配信日時 2023/06/29 12:24

「組織における強みの活用」の全体マップはコレだ! ー最新論文からの知見(その1)ー【カレッジサプリ】

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令和5年6月29日(第3414号)


「組織における強みの活用」の全体マップはコレだ!
 ー最新論文からの知見(その1)ー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2305字/読了時間4分)


■こんにちは。紀藤です。

さて、本日のお話です。

引き続き、本日も
「強みの活用」をテーマに
論文のご紹介ができればと思います。

(しつこいようで恐縮ですが
 ガンガン掘り下げさせていただきます・・・! )

です。


さて、最初にお伝えすると、
今日の論文は、非常にアツいです。

内容は、

”組織の文脈において
 「強みの活用」がどういう影響を与えるのか
 網羅的に考察した最新論文”
 
とでもいいましょうか。


新しい論文だけあって、
様々な研究者の語られてきた内容をまとめた
「総集編感あふれる論文」で、
私も大変勉強になりました。


、、、ということで、冒頭から
少し長くなりそうな予感満載なので
何回かに分けてじっくりと学びの共有を
させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、



【「組織における強みの活用」の全体マップはコレだ!
 ー最新論文からの知見(その1)ー】



それでは、どうぞ。



■いやー、来ました。

前から探していた
「組織」✕「強みの活用」に関する論文。

私がかつて見てきた内容を
まとめて伝えてくれるような論文。

(そんなに大して読んでるわけじゃないので
 全く偉そうにいえないのですが、、、汗)


さて、そんな論文のタイトルは


『組織における強みの活用の考察:マルチレベルの構成要素として』

※原題:
Woerkom, Marianne van, Maria Christina Meyers, and Arnold B. Bakker. (2022).
”Considering Strengths Use in Organizations as a Multilevel Construct.”
Human Resource Management Review 32 (3): 100767.


です。



■余談ですが、
「強み」に関連する論文は

"アメリカ・ポジティブ心理学会"
(American Psychologicak association)

で見つかる事が多いです。

理由は「強み」はポジティブ心理学の文脈から始まり、
また個人の変化として捉えられることが多いからかと。


一方、今回の論文は、

”人的資源管理レビュー”
(Human Resource Management Review)

とのことで、
組織よりのワーディング(人的資源)があり
より組織の文脈で語られていることで
勝手に期待が膨らんでおりました。

(そんなに学会のことを知らないので
 すみません、名前からの想像でございます・・・)



■さて、この論文では
一体どのようなことが書かれているのか?


それを理解する上で
全体の構成を見てみたいと思います。

こんな内容となっております。


(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<論文『組織における強みの活用の考察:マルチレベルの構成要素として』>


1,はじめに

2,組織における強みと個人の強みの活用

3,個人の強みをチームで活かす:集団的強みの活用に向けて
 3.1 強みの認識
 3.2 強みの信頼性
 3.3 強みの強調性
 
4,個人の強みと集団的強みの活用の関係

5,集団的強みの活用が生まれる背景要因
 5.1 強みに基づく風土
 5.2 強みの多様性
 
6,集団的強みの活用によるチームレベルの成果

7,トランザクティブ・ストレングス・システムがもたらす個人レベルの成果

8、境界条件

9,ディスカッション
 9.1 実践的な意味合い
 9.2 結論

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。



■、、、はい、

章だけではよくわかりません(汗)


なので「1,はじめに」より
本論文の目的で語られている内容を
短くまとめてみました。

いわく、本論文の目的は、
このような話です。

**

1,「組織における強みの活用」をより深く理解する

2,「チームが個々のメンバーの強みをどのように活用しているか」を調査する

3,「トランザクショナルメモリー理論」(=チームの誰が何を知っているかを理解する)を活用した
  強みの認識・信頼・調整を行うことによるチームのパフォーマンス向上の可能性をみる
  
**

とのこと。


ふむ、なるほど。
でも、まだまだめちゃ幅広です。。。


よって、私の感想も踏まえて
半ば強引にコンパクトにすると、


”組織における強みの活用について、
 代表的な理論を用いながら
 その影響の全体像を構成してみよう!”


という論文であろうかと、と思います。



■実際に読み進めてみると、

実に多くの理論、論文が引用・
参考にされていることに気づきます。


そして、

『組織における強みの活用の全体マップ』

として表してみると、
以下のような形であるそうです。

(このモデルがポイントです)

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<モデル「集団的強みの活用の先行要因と結果」>

(先行要因)
「強みの多様性」
「強みに基づく風土」
 ↓
 
「個人の強みの活用」
「チームでの強みの活用(強みの認識・信頼・協力)」 ←「タスクの複雑性」が調整
 ↓

(一次的成果) 
「個人のワークエンゲージメント」
「チームのワークエンゲージエント」
「チーム学習」
 ↓
 
(二次的成果)
「個人のパフォーマンス」
「個人のパフォーマンス」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

という内容です。



■メルマガなので
図としてお見せできないのが残念。


ですが、
上記の先行変数と成果変数の流れを見ても、
色々な疑問が湧いてきそうです。

たとえば、


・「強みの多様性」って、そもそもなんだ?

・「強みに基づく風土」ってなんだ?

・そもそも風土って、成果に影響するの?

・「強みの活用」ってどう測るの?

・「チームでの強みの活用」の定義とは?
 個人での活用とどう違うの?
 ってか、どう測るの?

、、、などなど。

いくつもの疑問が浮かんできます。



■しかし、この論文の
素晴らしいところは、

上記の問いのそれぞれについて、

”背景理論や先行研究を抑えた上で
 シンプルかつ端的に答えている”
 
ところ。


ゆえに、一つ一つの話が
たいへん説得力を持っています。



■と、抽象的な話ばかりで
なんとも掴みづらいのですが、

具体的に一体どんな内容なのか?

について、1章以降を
順に紐解いて行きたいと思います。、


、、、が、長くなってしまいましたので
明日に続けたいと思います。


それではまた明日!

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

効果だと?影響だと?役に立つかだと?
人間は自分のなすべきことをなせばよいのだ。
仕事の成果は、自分以外の人が気にかけることだ。

トーマス・カーライル
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【編集後記】
*津軽みちのくジャーニーラン(263km)まで:あと18日
*6月の走行距離:180km
*開脚ストレッチと体幹トレ:連続10日目

昨日は名古屋に出張でした。
改めて東京→名古屋の距離が260kmとのことで
約3週間後、この距離を走るんだなあ、、、と
ぼんやり考えてしまいました。

うなぎパイ食べすぎて体重が増加気味なので、
またランニングをして落とさねば、、。


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