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令和5年5月29日(第3382号)
対立を生み出す「人間関係におけるパワーとランク」
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2315字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日日曜日は、友人家族と
沖縄総合運動公園(無料)へ。
*
さて、本日のお話です。
昨日、書籍のご紹介で
『対立の炎にとどまる』
(アーノルド・ミンデル/著)
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4506062/
のお話をさせていただきました。
キーワードは「対立」ですが、
その本の中で対立を引き起こす
”人間関係におけるパワー(ランク)”
というお話が興味深く、
また現実社会でも役立つ考えのように
感じたのでした。
今日はこのお話について、
著書の内容を引用させていただきつつ、
学びの共有をさせていただければと思います。
それでは、早速まいりましょう!
タイトルは、
【対立を生み出す「人間関係におけるパワーとランク」】
それでは、どうぞ。
■「対立」というのは、
やっかいなものです。
しかし、時にどうしても
対立は生まれてしまうことも。
そんなとき、
対立にいかに対処するかも
社会で生きる上で有用と思われます。
そしてそのためには
「対立が生み出される原因を
知っておく」
ことが役立ちます。
■それでは
「対立を生み出す原因」には
どのようなことがあるのでしょうか?
例えば、
以下のようなことが挙げられます。
*
1)「価値観・信念の違い」。
・自分が持っている意見が強く、
他者の視点を理解できない場合、
対立が生まれたりもします。
そして、
2)「リソースの限定性」もあります。
・時間や物的資源などが足りず、
それを奪い合う時に、対立が生まれます。
(夫婦の子育て問題、部門間の人的資源の奪い合いなど
もその例かもしれません)
またその他にも、
3)「コミュニケーションの不備」
・言葉の違い、文化的理解の不足、意図の誤解など
4)「恐怖や不安」
・自分の立場、権利が脅かされることに対する恐れが
防衛的な行動となり、対立になる
などもあります。
■そして、その中で
特に影響があるものの一つに
『5)人間関係のパワー』
があります。
社会的、経済的、政治的なパワーがあると
主流派と非主流派が生まれます。
そうすると、主流派の声は聞かれて
意見に反映されるものの、
非主流派側の意見は、
抑圧されることが多く、
それらが自己主張という形で表出し
「対立」へと繋がることがある、
いうものです。
抑えられた声は、
怒りや復讐(積極性の欠如)などの形をとって
現れることがある、、、
なんとなくわかります。
■そして、この
「パワーの不均衡」が生まれる要素として、
以下のような
『ランク』
がある、と
上述の著書にて挙げられており、
その内容が興味深いものでした。
以下、引用いたします。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<多くの文化で対立の要因となる「ランク」>
◯肌の色・・・
・西洋では普通、白い肌が良いとされる。
◯経済階級・・・
・金持ちのほうが良く、路上生活者の人々は、
最もランクが低いとされる。
◯ジェンダー・・・
・男性は一般的に女性よりも社会的ランクが高いとされる。
◯性的指向・・・
・主流派の多くは、異性愛者は信頼に値し、
同性愛者はそうではないと考えている。
◯教育・・・
・高い教育を受けたものが優れているとされる。
◯宗教・・・
・どの国でも、宗教や宗派の序列がある。
◯年齢・・・
・アメリカでは、若さに価値が置かれ、
中高年が一番リーダーシップをとる。
子供や老人は無視されやすい。
◯専門知識・・・
・西洋では、高齢であることは知識や専門知識を持つことを意味しない。
ある分野において、重要な地位にある人が、専門知識を持つとされる。
◯職業・・・
・高い教育や頭脳を必要とする仕事には、
一般的に高い地位が与えられる。
◯健康・・・
・障害がなく強壮な肉体を持つ人のランクが最も高い。
◯心理状態・・・
・西洋文化の多くでは、感情的でない人、
つまり「バランスのとれた」「度を越さない」人が最も好まれる。
◯スピリチュアリティ・・・
・一般的に、客観的で落ち着いた人は、
一時の激情に流されやすい人を見下すことが許容されているように思われる。
※アーノルド・ミンデル『対立の炎にとどまる』(2023) P.99-101
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■なるほど。
上記は西洋の文化を中心に
想定されているものの、
経済階級、教育、職業、他
などは、
もちろん日本でも想像しやすく、
そのランクは確かに存在している感覚を持ちます。
(個人的に興味深いのが
「スピリチュアリティ」です。
”悟ったような落ち着いた態度”が
実は相手にとってのパワーになりえる、
というのも考えさせられます。
「私はこんなに考えているのに、
なんでアナタはそんなに悟ったように
冷静でいられるのか?」
が相手とのパワーの不均衡になり
対立にもなり得るというのは、
確かに興味深いところだな、、、と感じました)
と感じました。
■このパワーと対立のお話から
心に留めおきたいと思うことは、
『パワーを持っている当人は
その力に対して無自覚な事が多い』
ということです。
社内の権威などはわかりやすいですが、
その他でも
上記で述べられた、
教育、ジェンダー、性的指向
階級意識、年齢、、、
など言ってしまえば、
ありとあらゆるものが力を持ってしまう
と考えると、
あらゆるところに
パワーの不均衡が生まれ得る、
と言えるのでしょう。
■その力が生ずるのは
仕方がないことではあるものの、
「そうした力が
自他にあることを
理解しているかどうか」
という
グループダイナミクス(集団力学)の知見は、
組織を作るとき、
望ましい人間関係を築く上でも
大切な観点であろう、、、
そんなことを思ったのでした。
■家族も然り、
企業の中でも然り。
自身が無自覚なことを
マネージすることはできません。
ゆえに、
こうした「パワー」の存在に
まずは自覚的でありたいものだ、
そんなことを感じた次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
新しい集団に入ったら、
その集団の気風をよく見極めて、
自分をそれに合わせる。
ニュートン
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【編集後記】
飛騨高山ウルトラマラソンまであと13日。
(5月の走行距離150キロ)
週末に沖縄の家のお隣さんにご挨拶にいったら、
お返しにパッションフルーツをもらいました。
また車の電気をつけっぱなしにしていたら
他の住人の方が教えてくれて実にありがたい、、、と
思ったのでした。
来たばかりだとあらゆるものが新鮮に
良いところばかりに見えるバイアスがあるのでしょうが、
それでも温かい人が近隣の人で良かったなあ、と思った週末でした。
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