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令和5年7月23日(第3438号)
今週の一冊『BORN TO RUN ー走るために生まれたー ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族"』
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3483字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
週末は、ストレングス・ファインダー研修の実施でした。
また、みちのく津軽ジャーニーラン(263km)の
体験記を書きしたためてきておりますが、
次回、最終回の前に、
『今週の一冊』として、
”ランニングに関するバイブル的な一冊”
と言われるものを、
ご紹介させていただければと思います。
それでは早速参りましょう!
今週の一冊は
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『BORN TO RUN ー走るために生まれたー
ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族"』
クリストファー・マクドゥーガル (著), 近藤 隆文 (翻訳)
https://amzn.asia/d/eGD2x1E
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それでは、どうぞ。
■以前から、
疑問に思っていたことがありました。
それは100kmマラソンでも、
たまにその長い道を
(しかもコンクリートなのに)、
ペラッペラのサンダルで
あるいは完全な裸足(!)で
走る人がいることを。
しかも、、、速い。
今回の263kmマラソンでも、
サンダルで参加している選手は
やっぱりいました。
■うーん、謎。。。
不思議すぎる。
なぜ、裸足で又はサンダルで走るのか?
クッションが無いから疲れるじゃん、、、
足痛いじゃん、、、。
ということでサンダルで走る人に
その理由を聞いてみると、
「自分の足で走っている
感じがして気持ちいいから」
だそう。
そう、ランニングをしていると
しばしば
”5本指のシューズ(ビブラムファイブフィンガー)”や
”ワラーチ(ランニングサンダル)”
というシューズ(?)で走る人が
一定数いるのです。
それは、ランニングシューズの
高機能化の背景で、
もう一つ進んできた流れの一つでもありました。
■そんな
裸足や、ランニングサンダルの
火付け役となった本、それが今回ご紹介の、
『Born to Run』です。
ランニング界のバイブル的な一冊、
とも言われている名著。
レビューを見ると、
「読んだら走りたくなった!」
というコメントが並びます。
(そして実際そうです)
■本書が取り上げているテーマは
そのまま、”走ること”です。
とりわけ、
「ウルトラマラソン」
(=42kmを超えるマラソン)
に焦点を当てています。
この本では3つの大きな物語が
絡み合いながらストーリーが進んでいきます。
まず、1つ目は、
『タラウマラ族との出会い編』
です。
著者のクリストファー・マクドゥーガルが
「自分自身の足は、走るとなぜ痛むのか?」を
探求して行く中で、
メキシコ北西部に住む、
アメリカ先住民の「タラウマラ族」に出会います。
彼らは険しい山の中に住み、
走ることを日常としています。
彼らは、
「人類最強の走る民族」
とも呼ばれています。
岩や砂だらけの急斜面を、
独自のゴム底に紐を通して
足に巻きつけただだけのサンダル「ワラチ」で、
男性も女性も、60歳の方も、
日常的に50km、80kmと走ります。
人によっては500km以上を数日で走る人もいます。
そんな生活をしている彼らは
生活習慣病とも言われる、心臓病や糖尿病などがありません。
そんなタラウマラ族に
その彼らの生活、風俗を理解し、
そして有名なウルトラマラソンの大会、
「レッドヴィル」
に出場してもらう、というお話です。
■そして、2つ目の物語は、
『人類の歴史と走ることのつながり、
ランニングシューズと走力の関係』
について。
論文や、ランニングコーチ、
運動生理学の博士と、ランニングの歴史を
縦横無尽に絡めながら語ります。
例えばこのような話がありました。
・人は元々長い距離を走るようにできている。
洞窟で絵を描くはるか前から、
狩猟、移動と、人は生きるために走り、
走らなければ生きていけなかった。
・人の足を運動生理学として見ると、
その機能は「走るため」に作られていることがわかる。
・人とチンパンジーのDNAは似ているが、
チンパンジーは扁平足であり、アキレス腱は発達していない。
人間は、土踏まずがあり、アキレス腱そして、お尻の筋肉が発達している。
これは二足歩行で走るために特化しているとも言える。
・また、体重をかけるほど、足のアーチ構造は
安定感を増すような芸術的な構造になっており、
足の構造はそのままで走ることが可能になっている。
・走ることは太古の祖先から
遺伝子に組み込まれてきた宿命である。
われわれは走るために生まれているのだ。
・しかし、「走ること」=「ビジネス」を
結びつけて、シューズがビジネスになった瞬間から
物事が変わった。
・現在われわれを苦しめる足や膝の怪我の多くは、
じつは靴を履いて走ることに原因がある。
靴は我々の足を弱くし、オーバープロネーション(踵が内側に傾むくこと)を招き、
膝に問題を生じさせる。
・1972年にナイキが現代的なシューズを発明するまで、
人は極めて薄い底の靴を履いて走っていたが、
彼らの足は強く、膝の負傷率は遥かに低かった。
・シューズのサポート機能をどんどん増やすことで、
われわれは足を自然な状態から遠ざけてきた。
・ランナーがトレーニングの一環として
トラックを裸足で走るように徹底すると、
ランナーは走るのが早くなり、怪我が減ることがわかった。
、、、などなど。
つまり、
・「人の足は走るようにできている」
・「高価なランニングシューズを履くほど、
人の足は機能に頼り、弱くなる」
ということを、
多くの論文の研究
ランニングのコーチ、博士のインタビューなどを引用しつつ
述べていきます。
そして、そのことは
先述の「タラウマラ族」が、
サンダルだけど高速で走ること、
ランニング選手の裸足のトレーニングが
足を鍛えることになること、
老若男女、普通に皆走ること。
そして現代の生活習慣病と
言われるものがないことなどから
上記の事実を証明している、
と述べていきます。
(私も薄底の靴で走ったほうが
足が鍛えられる感じがしました)
■そして最後が
『ウルトラトレイルマラソン・レース編』
です。
頁数として432頁という大著で、
途中様々な人物が出てきます。
それは、
・タラウマラ族の最強ランナーから、
・アメリカ人屈指のウルトラランナーなど
個性的な7名の人物です。
そして彼らが、レッドヴィルレースにて
戦いを繰り広げるシーンが描かれていきます。
前半の色々な物語が
最後に一つに収束されていく、
そんな展開になっています。
■この本を読みつつ、
私もランニングをする人物の一人として
体験から共感することが
実に多いものでした。
特に
「人は走るためにできている」
というのは、なんとなく思っている感覚を
言葉にしてもらった気がしました。
私もこれまで幾度となく
100kmマラソン等に参加する中で、
不思議に思っていたことがあります。
ウルトラレースというのは、
50代以上の人がより多く、
しかも年齢を重ねるほどに
より速く、より長く、より強くなることに
他のスポーツとは違うものを感じていました。
多くのスポーツでは
瞬発力、筋力など、
年齢と能力が比例する側面が多いもの。
しかし、長距離ランニングだけは
そうではないのです。
ゆえに、
”長距離ランニングは
スポーツではなく人間に備わった機能”
なのではないか、、、と
感じてしまうのでした。
そのこと本書はわかりやすく、
具体的なエピソードと事実をもとに
表現してくれたように感じました。
■走ることと、体の関係。
走ることと、生きること。
私たちが生きる中で忘れてしまいがちな
「走る」という行為の大切さを、
本書は教えてくれるように思います。
以下、本書の紹介です。
(ここから)
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全米20万人の走りを変えた、
ニューヨークタイムズ・ベストセラー
この冒険は、たったひとつの疑問からはじまった。
「どうして私の足は走ると痛むのか?」
その答えを探すなかでクリストファー・マクドゥーガルは
世界でもっとも偉大な長距離ランナー、タラウマラ族に行きつく。
その過程でわかったこと──
わたしたちがランニングについて知っていることはどれもすべてまちがいだ──
メキシコの秘境を彷徨う謎の白馬、
現代社会と隔絶して暮らす“走る民族”、
素足で峡谷を走り抜けるベアフット・ランナー、
数時間走り続けて獲物を狩る現代のランニングマン、
過酷な地形を24時間走り続けるウルトラランナーたち、
そして、世界が見逃した史上最高のウルトラレース……
ニューヨーク・タイムズで32週連続ランクイン中!
amazon.com ユーザー評価で297人が5つ星をつけた、
「読めば走りたくなる」と話題の
ロングラン・ベストセラー、遂に邦訳!
No Running, No Life!
※Amazon本の紹介より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)
やっぱり、ランニングはいいよなあ。。。
私も、ワラーチ(ランニングサンダル)
自分用のものをDIYで作りたくなりました。
これからはトレイルランニングにも
挑戦してみたいな、と思いました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『BORN TO RUN ー走るために生まれたー
ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族"』
クリストファー・マクドゥーガル (著), 近藤 隆文 (翻訳)
https://amzn.asia/d/eGD2x1E
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【編集後記】
大会から6日経ちました。
左足首の痛みがやや残っていますが
その他は、体重なども含めてほぼ全回復です。
昨日は5kmのランニングをしました。
ちょっと体が重い感じもしました。
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