配信日時 2023/08/30 08:32

人によって違う?!「強みへの注目」のし易さを測る尺度【カレッジサプリ】

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令和5年8月30日(第3475号)


人によって違う?!「強みへの注目」のし易さを測る尺度


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1885字/読了時間2分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、人事の皆様に対する
ストレングス・ファインダー研修の2日目でした。

その後は皆様との懇親会で
とても楽しい時間でございました。



さて、本日のお話です。

今日は「強み」についての書籍 
より引用をさせていただきつつ

『強みへの注目』

というテーマからの学びを
ご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは



【人によって違う?!「強みへの注目」のし易さを測る尺度】



それでは、どうぞ。



■「注目する」こと。

それによって、

私たちの思考は影響を受け、
それが感情面や、行動面にも
影響を与えるようです。



例えば、

「自己注目」
(自分に注目すること)

に関して言えば

「反すう(rumination)」と
「省察(reflection)」

という2つのタイプの自己注目があるとされています。
(Trapnell&Campbell,1999)

そして、2つの自己注目の仕方で
個人への心理的な影響が代わります。

(「反すう」はネガティブで慢性的、
 自己への喪失や脅威への注目で、
 不安、抑うつ、怒りと結びついており、
 個人的苦痛と正の関連を、主観的幸福とは負の関連を有し、
 ”不適応タイプの自己注目”でありとされます。

 一方、「省察」は自己への好奇心や興味によって動機づけられ
 自身の促進に寄与しているとされており、
 抑うつと負の関連、他者視点の獲得、共感的関心、持続的幸福と正の関連を持つ
 ”適応タイプの自己注目”とされています)
 


■また、人の認知的な特徴として

「弱みへの注目」

があるとも言われます。

Fredrikson(2009)によれば
一連の研究により、様々な知見で共通して

「ポジティブ:ネガティブ=1:3で
 バランスをとっている」

そうです。

つまり、基本的に
”ネガティブに注目”しやすいのが人である、
というわけです。



■そして、

これらの「注目」の仕方は、
個体差があるようです。

例えば、性格的な部分で言えば、

ビックファイブの”神経症傾向”は、
不適応タイプの自己注目に関連があるとされますし、

逆に、ビックファイブの”開放性”は
適応タイプの自己注目に関連があるとされます。


あるいは、その人の「信念」、例えば

・ダメなところを克服することが教育だ なのか
・いいところを伸ばすのが教育だ

なのかによっても「注目」の仕方は
変わってくることが予測されます。


そして、その「注目」の仕方が
その後の行動や結果にも
影響を与えることも予測されるわけです。



■、、、としたとき、

「強みを活用する」
という前段階において、

『強みへの注目』という概念が
重要になるのではないか?
 

、、、そうした問いから
「強みの注目」について以下の尺度が
開発されたのでした。

以下、引用いたします。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

<強みへの注目に関する尺度(AFP:Active Focusing on Positivity)>

1)自己の強み注目(Self-AFP)

・自分の嫌な面が見えても良い面のほうが多いと思おうとする
・自分のことを肯定的に考えるのが好きだ
・自分の良い面を自覚している
・自分の良い面を積極的に活用しようとする
・まず自分の良い面を見ようとする
・自分の良い面に気づくことができる
・素直に自分の良い面を認めようと思う

2)他者の強み注目(Other-AFP)

・他人の良い面に気づくことができる
・他人の良い部分に気づいたらフィードバックしようとする
・素直に他人の良い面を認めようとする
・他人の嫌な面が見えても良い面のほうが多いと思おうとする
・他人のことを肯定的に考えるのが好きだ
・他人を褒めるのが好きだ
・まず他人の良い面を見ようとする
・他人の過ちを許そうとする


『特性的強み活用における「強みへの注目」過程に関する研究
 ー新たなキャリアプログラムの開発に向けてー』
 高橋誠(2020)、晃洋書房 P32より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

とのこと。

強みへの注目において、

「自己の強み注目(Self-AFP)」
「他者の強み注目(Other-AFP)」

とわかれているところがポイントです。

(他人の強みは見るけど
 自分の強みは見づらいという人もいれば
 その逆もいる)
 

■そして、この
「強みへの注目に関する尺度(AFP)」について、
以下のようなことがわかりました。


・2つのAFPは、ウェルビーイングと正の相関がある

・2つのAFPは、ネガティブ認知と負の相関がある

・2つのAFPは、「他者軽視」と正反対の影響を示し、その効果を相殺する

・自己への強み注目(Self-AFP)は、ネガティブ認知を抑制する


とのことでした。

「強みを活用する」際に、こうした尺度を活用し、

自分が自己や他者の強みに注目しているかどうか、
し易いのかどうかなども見てみることで

自身やチームでこうした取り組みを行う時に
参考になりそうだな、

そんなことを感じたお話でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

私は社員をほめて、ほめて、ほめ抜く。
そうすることによってほめられた人は
よりレベルの高い自分にチャレンジするのです。

リチャード・ブランソン
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【編集後記】
最近、色々と新しいプロジェクトが始まってきており
大変ありがたい限りです。同時にもっと自分が勉強する必要がある
と感じることもまま増えてきているので、ちょっとずつ未開拓な部分も
学びを深めていきたいと思います(人事管理とか、統計などなど)。

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