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令和5年5月11日(第3365号)
「コーチングっぽい話し方」が逆効果になるとき
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2078字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は某企業の幹部の皆様への
ストレングス・ファインダー研修の実施でした。
10年来のお付き合いとなった会社様ですが
こうしたご縁が続いていることが本当にありがたいなあ、
と感じた1日でした。
(改めて、ご参加頂きました皆様、
ありがとうございました!)
*
さて、本日のお話です。
先日、大学院のコーチングの授業に
アシスタントとしてサポートさせていただく機会がありました
その際に、
私もコーチングのロープレに
参加者として参加をしたのですが、
「コーチングっぽい話し方は
注意が必要だな・・・」
と反省することがありました。
今日はそのお話について、
思うことのご共有させていただければと思います。
それでは、まいりましょう!
タイトルは
【 「コーチングっぽい話し方」が逆効果になるとき 】
それでは、どうぞ。
■コーチングのロープレの振り返りにて。
こんな感想を
口にされる方がいました。
「話したことについて
毎回オウム返しされるのって
苦手なんですよね」
、、、と。
有名な傾聴の技法として
・あいづち
・くりかえし(オウム返し)
・要約・言い換え
などが知られています。
■いずれも大事な聞き方で、
その効果も証明されています。
例えば、
・相手の話に対して
”言葉でも仕草でもリアクション”をする。
(例:うなづき、あいづち(うん、うん)など)
あるいは、
・”相手が言ったことを繰り返す”。
(例:腹が立ったんです→腹が立ったんですね)
また、もう少しレベルをあげて
・”相手の言った話を要約してまとめる”
(例:つまり、XXXということですね)
などなど。
聞き上手な人がやっている聞き方で、
直感的に聞いてくれている感じがでるので、
相手の話は引き出しやすくなります。
とても、便利です。
■あるいは、
ちょっと上級になった
コーチング的な質問には、
「お話してみていかがですか?」
(=振り返りを促す)
「今何を感じていますか?」
(=感情を問う)
「体でいうと、どの部分にどんな感じがありますか?」
(=体感覚を問う)
などの技法もあります。
これらの技法は、
適切に使うととても気づきが得られ
パワフルであるものも多いです。
ゆえに、コーチングスクールの練習では
これらの質問も頻繁に登場します。
■、、、一方、これらの技法は
注意が必要とも思うのです。
まず1つ目のリスクしては
『わざとらしく見える』
という話。
例えばこれまで上司が、
そういう聞き方じゃなかったのに、
「(悲しいです)悲しいんだね」
「(うまくいかないんです)うまくいかないんだね」
「(頑張ったと思います)頑張ったと思ったんだね」
と繰り返しまくったりすると、
「この人、こういう風に聞けって
研修でいわれたんだな・・・」
と感じてしまい、
冷めてしまう可能性があります。
(あー、繰り返しやってるやってる、
それ前、本で読んだやつだ、、、みたいな)
■そして2つ目のリスクですが、
『コーチングっぽい聞き方が
壁を作ってしまうことがある』
のでは、ということ。
これは私の感覚も含めた意見ですが、
「ここまで話をしてどうか?」
「何を感じているか?」
という、コーチングを学んだ人同士だから伝わる
抽象的な問いを、そのまま投げてしまうと、
コーチングスクールで学んだ人の間であれば
その意図も含めて伝わるとしても、
まったくの初めての人
(職場で部下に使うときなど)では違和感に繋がり、
質問の意図が伝わらず、効果を発揮できない、、、
ということがあるのでは
と感じるのです。
■もちろん
「あいづち、繰り返し、言い換え」
などの基本的な技法については、
ある程度練習をして、
自然に使えるようになったほうが
人と働く上で良いでしょう。
ただし、
”技法が優先しすぎる”と
「自分の話を聞いてくれている」
という感覚がクライアントの中に芽生えるというより
「コーチングっぽい話し方をする人だ」
という違和感を覚え、
気になって集中できないという人もいると思いますし、
そうすると目的の達成が
手段に振り回されることになっている、
とも思われます。
■「使う言葉」は
自分と相手に、特有の関係を生みます。
自然な感じで話をするのではなく、
ちょっと普段使わない喋り方をすると
そこに心理的な分断が生まれるかもしれず
それは文脈によっては
適切ではない距離となることも、
ありうるのではないか、
、、、と思ったのでした。
(繰り返しですが、文脈によっては、です)
■ゆえに、1on1でもコーチングでも
目的は、
”相手との対話を促す中で
求める成果につながるように支援をする”
ことにあるとされます。
ゆえに、
練習は必要ですが
一定程度慣れてきたら、
「傾聴や質問の手法やツールに
縛られすぎない」
ように工夫をしてくことも大事なのだろうな、、、
そんなことを思った次第です。
■キャリアカウンセリングや
コーチングのロープレでは
ひたすら傾聴に徹することが
求められたりしますが、
ふさわしい行動は文脈に応じて変わります。
上司部下だと
傾聴よりフィードバックが欲しい、というパターンも
大いにあるもの。
その時々の目的と相手の期待を考え、
言葉や対応を選べるようにすることが大事なのだな、
改めてそんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
理性をむき出しに表さないで、
愛嬌というか、人情というか、
ともかくそうしたたぐいの衣装を着せて出すことが必要である。
本多静六
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【編集後記】
5月の走行距離10キロ。
(あとウルトラマラソンまで15日)
今週は1日を除いて、
それ以外はすべてストレングス・ファインダーの研修。
お互いの強みを認め、感謝をするということは
その対話の時間だけで、明日からの活力が生まれる
貴重な機会なのだな、と改めて感じています。
ありがとう、いつも感謝している、尊重・尊敬しているという
真摯な言葉が人をやる気にさせてくれるのかもしれません。
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