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令和5年6月12日(第3397号)
飛騨高山ウルトラマラソン体験記 ー走ることで得られることー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3053字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は朝から終日、
今年2回目の100kmマラソン、
「飛騨高山ウルトラマラソン」
への参加でした。
結論、とても素晴らしい大会で
参加してよかったなあ、
としみじみ感じております。
(全身痛いですが、、、)
ということで、本日は
大会に参加しての感想を、
心の赴くままに記してみたいと思います。
それではまいりましょう!
タイトルは
【飛騨高山ウルトラマラソン体験記 ー走ることで得られることー】
それでは、どうぞ。
■2023年、今年は、
私(紀藤)のマラソン人生で
忘れられない1年になりそうです。
、、、というのも、
生まれて初めての経験が
盛りだくさんであるから。
5月:野辺山ウルトラマラソン(100km)
6月:飛騨高山ウルトラマラソ(100km)
そして、最後には、
7月:津軽みちのくジャーニーラン(263km)
という長すぎるのか、
謎すぎるのか、もはやよくわからない
ランニングイベントがあります。
■きっと今年は
走ることを通じて
まだ見ぬ世界を見ることができるに
違いない、、、
そんな期待と不安が入り混じった
昨今を過ごしておりました。
■そして、今回の
「飛騨高山ウルトラマラソン」。
さるぼぼ、飛騨牛、
飛騨の家具、
そして古い町並みなどで有名な
岐阜屈指の観光地です。
大会前日には
ランナーもさることながら
外国人の観光客だらけでした。
確かに、この古い町並みは
日本の魅力を感じさせてくれる気がします。
■そんな観光地としての
飛騨高山ですが、
野辺山ウルトラマラソン同様、
飛騨高山ウルトラマラソンも
「山」
というキーワードが出てくるように、
なんだか厳しそうな匂いがします。
飛ぶ、高い、山、、、
ランナー目線で見ると
どれもきつそうな響きが満載な地名です。。
実際にこのコースも
高低差が多くアップダウンが多いことでも
有名なレースだそうです。
■調べてみると
国内にあるウルトラマラソンは
合計150程あるのですが、
その中の主要な大会で
難易度を比較したサイトがありました。
それによると、
「ウルトラマラソン大会難易度ランキング」
によると、
2位:野辺山ウルトラマラソン
6位:飛騨高山ウルトラマラソン
(26大会中)
そして、
「ウルトラマラソン大会「逆」難易度ランキング」
というサイトでは
3位:野辺山ウルトラマラソン
6位:飛騨高山ウルトラマラソン
(25大会中)
と記されていました。
5月に走った
野辺山もキツかったですが、
飛騨高山もやっぱりしんどく
”どっちもしんどいレースである”
というのは間違いないようす。
■、、、と前置きが
長くなってしまいましたが、
そんな国内屈指のありがたきレースに
参加をしておもうこと、それは
結論からすると、
「やっぱりめちゃしんどい」
という率直な感想です。
ただし、
それだけだと何の深みもないので、
もう少し時系列も含めて
どんな1日だったのかを振り返って
みたいと思います。
■まず当日のスタート。
朝4時から、降水確率90%で
終日、雨の予報でした。
予報通り、ガッツリ雨です(汗)
長距離のランニングでは
100kmだと最長14時間と走り続けます。
特に雨の日は、
・濡れた脚により、
脚が擦れてマメができる、
・体温が奪われることにより
疲れが溜まりやすくなる、
・体が濡れて全身が重たくなる、
、、、などの影響があります。
初めてのガッツリの雨での
ウルトラマラソンは、
不安がないといえば嘘になります。
加えて、
3週間前のレースの疲労も
どうやら抜けきれていない体調でした。
■しかし、レースは始まります。
始まってしまえば
そこには美しい飛騨高山の
「古い町並み」が続きます。
それはとても美しく、
かつ町ぐるみで応援してくれることが
肌で感じられます。
早朝5時前のスタートにも関わらず、
たくさんの人が外に出て、
傘を差しながら応援してくれます。
「言ってらっしゃい!
アナタの走る姿が勇気をくれます!」
「祈!完走!頑張れ!!」
などメッセージが書かれており
いやはや、なんともありがたいなあ、、、
と思えます。
■そして手元には、
「ペースマネジメント表」
を首からぶら下げます。
もはやこれなしに
ウルトラマラソンはありえない、、、
というくらいのアイテム。
”100kmを1kmごとに区切り
それぞれの区間で何分何秒で走るのか
目安を書いた紙”
です。
■100kmを走るとき、
何よりもしんどいのが、
「見通しがたたず、
希望が持てないこと」
なのです。
たとえば、登り坂が続くとき。
頭の中にはしんどさと
痛みが占めてきます。
(この登り坂は、
一体いつまで続くのだろうか)
(この平坦な未知は、
一体どこまで続くのだろうか)
(もう動きたくない、、、)
希望がないと
そうした気持ちに負けてしまいそうになる。
■しかし、逆に言えば、
「あと1kmで山頂、登りは終わり」
「あと2kmでエイド(給水所)」
と”ささやかな希望が持てる”と、
そこまでなんとか頑張ろう、
と思えるのです。
希望とは、
目の前の小さなゴールなのです。
■100kmマラソンは長いです。
しかしその長い旅路も
結局やることは
瞬間瞬間の繰り返しでしかありません。
まずこの山を登りきろう
この下り坂は
脚を使いすぎないように
ちょっとずつ走ろう、、、
80km地点で体がボロボロになって
脚も痛くなって、
飲んでいたロキソニン(痛み止め)も
効果を発揮しなくなった時でも、
「82.4kmの給水所までがんばろう」
そこまでいったら
「87.7kmの給水所までがんばろう。
ペースは6分30秒で粘ろう」
そんな風に、
”目の前の小さなゴール”
という希望を見失わなければ、
脚を動かし続けることができるのです。
■そうして一歩一歩、
コツコツと脚を動かし続けて
あと50km,あと40km,、あと30km
15km、あと10kmと刻んでいく。
ウルトラマラソンのレースは
そうした思考と行動の積み重ねである、
何度走っても、
結局そのことに気付かされるのでした。
■レースを走りながら感じることは、
それだけではありません。
たとえば
『応援をしてくれる人の存在』
もそうです。
エイド(給水所)も、
ただそこに無人の給水機と
ポカリスエットが置かれていても、
そこまで元気は出ないのだと思います。
地元の人が、
「頑張ってください。
あとちょっとです!」
「お疲れ様です、
休んで言ってくださいね」
と温かいコメントと、
そしてささやかな気遣い、
(バウムクーヘンの袋を破いてくれるとか)
があることで、そしてそこに
ありがとうございます、と感謝の言葉を
交わすことだけで、
ちょっとだけエネルギーが貰えて、
そしてその頂いたエネルギーで
脚を前に動かすことができるようになるもの。
■そして、普段は
なかなか自分を認められず
皮肉めいた感情を
どこか拭いきれない自分も、
このウルトラマラソンの走っているときは、
その汗と、辛さと引き換えに、
抑圧された感情が昇華され、
純粋な感謝と、世界の美しさを
感じることができるような気もするのです。
■そんなこんなで
今回も90km地点からの
ZARDの『負けないで』も
毎度のことながら泣けました。
こうした町の人と、
走るという行為を通じた
感謝の交換をしあえること、
ゴールで待っている子供を
抱っこをしながらゴールをしてみたい
という、
やってみたかった場面を実現しつつ
100kmの旅路を終えたのでした。
タイムは11時間46分でした。
(制限時間14時間)
■ランニングを含めた
スポーツには、力があります。
それは利害ではなく、
一人ひとりの
純粋な挑戦があるからだと思います。
そしてその純粋な挑戦を囲む
応援や感謝があります。
それはスポーツが持つ
大いなる力だと思うし、
自分自身に向き合う、
とても素晴らしい機会であるし、
大げさなようですが、
人生や世界の美しさを
体感できるチャンスのように思います。
改めて、レースに関わる
多くの方に感謝をしたいと思った日でした。
1ヶ月後は、いよいよ
今年最大のランニングの挑戦。
気を引き締めて、挑みたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
今日誰かが木陰で休み事ができるのは、
遠い昔、誰かが木を植えてくれたからなのです。
ウォーレン・バフェット
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【編集後記】
津軽みちのくジャーニーラン(263km)まで、あと34日
ランニングウェアが擦れて
脚が傷だらけになってしまいました。。。
小さな衝撃でも繰り返すとやはり大きなインパクトになります。
というか、お風呂がしみる(涙)
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