嘘をついていることすらわからなくなる・・・」
 
※引用:弘兼憲史、『部長 島耕作』12巻 ステップ147より  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)


■ちなみに、この後、

”耳の痛いフィードバックのコンボ”

により、今野氏はボコボコにうなだれます。

言い方については
時代や文脈によりますので
良いか悪いかなどは語ることはできません。

ただ、当人に対して

”的を射ている強烈なフィードバック”
を浴びせかけたことにより
本人が「ケッ」といいながらも、
大いに狼狽し、衝撃とともに自らを振り返るのでした。

(ちなみに、このシーンのあと、
 別の話で、島耕作は彼に温かいフォローをし、
 彼が定年のときも、粋な計らいをしますので、
 いい感じで終わります)



■この島耕作のメッセージの中で
考えさせられたセリフが


「自分にも他人にも嘘をつくうちに
 それが嘘かどうかもわからなくなる」
 

という部分です。



たしかに人は、
本心での行動を矛盾した行動をしたときに、
その自己矛盾を、解消させようとします。

結果、自分の本心に対して
「いや、元々自分はこう思っていたんだ」と
本心に悖った行動を解消しようと、
自分に”小さな嘘”をつくのです。

しかし、こうした事を繰り返すうちに、
本心がどこにあるかわからなくなる、

つまり、嘘とまではいわずとも
”自分の本当の気持ちがわからなくなる”
ということは意外と起こり得ます。

(これを心理学の用語で、「認知的不協和」と呼びます。

 人が矛盾した考えや感情、行動を持つと、
 不快な状態(不協和状態)を感じ、その矛盾を解消しようとします)
 



■登場人物のエピソードではありますが、

私達の日常に落とし込んでも、
同じことが言えるのでしょう。


私(紀藤)にもありますが、

「周りの人の期待に応えようとするゆえ、
 自分は何がしたいのかが見えなくなる」

というのは少なからず、
あるようにも思いました。

・誰かの意見を受け入れ、従う
・規範やルールを大事にする
そうすることで
自ら決めることを避けている。

そこにあったはずの
自分の気持ちや欲求も見えなくなる。

そんなことが少なからず起こることも
あるのかもしれない、、、と思いましたし、

それで見えなくなっている可能性や
封じている思いもあるのかもしれない、と思います。



■ということで、島耕作の

的を射たフィードバックのお話から、
考えさせられた、の巻でございました。


現在は「取締役 島耕作」なので、
まだまだ続きます。
続きが楽しみです。

無料で読めますので、気になる方は、ぜひ。
弘兼憲史さんの政治のお話『加治隆介の議』も面白いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>
人生において何よりも難しいことは、嘘をつかずに生きることだ。
そして自分自身の嘘を信じないことだ。

ドストエフスキー
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【編集後記】
来年のピアノの発表会はリストの『愛の夢』です。
毎年、1曲ずつ、ゆっくり完成させていますが、
過去弾いた局も、少し弾かないとすぐに弾けなくなります。

ちょっとずつがんばります。

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