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令和5年7月28日(第3443号)
「今と未来を語り合うと、何かが変わる」。組織開発のエッセンスはコレだ!
~『人材開発・組織開発コンサルティング』
第4章 組織開発の理論と実践 を読んで~
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 4854字/読了時間6分)
■おはようございます。紀藤です。
引き続き、宮崎にてワーケーション。
*
さて、早速本日のお話です。
今日も引き続き、
人材開発・組織開発の「日本初の教科書」である、
『人材開発・組織開発コンサルティング 人と組織の「課題解決」入門』
(中原淳/著)
https://amzn.asia/d/0Mkjxwt
を題材に、まとめと感想を
記述していきたいと思います。
(あと1週間くらいこのシリーズ、
ひたすら続けさせていただければと思います・・・!)
本日は
”第4章 組織開発の理論と実践”です。
それでは、早速まいりましょう!
タイトルは、
【「今と未来を語り合うと、何かが変わる」。組織開発のエッセンスはコレだ!
~『人材開発・組織開発コンサルティング』
第4章 組織開発の理論と実践を読んで~】
それでは、どうぞ。
■今から4年前、
私は「システムコーチング®」という
手法を学んでいました。
(また思い出話からでスミマセン)
正式名称は、
”Oraganizational Relationship Systemes Coaching”
(略してORSC)
といい、
CRRグローバルジャパンという
民間のトレーニング機関が実施をされていて
そこで扱う技法を100時間の実践を経て、
習得していくというものです。
(ちなみに余談ですがコースも、
いらっしゃるファカルティの方も、
とても素晴らしい方ばかりで、
内容もとても濃厚で、おすすめです)
■そして、
その習得コースの過程で
実践を通じていくつもの組織に関わらせていただいました。
その中では例えば、
・お互いの関係性に距離を感じていた
「上司と部下の信頼」を再発見するプロジェクト
とか
・新潟の歴史あるワイン工場における
新規事業推進のための再組織化プロジェクト
とか、
・鹿児島の医師のチームの皆様の
「チームのあり方」を探求するプロジェクト
のような実践を行いました。
(その他、
友人ご夫婦の関係を取り扱わせていただく、
というものもありましたし、
我が父と姉の関係を
デモでやらせてもらったこともありました。
→これは上手くいかなかった苦笑)
■実施の詳細内容については
以下のURLのリンクに譲りますが、
https://www.c-courage.co.jp/work/innovation/
https://www.c-courage.co.jp/work/iwanohara-vineyard/
https://www.c-courage.co.jp/work/oosumi-kanoya-hospital/
どの組織におけるプロセスも
”驚くほど成果が出た”
というのが率直な感想です。
■そして、どれも総じて
以下の3つのステップを踏みました。
「1)メンバー一人ひとりが
”今この状態の組織や関係”をどのように感じているのかを
アンケートや個別インタビューで確認する」
次に、
「2)アンケートやインタビュー内容を皆さんに開示しつつ、
”ぶっちゃけどう思ってます?”を対話する」
そして、最後が
「3)お互いの関係性、組織の理想の状態はどんな状態か?
これからどうしていきたいか?を共に語り合う」
というステップです。
■つまり、
やっていることとしては
ものすごくシンプルいいえば
「今どう思ってる?」
「これからどうしたい?」を
ぶっちゃけで話す、ということ。
この”ぶっちゃけ”というのが
なかなか曲者で、
・組織の中にあるランクが影響したり
(評価する上司や鬼軍曹には怖くていえない)
・成果が出ている人、そうでない人、
儲かっている部署、そうではない部署などの
主流派と周縁化された人の間の距離があったり
(あの人は、花形部門だし、と無意識に距離を感じる)
実は一筋縄では行かないのですが、
基本的には、上記のプロセス。
■そして、不思議なことに、
「今どう思ってる?
&これからどうしたい?」
を組織ぐるみで
本気で話すことができると、
一人ひとりの発言が変わったり、
日常の取り組み方が変わったり、
そして成果にも繋がったりして、
目まぐるしい変化が起きたのでした。
たとえば、
全社の売上に興味を示さなかった間接部門の方が、
自分たちから声をあげて
「売上を上げるために協力する」といいはじめた、
とか。
■こうした、取り組みが
「なぜそのような成果に繋がるのか?」
が、正直当時はよく
理解できていませんでした。
そういう風に実践して下さい、
という実践方法を踏襲していた、、
そんなイメージでした。
ただ、実践をする中で
”問題や課題を語り合い、
未来を語り合うと、何かが変わる”
ことは身にしみて感じていたのでした。
■、、、と、前置きが
(いつものごとく)
やたらと長くなってしまいましたが
今回ご紹介させていただく、
「第4章 組織開発の理論と実践」
は、まさに上記で扱ったような
組織へのアプローチである”組織開発”という手法の
理論と実践のエッセンスをまとめている章となります。
結論、組織開発の理論から見れば
「すべて種も仕掛けもあった」
という話です。
では一体、どのようなことが
書かれているのでしょうか?
早速みてまいりましょう。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【第4章 組織開発の理論と実践】
<1、組織開発とは何か?>
1)組織開発の定義
・最も有名な組織開発(Organizatin Development)の定義の一つ。
「計画的で、組織全体を対象にした、トップによって管理された、
組織の効果性と健全さの向上のための努力であり、行動科学の知識を用いて組織プロセスに計画的に介入することで実現される」
・組織開発の3ステップは「1、見える化」「2,ガチ対話」「3,未来づくり」である。
もう少し詳しく組織開発を言葉にすると、以下のようなプロセスからなる実践と捉えることができる。
{1}組織調査などの手段を用いて、組織の抱える課題を「見える化」し、
{2}「見える化」した課題に組織メンバー全員で向き合い、「対話」を重ね
{3}自分たちの組織のあり方を自ら決めていく実践
この3つのプロセスを通じて、意図的に「組織をWorkさせようと試みること」が組織開発である。
2)なぜ組織開発が必要なのか?
・組織開発が必要な理由=
「組織というのはメンバーが協力し合いながら、人数以上のパワーを発揮することは難しい」から。
・具体的には、『プロセス・ロス』と呼ばれる現象である。
これは、”複数人数が集まる組織・集団において生じる損失・非効率性”のことを表す。
すなわち、1+1+1=3ではなく、1+1+1=2.5などになってしまうこと。
これはコミュニケーション不全などで起こる。
・当然、目指すべきは『プロセス・ゲイン』である。
これは、”組織メンバーの中に生まれる相互支援や強みの相乗効果によって、組織メンバー総量以上の利益が生じる状態”である。
つまり、1+1+1=3以上、になること。
・しかしながら、人が集団になると「社会的手抜き」(=自分だけサボってもバレない)などの作用が起こりやすくなってしまう。
ゆえに、ここに”意図を持った組織をWorkさせる働きかけ”が必要になり、それが組織開発が必要な理由のひとつである、
3)組織開発のニーズの高まり
・組織開発のニーズが高まっているのは多様化、オンライン化などにより「遠心力(バラバラになろうとする力)」が高まっている。
・そのような状況下においては「求心力(組織の内側に向かう力)」が必要とされる。
組織開発は、組織の求心力を高めるための方法の一つと言える。
*
<2,組織開発の「見える化」の手法>
1)コンテントとプロセス
・組織開発における3ステップ(見える化→ガチ対話→未来づくり)において、ポイントとなることがある。
それが「コンテント」と「プロセス」である。
・「コンテント」=仕事・タスク・行動など「行動をなしていく中で、目に見えやすいもの(人の意識にのぼりやすいもの)
「プロセス」=人々のコミュニケーションの仕方、意思決定のされ方、役割分担のなされ方など、「仕事をしていく中で、目に見えないもの(人々の意識にのぼりにくいもの)」のこと。
・「コンテント」は氷山の上、「プロセス」は氷山の下というイメージ。
そして、目に見えないプロセスが、目に見えるコンテントを支えている。
すなわち、組織と課題の潜在的な要因としてプロセスにも目を向ける事が必要、とも言える。
2)組織調査による見える化
・それらの「プロセス」を見える化するための方法ほ一つが、「組織調査」である。例えば、各種サーベイを用いることである。
このサーベイを実施し、対話によるフィードバックを行うこと。
・ただし、組織調査はそれ自体が組織を変えるわけではない。
”調査の結果が現場にフィードバックされ、人々の対話を導いてこそ、組織をかえるリソースとなりえる”ことを留意すること。
3)組織の未来をあぶり出す見える化
・組織開発のもう一つの方法は「組織の未来をあぶり出す見える化」である。
職場のメンバー同士で未来を語ることからはじまる組織開発である
以下、代表的な組織開発の手法を紹介する。
{1}アプリシエイティブ・インクワイアリ(AI)
組織の欠点や弱み、解決すべき問題を見える化するのではなく、自分たちが気づいていないような「長所や強み」を「見える化」する手法。
具体的には、Discovery(強みの発見)、Dream(理想の状態)、Design(目指す状態の明確化)、Destiny(定着化)の4ステップで進められる。
{2}フューチャーサーチ
解決が困難な問題について、利害の異なる関係者が一堂に会し、対話することで会計構築を行いながら、
共に目指したい理想的な未来の姿を探求し、実現可能にするためのアクションプランに落とし込む2.5日のプロセス。
過去(過去を振り返り年表を作る)→現在(現状認識の共有、プラウド&ソーリー/誇りに思うこと・申し訳なく思うこと)
→未来(理想的な未来の姿を描き、望ましい状態をリスト化する)→アクションプランという流れである
{3}オープン・スペース・テクノロジー
参加者が自分の話したいことを話したい相手と話すことができる、主体的で自然な対話の場作りを目指して考案された話し合いの手法。
参加者があつまり、どんな事を話したいのか議題を決めるところから始まる。議題の提案者が議題を出し合い、参加者は話したいところに参加をする。
セッションに参加した内容を全体で共有し、アクションプランを話し合う。
{4}ワールド・カフェ
グループメンバーをシャッフルしながら何度も対話の機会を持つことで、少人数で話しやすい雰囲気で対話を行うことができる。
同時に、多くの人の意見を取り入れ、その場全員で話し合うような効果を得ることができる。
*
<3,人材開発と組織開発は「車の両輪」である>
・第3章では人材開発、第4章では組織開発を取り扱っているが、どちらも「共通点」がある。以下、3つあげる
・ その1、人材開発も組織開発も、「経営・現場にインパクトを与える」ために行われる働きかけであること
その2,人材開発も組織開発も、「人々の学習」というメカニズムに働きかけ、組織が掲げる目標や戦略への同期(アライン)を成し遂げること
その3,人材開発も組織開発も、重要なことは「対話をすること」である。
・どちらも車の両輪のようなもの。よき人材開発は組織開発とともにあり、よき組織開発は人材開発と共にある。
※参考・引用:
『人材開発・組織開発コンサルティング 人と組織の「課題解決」入門』(中原淳/著)
P134~P162
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
■なるほど、、、。
こうした組織開発の理論と実践に照らし合わせると
私が学びながらやっていた上述の方法は
まさに、組織開発の3ステップ
1)見える化
2)ガチ対話
3)未来づくり
というものであったことに気づきます。
また組織開発の
これまで研究されてきた要素を抑えた実践で
合ったことに気づき、
「こういった手法も、
ここまで科学されているのか・・・」
と
本章についてより詳しく語っている書籍
『組織開発の探求』(著/中原淳、中村和彦)を読みつつ
大変驚いたことを思い出しました。
■もちろん、上記の内容は、
大きな流れになりますので
より詳しい進め方について理解しなければ、
せっかくの組織開発も機能しないでしょう。
では、具体的にどのようなポイントを留意しながら、
この組織開発、あるいは人材開発を
進めていけばよいのか、、、
このことについては、次章
「第5章 人と組織の課題解決の7つのステップ」
にて詳しく書かれておりますので、
明日以降に繋げていきたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
伝えるのではなく、語り合い、話し合うのです。
伝達するということは、常になにかを押しつけることです。
しかし会話の中では、押しつけられるものはなにもない。
ジョン・ケージ
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【編集後記】
最近、家族で「Youtubeの痩せるダンス」を皆で踊っております。
子供が絶叫して喜ぶことと、良い運動になるので、
走れない日などは、今後も続けたいな、と思いました。
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