配信日時 2023/05/11 18:30

「コーチングっぽい話し方」が逆効果になるとき【カレッジサプリ】

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令和5年5月11日(第3365号)


「コーチングっぽい話し方」が逆効果になるとき


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2078字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は某企業の幹部の皆様への
ストレングス・ファインダー研修の実施でした。

10年来のお付き合いとなった会社様ですが
こうしたご縁が続いていることが本当にありがたいなあ、
と感じた1日でした。

(改めて、ご参加頂きました皆様、
 ありがとうございました!)



さて、本日のお話です。

先日、大学院のコーチングの授業に
アシスタントとしてサポートさせていただく機会がありました

その際に、

私もコーチングのロープレに
参加者として参加をしたのですが、

「コーチングっぽい話し方は
 注意が必要だな・・・」
 
と反省することがありました。

今日はそのお話について、
思うことのご共有させていただければと思います。

それでは、まいりましょう!

タイトルは



【 「コーチングっぽい話し方」が逆効果になるとき  】



それでは、どうぞ。



■コーチングのロープレの振り返りにて。

こんな感想を
口にされる方がいました。

「話したことについて
 毎回オウム返しされるのって
 苦手なんですよね」

、、、と。


有名な傾聴の技法として

・あいづち
・くりかえし(オウム返し)
・要約・言い換え

などが知られています。



■いずれも大事な聞き方で、
その効果も証明されています。

例えば、

・相手の話に対して
”言葉でも仕草でもリアクション”をする。
(例:うなづき、あいづち(うん、うん)など)

あるいは、

・”相手が言ったことを繰り返す”。
 (例:腹が立ったんです→腹が立ったんですね)

また、もう少しレベルをあげて

・”相手の言った話を要約してまとめる”
(例:つまり、XXXということですね)

などなど。

聞き上手な人がやっている聞き方で、
直感的に聞いてくれている感じがでるので、
相手の話は引き出しやすくなります。

とても、便利です。



■あるいは、

ちょっと上級になった
コーチング的な質問には、

「お話してみていかがですか?」
(=振り返りを促す)

「今何を感じていますか?」
(=感情を問う)

「体でいうと、どの部分にどんな感じがありますか?」
(=体感覚を問う)

などの技法もあります。

これらの技法は、
適切に使うととても気づきが得られ
パワフルであるものも多いです。


ゆえに、コーチングスクールの練習では
これらの質問も頻繁に登場します。



■、、、一方、これらの技法は
注意が必要とも思うのです。

まず1つ目のリスクしては


『わざとらしく見える』


という話。


例えばこれまで上司が、
そういう聞き方じゃなかったのに、

「(悲しいです)悲しいんだね」
「(うまくいかないんです)うまくいかないんだね」
「(頑張ったと思います)頑張ったと思ったんだね」

と繰り返しまくったりすると、

「この人、こういう風に聞けって
 研修でいわれたんだな・・・」
 
と感じてしまい、
冷めてしまう可能性があります。

(あー、繰り返しやってるやってる、
 それ前、本で読んだやつだ、、、みたいな)
 
 

■そして2つ目のリスクですが、


『コーチングっぽい聞き方が
 壁を作ってしまうことがある』
 

のでは、ということ。

これは私の感覚も含めた意見ですが、

「ここまで話をしてどうか?」
「何を感じているか?」

という、コーチングを学んだ人同士だから伝わる
抽象的な問いを、そのまま投げてしまうと、

コーチングスクールで学んだ人の間であれば
その意図も含めて伝わるとしても、

まったくの初めての人
(職場で部下に使うときなど)では違和感に繋がり、
質問の意図が伝わらず、効果を発揮できない、、、

ということがあるのでは
と感じるのです。



■もちろん

「あいづち、繰り返し、言い換え」

などの基本的な技法については、

ある程度練習をして、
自然に使えるようになったほうが
人と働く上で良いでしょう。


ただし、

”技法が優先しすぎる”と


「自分の話を聞いてくれている」
という感覚がクライアントの中に芽生えるというより

「コーチングっぽい話し方をする人だ」
という違和感を覚え、
気になって集中できないという人もいると思いますし、

そうすると目的の達成が
手段に振り回されることになっている、

とも思われます。



■「使う言葉」は

自分と相手に、特有の関係を生みます。

自然な感じで話をするのではなく、
ちょっと普段使わない喋り方をすると

そこに心理的な分断が生まれるかもしれず

それは文脈によっては
適切ではない距離となることも、
ありうるのではないか、

、、、と思ったのでした。

(繰り返しですが、文脈によっては、です)



■ゆえに、1on1でもコーチングでも

目的は、

”相手との対話を促す中で
 求める成果につながるように支援をする”
 
ことにあるとされます。

ゆえに、

練習は必要ですが
一定程度慣れてきたら、

「傾聴や質問の手法やツールに
 縛られすぎない」

ように工夫をしてくことも大事なのだろうな、、、

そんなことを思った次第です。



■キャリアカウンセリングや
コーチングのロープレでは

ひたすら傾聴に徹することが
求められたりしますが、
ふさわしい行動は文脈に応じて変わります。

上司部下だと
傾聴よりフィードバックが欲しい、というパターンも
大いにあるもの。

その時々の目的と相手の期待を考え、
言葉や対応を選べるようにすることが大事なのだな、

改めてそんなことを思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

理性をむき出しに表さないで、
愛嬌というか、人情というか、
ともかくそうしたたぐいの衣装を着せて出すことが必要である。

本多静六
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【編集後記】
5月の走行距離10キロ。
(あとウルトラマラソンまで15日)

今週は1日を除いて、
それ以外はすべてストレングス・ファインダーの研修。

お互いの強みを認め、感謝をするということは
その対話の時間だけで、明日からの活力が生まれる
貴重な機会なのだな、と改めて感じています。

ありがとう、いつも感謝している、尊重・尊敬しているという
真摯な言葉が人をやる気にさせてくれるのかもしれません。

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