配信日時 2023/04/10 09:39

「フリン効果」 ー時代によって知能指数が異なる話ー【カレッジサプリ】

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令和5年4月10日(第3334号)


「フリン効果」 ー時代によって知能指数が異なる話ー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1716字/読了時間2s分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は朝7時から17時まで、
65キロのランニング。

浅草から荒川を登って
朝霞市まで往復のコースでした
(ただただキツかった。。。)

来月のウルトラマラソンに向けて
脚を鍛えていきたいと思います。



さて、本日のお話です。

最近「発達心理学」に関する書籍、


『おとなが育つ条件 ー発達心理学から考える』
柏木 惠子 (著)/岩波新書
https://amzn.asia/d/0QnygIv


を読んでおります。


シニアの方の、
定年後のアイデンティティの再構築も、
これも発達心理学の範疇。

また、

2歳になる我が家の子の成長も
発達心理学という観点で見ると、
コレまた実に面白い。


人生を歩む上で

「発達心理学」という視点を持つと、
我々が通るであろう道を

予測させてくれて安心感や
興味深さを感じます。



ということで今日は、

上記の発達心理学の書籍で
紹介されていたお話の中から

面白いなあ、と思った内容を
ご紹介させていただきたいと思います。

それでは、早速まいりましょう!


タイトルは



【「フリン効果」 ー時代によって知能指数が異なる話ー】



それでは、どうぞ。



■『フリン効果』、

なる言葉があります。


ある研究で


「時代によって
 知能指数(IQ)が変わっていた」

 
ことを発見したことから
名付けられた効果です。
(Flynn, 1998)



■補足すると、

発達とは生育環境によって規定され、
特徴づけられます。


たとえば、

・アメリカで育ったか、
・日本で育ったか、

の「国や文化」の影響もそうですし、

・どんな親から
 どのように育てられたか、

という「親」も影響しますし、

・どんな学校で育ったか、
 どんな教育を受けたか

などの「学習環境」も影響します。


国や文化、あるいは親や
学校が個人の発達に影響してくる、

このあたりは感覚的にも
納得がいくところかと思います。



■ただ、興味深いのがその次。


「”時代”の影響もある」


と定義したところ。


どういうことかというと、

1952年と1982年のオランダ人の
知能検査結果(IQ)を見ると、

1952年 中央値 100
1982年 中央値 117

30年間で向上する方向に
推移しているのです。
(Flynn, 1998)


つまり、時代が進むと
我々のIQが進化していた、、

ということなのか?




また、別の研究では、

”誕生年によって
 どのような能力に長けているか”

をみたときに、

1890年から1930年に
年が推移していくに従って

・ことばの意味
・空間的推論
・帰納
・ことばの流暢さ

は時代と共に向上していった結果を
報告しました。
(Shaire, 1983)

これもまた、

時代によって我々の能力が
進化したということなのか、、、?



■さて、

このことから伝えたいのは、

「時代が変わって
 30年間で遺伝子が変異して
 天才級の人が増えた」
 
とか

「1890年から1930年にかけて
 人類のIQが進化した」
 
という話ではありません。


これは「時代」が
変わったことによって、

・教育が普及した

・通信手段が普及して生活様式が変わった
 (素早い回答を促すようになった)
 
・要点を覚えるようになった

など

知能検査に有利な力や態度が
人々に身につき、

その影響として
知能検査の結果の差につながった

と説明をしています。



■なーんだ、そんなことか、

といえばそうですが、

社会の変化、
時代の変化というのは

私たちの知能にも
影響を与えているようです。


現代でも、

学習心理学を導入した
教育用のアプリや、

一人ひとりの学習進度に合わせた
教育手法の多様化で、

過去は難しかった教育も
可能になるような土台は整いつつあると
理解しています。


一方、

・「文字より動画」

・(それによる)「扱う言語の減少」

などの影響も
少なからずあるようにも感じます。

なので
(ヤバい、ハンパない、などなど)


、、、とすると、

「言葉を操る機会の消失」

によって、

「言葉によって考える
 人間の特性」

をもしかすると時代によって
減退することになるのかも、、、

とも思えますし
(個人の見解ですが)

どのような影響があるのかは、
気になるところです。



■いずれにせよ、こうした

「フリン効果」の存在を知ることで

親世代と子世代では
学び方も違うと理解できますし、


「俺たちの時代は◯◯だった」
 

という権威的なメッセージも
あまり効果的ではないのだろう、

と思わされます。


よって、
時代時代のやり方を
尊重していくことも大切なのだろう、、、

そんなことをフリン効果について
学びなが思った次第です。


「俺の時代は・・・」と
言わないように気をつけます。 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

一つのことが万人に当てはまりはしない。
めいめい自分にふさわしい流儀を求めよ。

ゲーテ
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【編集後記】
4月の走行距離75キロ。

65kmランニングをして体重が
65kg→63.5kgになりました。

体重が60kgの場合、消費カロリーは10kmあたり600kcalだそう。
加えて、脂肪を燃焼させるのは、脂肪1kgで9000kcal。

つまり、65km走ると、4000kcalの消費なので、
脂肪は500g弱落ちるということになりそうです。

これを多いと見るか、少ないと見るか、、、
いずれにせよ、5月のウルトラマラソンまで
体重は61kgまで落としたいと思いますので、
食事なども気をつけていきたいと思います。



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