配信日時 2023/04/09 06:34

今週の一冊『シニアと職場をつなぐ: ジョブ・クラフティングの実践』【カレッジサプリ】

---------------------------------------------------------------------------
皆さまの1日を5%元気にするビジネス系メルマガ『カレッジサプリ』
---------------------------------------------------------------------------
令和5年4月9日(第3333号)


今週の一冊『シニアと職場をつなぐ: ジョブ・クラフティングの実践』


株式会社カレッジ 紀藤康行
---------------------------------------------------------------------------

【メルマガ「カレッジサプリ」
  ぜひお友達にも教えてあげてください(ご登録はこちら↓↓)】
 https://www.courage-sapuri.jp/

------------------------------------------------------------------------------------


◎本メールマガジン(カレッジサプリ)は、

 外資系教育会社を経て、
 人材開発・組織開発の会社を経営する著者が、

 世界の名著や理論、体験談を元にした
 「人生にちょっと役立つ考え方」を通じて、

 ------------------------------------------------
 皆さまの1日を5%元気にする
 ------------------------------------------------

 ことを目的とし、3300日以上にわたって毎日お届けしている、
 500社3000名以上が購読するビジネスメルマガです。

 熟読するも読み流すも、ご自由な形でご活用下さい。

 ★紀藤康行プロフィール   https://www.courage-sapuri.jp/profile/

 --------------------------------------------------------------------------

(本日のお話 1756字/読了時間2分)

■おはようございます。紀藤です。

さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、
お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

=========================

『シニアと職場をつなぐ: ジョブ・クラフティングの実践』

岸田 泰則 (著)
https://amzn.asia/d/4vECNhW
=========================

です。



■「ジョブ・クラフティング」

という言葉があります。

この言葉の定義は、

”従業員が自ら仕事や人間関係の境界に関して行う、
 物理的・認知的変化”
(Wrzesniewski& Dutton, 2001)

とされています。

より噛み砕いた表現では

”自分の仕事を方向づけ、形作り、
 再定義する心理的・社会的・身体的な行為と表現できる”
(Wrzesniewski& Dutton, 2001)

とのこと。



■ジョブ・クラフティングの
下位3次元としては、

・タスク・クラフティング(職務範囲や役割の変更)
・関係的クラフティング(人間関係の境界の変更)
・仕事の意義の変更(認知的クラフティング)

を提示しており、

その成果(アウトカム)としては

・仕事に対する満足や柔軟性と仕事上の成長を促す(Berg at al., 2008)
・組織コミットメントや職務満足を高める(Ghitulesvu, 2006)
・ワーク・エンゲイジメントを高める(Time at al., 2012)

と述べられています。


つまり、

仕事の職務範囲や役割を変えたり
人間関係での範囲を変えたり
仕事の捉え直しをすることで

職務満足や仕事上の成長、
エンゲージメントなどを自ら高める行為

すなわち、

”自らの創意工夫で仕事をクラフト(手作り)する”

ということになります。



■そして、本書では

このジョブ・クラフティングについて
特に「シニア」を対象とした研究結果が
掲載されています。


その背景として

働く5人に1人はシニア(55歳以上)の時代だが、
政府も起業も個人もシニアが長く働くことに適応できていない
 
ことから、シニアと職場を繋ぐための
一つの登り方としてのジョブ・クラフティングを
提唱しています。



■本書では、

シニア雇用の現状の整理と、

ジョブ・クラフティングにまつわる
丁寧な先行研究のレビュー、

大企業のシニアに対する具体的な調査から、

マクロな視点と
(シニアの雇用の現状、課題の全体像)

ミクロな視点
(シニアが具体的にどのような変化を迎え
 どのような考え、感情を持っているのか)
 
の両面が、調査から見えてくるところが
魅力的だと思いました。


特に、質的研究という
インタビューデータをふんだんに用いた

シニアの方の変化を分析するところは
読み物として実に興味深く、
対象者の状況を想像することができます。



■また、シニアの方は

「縮小的ジョブ・クラフティング」

ということで、

仕事の役割や範囲を
縮小することでモチベーションを維持する、

というその世代に独特のキーワードも
印象的でありました。



■以下、本書の紹介、
ならびに構成となります。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<本書の紹介>

シニアが企業で働くなかで
自らを活性化させる手段としてのジョブ・クラフティングに注目。

本書では,シニアに特有なジョブ・クラフティングはどのようなものなのか,

シニアにおいてもジョブ・クラフティングが
有効なものなのかということを調査分析する。

シニアのジョブ・クラフティングの内実に迫ることで、
シニアと職場をつなぐ実践的な示唆を提示。

※Amazonより

**

<本書の構成>

第1章 シニアの福祉的雇用の現状とシニアの活性化の必要性
    ジョブ・クラフティングの概念の有効性
    
第2章 シニア雇用政策の先行研究レビュー

第3章 ジョブ・クラフティングの先行研究レビュー

第4章 調査デザイン
    分析手法 M-GTAの採用理由と調査分析プロセス

第5章 分析結果1
    大企業X社に勤務するシニアの、職務範囲や仕事の意味づけ・対人関係の変容プロセス

第6章 分析結果2
    大企業11社に勤務する定年再雇用者の縮小的ジョブ・クラフティング(再雇用の立場の受容)のプロセス

第7章 分析結果3
    第6章で分析したシニアの縮小的ジョブ・クラフティングに対する上司の知覚

第8章 シニアの縮小的ジョブ・クラフティングの理論的・実践的意義と今後の研究課題

※著書より引用
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)


シニア雇用や活用に関わる人事の方には、
特におすすめの一冊でございます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

==========================
<今週の一冊>

『シニアと職場をつなぐ: ジョブ・クラフティングの実践』

岸田 泰則 (著)
https://amzn.asia/d/4vECNhW
===========================

【編集後記】
4月の走行距離10キロ。

茨城の実家にいったら
減らした体重がすっかり元に戻ってしまいました(汗)

本日はこれから大学院の仲間と
60キロのランニング。

5月のウルトラマラソンに向けて
今日から体重を落としていきたいと思います。
(前も言った気がしますが、、、)



【メルマガのご感想について】
メルマガのご感想は、このメールに直接ご返信いただければ紀藤にのみ届きます。
どんなことでも、お気軽にご連絡くださいませ。
皆さまのメッセージが励みになります!

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
 メルマガ「カレッジサプリ」公式サイト https://www.courage-sapuri.jp/
 ★バックナンバーはこちらから読めます★  https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

【メルマガ登録・解除について】
※メールアドレスの変更について
 ⇒「現在のメールアドレスの配信停止」→「新アドレスでの登録」にて
   ご対応お願い申し上げます。
※メルマガのご登録はこちらから
 ⇒ https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=HSfoIRnMfw
※メルマガの配信停止はこちらから
 ⇒ https://1lejend.com/stepmail/delf.php?no=HSfoIRnMfw