配信日時 2023/03/13 09:20

海上自衛隊に見学へ行きました ー自衛隊の教育システムのお話ー【カレッジサプリ】

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令和5年3月13日(第3306号)


海上自衛隊に見学へ行きました ー自衛隊の教育システムのお話ー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2160字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

この週末は大学院の同期と卒業旅行でした。

横須賀に立ち寄ったため、
2日目には社会科見学とのことで、

「海上自衛隊 見学ツアー」

に参加。

非常に勉強になる&面白い体験でした。


今日はこの自衛隊見学についての学びを
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは、早速まいりましょう。

タイトルは、



【海上自衛隊に見学へ行きました ー自衛隊の教育システムのお話ー】



それでは、どうぞ、



■横須賀には、

「海上自衛隊 横須賀地方総監部」

そして、

「横須賀海軍施設(米海軍横須賀基地)」

がありますね。


その事はまあ知っていたものの、
訪れたことはありません。

ましてや、

護衛艦などは、映画か、
またはプラモデルの世界の話。

リアリティのある世界では
正直ありませんでした。



■そんな中、

大学院の同期の仲間が
こんなツアーを見つけてくれました。



「艦艇見学について_海上自衛隊」
https://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/event/event.html



どうやら、

海上自衛隊 横須賀地方総監部の
敷地内に入り、実際に使われている
護衛艦の艦内を見学できるそうです。

マニアにとっては
垂涎モノの企画です。



■そして、駅からしばし歩き、
横須賀地方総監部に訪れて

そのまま4つある護衛艦のうち一つの
『むらさめ』に案内をされて
艦内に乗り込みました。


そこでは、護衛艦(英語ではDestroyer)
という言葉どおり、

主砲
対空ミサイル
対潜水艦ミサイル
給油システム
操縦室

などなど、

その機能の説明とともに
教えていただきます。

改めて
「戦闘のためのもの」なのだと
知らされるとともに、

「これが有事のときは
 出動するのか・・・」

とか、

「有事のときはここが
 ミサイルが打ち込まれたり
 沈没する/されるなどが起こるのか」
 
など

昨今の情勢も鑑みて
勝手にあることないことを
想像してしまいました。


ただ、

”こうした生のものを見ることで
 その周辺領域もリアリティを持って
 想像できる”

とも感じたのでした。



■、、、と細かい話をすると、
他にも色々あるのですが、

その中で最も興味深かったのが


「自衛隊の教育システム」


です。



結論から言えば、
何が印象的だったかというと、


『自衛官は”学び続ける仕組み”がある』
 

という話です。


まず、前提としてですが
自衛隊の場合、

中学校卒業、高等学校卒業後、
入隊をすると「曹・士」から始まります。

陸上自衛隊を例にとると、

・2等陸士→ 1等陸士→ 陸士長
・3等陸曹→ 2等陸曹→ 1等陸曹→ 陸曹長→ 順陸尉

となります。

ここまでが幹部以下なので、
いわゆる一般職、みたいなイメージでしょうか。


そして、防衛大学校卒業、
または幹部昇任試験を経た人は
「幹部」(いわゆる管理職)にになります。

ここでは、

・3等陸尉→ 2等陸尉→ 1等陸尉
・3等陸佐→ 2等陸佐→ 1等陸佐
・陸将補
・陸将

となっていきます。


イメージを企業に当てはめると

・主任→ 係長→ 課長→ 次長→ 部長→ 事業部長→ 役員

みたいな感じかもしれません。



■そして、では一旦入隊したら、
それで終わりかというと
違うそうなのです。

入隊後も

「何回も学校に行く」

そうです。


例えば、

案内をしていただいた自衛官の方は、
入隊後、技術高級家庭に合計4度、
まとまって学びにいっている、

と語られていました。



■このことについて、

少し気になって
調べてみるとこんな論文がありました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
”米海兵隊の昇任制度と高等教育制度について
 ―陸上自衛隊・米海兵隊比較を通して―

 諏訪猛(2021).大学経営政策研究
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とのこと。


この論文で語られていることは
主にこんなお話でした。

まず、

・自衛隊は、米軍の教育制度を参考に
 高級幹部へのキャリアパスとして教育課程を設置してきたので、
 教育制度上は日米に共通点は多い。


そして米国では
どのような教育課程かというと

・米国の海兵隊大学における基本教育は
 大学、大学院修士レベルに設定されている。
 軍事専門科目を履修することで、大学及び大学院の単位を取得できる。
 
・米海兵隊の高等教育プログラム履修によって授与される学位(修士号)取得は、
 将校のキャリアパスに果たす役割が非常に大きい。
 
としています。



■そして、

海兵隊の修士号取得に該当するものとして
日本の自衛隊では

・幹部特修過程
・技術高級課程
・指揮幕僚過程
・幹部高級課程

と4つの履修課程が整っています。

論文から引用すると
日本の現状は以下とのこと。

・陸上自衛隊の教育訓練期間においては、
 文科省外の教育機関には、学位の認証制度が発達しておらず
 自衛隊の職種訓練が大学の単位として認められることは現在では難しい。
 
・一方、防衛省は、防衛大学校に
 他国軍と数的に同レベルの修士号学位取得社を排出することを目的として
 研究科(博士課程前期・後期)を設置した。
 
 世界で初めて士官学校に大学院が設置されたことであり
 (中略)画期的なことである。
 
とのこと。


文科省の認可ではない防衛大学校は
学位の認証制度の制度上の課題があるものの、

教育の制度を整備しており
それを形にしている、

ということのようです。



■いずれにせよ米国・日本どちらも、

「大学、大学院修士レベルの学びを
 取得していくことがキャリアパスに資する」

とあったのは、

昨日の艦隊見学ツアーの中で
自衛官の方がお話をされていた

「何回も学校に行っている」

という話に加えて、

今注目されるリカレント教育
リスキリングなどの言葉も彷彿されて
共通点を感じ、興味深く思ったのでした。



■護衛艦「むらさめ」を降りる際に、

自衛官の方が
こういっていたのが印象的でした。

「民間でも、
 皆様のように社会人になられた後、
 大学院に入られるなどの仕組みがあるのですね。
 知りませんでした」

と。

それを聞いて、
全く同じことを自衛隊に対しても
感じておりました。

組織の当たり前は
それが普通か特異かも
外に出てみないとわからないものですが、

共通点として


『学び続けること』


はどんな世界でも
不変のことのように感じた、
そんなツアーでございました。


とても興味深いツアーでした。

皆様も、よろしければぜひ。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

自分の経験は、どんなに小さくても、
百万の他人のした経験よりも価値のある財産である。

レッシング
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【編集後記】
3月の走行距離77キロ。

先日言ったのが、三浦半島でしたが
伊豆とごっちゃにしておりました(お恥ずかしや)

どちらもいったことがあるものの、
神奈川の方にある半島、とひとくくりにしておりました。
地図を見たら全然違うやん、、、とうなだれておりました。



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