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令和5年3月27日(第3320号)
「ベストな自己」を探究すると、自尊心が高まる
ーリフレクテッド・ベスト・セルフの研究よりー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2012字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は大学院の仲間との
リレーマラソンに参加してきました。
真剣な大会でもないはずなのに
「タスキをつなぐ」という目的があると
いつもよりも頑張ってしまうのが不思議です。
誰かのために頑張る、なのか
なんとか順位を落とさず繋ごう、なのか
動機の源はわかりませんが、
”誰かと走るとより頑張れる”
というのは事実だな、
と感じた週末でした。
*
さて、本日のお話です。
今日も引き続き、
ポジティブ心理学のお話について、
皆様にご紹介できればと思います。
今日は、有名な
「リフレクテッド・ベスト・セルフ(内省したベストな自己)」
の研究について
ある論文からの学びをご共有させていただけばと思います。
それでは、早速まいりましょう!
タイトルは
【「ベストな自己」を探究すると、自尊心が高まる ーリフレクテッド・ベスト・セルフの研究よりー】
それでは、どうぞ。
■「最高の自分を思い描く」、
というのは、
自己改善・向上において
有名なワークの一つです。
ただ、こうした
「最高の自分」とか
「ベストの自分」というと
ちょっと抵抗感がある方も
いらっしゃるかもしれません。
■その中で、この効果について
検証をしている研究があります。
それが、
”Composing The Reflected Best-Self Portrait: Building Pathways For Becoming Extraordinary In Work Organizations.”
(日本語訳:「リフレクテッド・ベスト・セルフ(内省したベストな自己)」を構成する:職場組織において特別な存在になるための道筋を築く)
Roberts, Laura Morgan, Jane E. Dutton, Gretchen M. Spreitzer, Emily D. Heaphy, and Robert E. Quinn.(2005).
なる論文です。
■論文の内容を要約すると、
以下のような内容になります。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【論文の要約】
Composing The Reflected Best-Self Portrait: Building Pathways For Becoming Extraordinary In Work Organizations.”
(日本語訳:「リフレクテッド・ベスト・セルフ(内省したベストな自己)」を構成する:職場組織において特別な存在になるための道筋を築く)
<概要>
・本研究において、
個人が自己理解と自己改善を促進するための方法として、
『「リフレクテッド・ベスト・セルフ(RBS)」エクササイズ』を提唱している。
・このエクササイズは、過去の経験、出来事、人々からのフィードバックを通じて、
人々が「最高の自己像を描くこと」を目的としている。
・『「リフレクテッド・ベスト・セルフ(RBS)」エクササイズ』が
個人の自尊心、自己効力感、ストレス耐性、幸福感に与える影響を調査した。
<仮説>
・個人の自尊心、自己効力感、ストレス耐性、幸福感を高めることができる。
<方法>
・『「リフレクテッド・ベスト・セルフ(RBS)」エクササイズ』の実験は
MBAの学生に対して以下のステップで行われた。
1)データ収集:
RBSのインストラクションと質問を配布する。
2)データの分析:
自分自身で「自らが成し遂げた目標や成功事例」について自由に書き記す。
そして、”自己の最高のパフォーマンスを示す特徴”を特定し、
それに関連するストーリーや体験を分析する。
3)フィードバックの提供:
集めたデータをまとめ、自己評価と照らし合わせてフィードバックを提供する。
(※他者(10人以上)に「被験者の過去の成功・成果・印象に残った場面」
「被験者の魅力的な特性や資質」を書き出してもらい、フィードバックをもらう)
4)行動計画の策定:
フィードバックをもとに、自己理解の向上につながる行動計画を策定する。
<結果>
・研究の結果、「リフレクテッド・ベスト・セルフ」エクササイズが
個人の自尊心、自己効力感、ストレス耐性、幸福感に有意な効果をもたらすことが示された。
・特に、自尊心に対する効果は大きく、
エクササイズ前よりもエクササイズ後において高い自尊心を維持することができた。
※参考:
Roberts, Laura Morgan, Jane E. Dutton, Gretchen M. Spreitzer, Emily D. Heaphy, and Robert E. Quinn.(2005).
”Composing The Reflected Best-Self Portrait: Building Pathways For Becoming Extraordinary In Work Organizations.”
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■なるほど、興味深いです。
特に面白いな、と感じたのが、
1)自分自身で
”自己の最高のパフォーマンスを示す特徴(ベスト・セルフ)”を考えた上で、
2)他者(10人以上 ※結構多い)から
”その人の成功・成果、魅力的な特性や資質”を書いてもらい
フィードバックをもらう
という
「内面的自己認識」
(=自分から見たベスト・セルフ)
に加えて
「外面的自己認識」
(=他者からみたベスト・セルフ)
のフィードバックを募集し、
その人の自己理解を高める、
という二段構えになっていることです。
■そして、たしかに言われてみれば
これらのワークが
・自尊心
・自己効力感
・ストレス耐性
・幸福感
に影響を与えるのは想像に難くありません。
また、そうした他者から評価される
自らの特性や資質を理解すれば、
それを意図的に使うことも容易になるでしょう。
■もし職場内で
少し重たい空気になっている、
お互いに対話が少なくなっている
などがあれば、
このようなワークを
職場で実際にやってみることで
自尊心が高まり、自己効力感が高まり
より活気が出る職場に近づく一助になるかと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
一芸一能を身に付けておけば、
ビジネス社会でも心に余裕が持てる。
大山倍達
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【編集後記】
3月の走行距離155キロ。
大学院も修了式を終え、いよいよ4月。
ここからは外に開いていきたいと思います。
勉強会も、色々やろうと思います。
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