配信日時 2023/08/01 10:16

「現場のこと、あなたは知らないんですね・・・」。  ある管理職の言葉から考えさせられたお話。 ~『人材開発・組織開発コンサルティング』 第5章 人と組織の課題解決の7つのステップ(ステップ3 データを集める)を読んで~【カレッジサプリ】

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令和5年8月1日(第3447号)


「現場のこと、あなたは知らないんですね・・・」。
 ある管理職の言葉から考えさせられたお話。

 ~『人材開発・組織開発コンサルティング』
  第5章 人と組織の課題解決の7つのステップ(ステップ3 データを集める)を読んで~


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3136字/読了時間4分)


■おはようございます。紀藤です。

引き続き、宮崎に来ております。



さて、本日のお話です。

今日も引き続き、
人材開発・組織開発の「日本初の教科書」である、

『人材開発・組織開発コンサルティング 人と組織の「課題解決」入門』
(中原淳/著)
https://amzn.asia/d/0Mkjxwt

を題材に、まとめと感想を記述していきたいと思います。

本日は

”第5章 人と組織の課題解決の7つのステップ
 (ステップ3 データを集める)”
 
です。

本パートは、個人的に学びが多すぎるパートと感じていますので、
複数回にわけて学びをお伝えできればと思います。
(本当に勉強になる本です。ぜひご購入をお勧めいたします)

それでは、早速まいりましょう!

タイトルは、



【「現場のこと、あなたは知らないんですね・・・」。
 ある管理職の言葉から考えさせられたお話。

 ~『人材開発・組織開発コンサルティング』
  第5章 人と組織の課題解決の7つのステップ(ステップ3 データを集める)を読んで~】



それでは、どうぞ。



■私(紀藤)が、

人・組織づくりのコンサルタントとして起業して
この仕事を始めて間もないときの話。


ある管理職のトレーニングに、
関わらせていただく機会がありました。


そして、管理職1人1人と
コーチングということで対話をしているとき
こんな事を言われました。


「ちなみに、紀藤さんって
 私たちの現場のことって、
 どれくらい知ってるんです?
 
 現場で何が起こってるかとか、
 聞いたりできたと思いますが、
 そういったことって、されたのですか?」
 
、、、と。



■その管理職の方は

優秀なマネジャーであり、
かつに、物事を率直に語る方でした。


さすがに大人なので、
明確な否定をされたわけではないものの、

私の表情、声のトーンからは
その管理職の口に出されない心の声、


「ちなみに、紀藤さんって
 
 (会社の課題やら解決策やら
  色々とあなたは言うけれども)
   
 現場の事をどれくらい知っているんです?」


という(   )の中の声が、
私には聞こえたような気がしました。


その時は、

「人事の方などから
 お話を聞いてはいます」

と返答したように思いますが、

その回答として発せられた私の声は
実に頼りないものであったことは
言うまでもありません


(ああ、自分は現場の事を知らずに、
 アレコレ言っているのだな)

と突きつけられたように思い、
狼狽した記憶が残っている、、、

そんなお話です。



■さて、ではそんな当時の私に、
伝えたかったことがあったとすれば。


それがまさに、
今回ご紹介するパートである、

第5章 人と組織の課題解決の7つのステップの


【ステップ3 データを集める】

 
でございます。

(もっと早く知っておきたかった・・・)



本パートでは

「そもそもデータ収集とは何か?」

から始まります。


そもそも人材開発・組織開発コンサルティグでは
「解くべき課題を決めること」がとても重要です。


しかしながら、

クライアントの人事や経営の方が
「自組織の課題と解決策はこれだ!」と決めており
(あるいは強く思っており)

それに対する「課題解決のみ」を
クライアントに依頼するケースにも
しばしば遭遇します。

しかし、
「自分のことは自分で見えないこと」も
ままあるもの。

ゆえに、クライアントが考えている課題を
(それはそう思うという事実はあったとしても)
様々な角度から多面的にその物事を分析をしてみた結果、

実は「本当に解くべき課題」は別にあった、
ということもままあるわけです。


ゆえに、クライアントからの課題を
一度立ち止まって考える必要がある、

といえるのです。



■例えば、ですが

クライアントである事業部長が

「何人かの問題社員が
 チームの雰囲気を悪くしている」
 
と言っているとします。


しかし、現場の社員に
実際に聞き取りを行ったら
 
「あまり仕事以外で話をする機会がなく、
 お互いのことを深く理解できていない。
 遠慮している」
 
という課題を語っていた、みたいなイメージ。


ゆえに、私たちコンサルタントは、

”組織にある様々なデータを集め、
 そして課題特定をする”
 
必要があるわけです。



■では、

具体的にどのようなステップで、
データを集めればよいのか? 
 
このことが本パートでは
詳細に語られています。
 

以下、「ステップ3 データを集める」の
前半部分からいくつかポイントを
ピックアップしてお伝えさせていただきます。


(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【ステップ3 データを集める(前半)のまとめ】


<1,そもそもデータ収集・分析とは何か?>

1)データ収集・分析の目的

・私たちが注力すべきことは、課題解決のうち「解くべき課題を決める」ことである。

・どのようなケースでも、コンサルタントはクライアントの話に耳を傾け、問いかけ、クライアントから情報収集をする。

・そして、クライアントの思いや意図受け止めたうえで、本当に解くべき課題は何なのかを見極め、
 適切な解決策を提案するために、クライアントの現場から、様々なデータを集めること。



2)組織にあるデータの種類

・「定性データ」:数字化されておらず、言葉で表現されたデータ。
 「定量データ」:数字化されたデータ

・「一次情報」:コンサルタント自身が、直接的に収集してきたデータ
 「二次情報」:他の人が体験・経験したことで得られたデータ

・コンサルタントとして最も重視しなければならないのは、
 他者が集めた「二次情報」だけでなく、自分自身が現場で「一次情報」に当たる必要があること。
 


3)現場のデータ収集方法

・典型的な調査パターンは次のようなプロセスである。
 
 [1]聞き取り調査を行う(現場に出向き、関係者にインタビュー)
 [2]二次情報で裏付ける(社内にある資料や調査データを検証)
 [3]裏取りのために調査を行う(現場に対して独自調査を実施)
 [4]総括する(これまでのデータを比較・総括する)
 [5]課題設定する(解くべき課題を決める)
   
・極めて重要なのは「聞き取り調査」である。

・特に、「問題があるとされた人材」のみを調査対象にせず、
 問題があるとされた人材を取り巻くステークホルダー全員から聞き取り調査を行うこと。


 
4)「数字」と「物語」を揃える

・最も重視すべきことは「定性データ」と「定量データ」の両方を揃えておくことである。

・人を説得する上では、数字(定量)だけ、物語(定性)だけよりも、それらの両方が揃っているほうが有利だからである。


※参考・引用:
 『人材開発・組織開発コンサルティング 人と組織の「課題解決」入門』(中原淳/著)
 ステップ3 データを集める P246~P254
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。



■なるほど、、、。

まさに私が冒頭に
ある管理職の方から言われた、

「紀藤さんって、
 現場のこと知ってるんですか?」
 
と問われたのは、

きっと私が放つその言葉の端々が、
”現場のことを理解していない”ことが
伝わっていたのではないか、、、

と思います。

まずやるべきだったことは
現場の「一次情報」を集めにいくことだった、
と思わずにはいられません。




■現場のデータを収集せず、

”それっぽい介入”

をすることは可能ではあります。

ただそれは、実際に現場に
経営にインパクトをもたらすかと言うと、
やはりそうとは言えない、と思います。


現場の課題を正しく捉えていない施策は
やはり現場には刺さらず、
適用もされないものだと思うのです。

(自戒を込めて、、、です汗)



■「あなたは現場の事、知らないんですね」

そんな風に現場から信頼を失する
悲しきコンサルタントにならないために、

データを適切に収集し、
そして課題解決に繋げられるように
繋げていきたいもの。

改めて考えさせられます。



では、具体的にどのように
「データ収集」をすればよいのか

1)定性データ
2)定量データ の取得の方法

について、
続くパートで述べられておりますので、
そちらについては明日に続けたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

視野の狭い人は、我が身を処する道を誤るだけでなく、
人にも迷惑をかける。
松下幸之助
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【編集後記】
子供を連れて、夕方「青島」という海岸にドライブにいきました。
その動画を、祖父(96歳)のお見舞いがてら、介護施設に見せにいったら
喜んでいるように見えました。
子供のエネルギーは元気をもらえるものなのだろうな、と思いました。

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