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令和5年2月6日(第3271号)
セルフ・キャリアドックってなんだ? ー従業員のキャリアを支援する取り組みー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2995字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日日曜日は、
家事をしつつ読書勉強会への参加。
また大学院の仲間の勉強会への参加でした。
また、16キロのランニング。
*
さて、本日のお話です。
今日もキャリアについての学びを
皆様にご共有させていただければと思います。
本日は
『セルフ・キャリアドック』
なるものをテーマに
お話をさせて頂きたいと思います。
それでは、早速まいりましょう!
タイトルは
【セルフ・キャリアドックってなんだ? ー従業員のキャリアを支援する取り組みー】
それでは、どうぞ。
■「セルフ・キャリアドック」
という用語があります
人事に関連する方は
耳にしたことがあるかもしれませんが、
平たく言えば、
”企業が従業員の主体的なキャリア形成を
促進・支援する取り組みや仕組みのこと”
とされます。
よりかしこまって言えば、
・業務遂行に必要な技能や知識について
情報を提供すること
・職業能力の開発や向上において、従業員の求めに応じて
キャリアコンサルティングの機会を提供すること
・その他の援助をすること
であるそうです。
(※職業能力開発促進法10条の3 第1項1号より
内容を簡易にして編集しました)
■しばしば人事や経営者から
話題に上がるのが、
「こういったキャリアって
会社がどこまで面倒みるものなの?」
「個人が自分で考えるものじゃないの?」
という問いというか
疑問のような声です。
個人的は「そんなの自分で考えるものでしょ」と
思ってしまう私(紀藤)がいますが、
一方、それはややマッチョ系の考え、
と思う自分もおります。
■キャリアの責任は、
個人の仕事生活にかかわる人生とのことで
基本は「個人」に帰すると思います。
ただし、今のところ
従業員の多くは組織の中で
時間を過ごしており、
何も準備がない中で突然、
「キャリアは自己責任です」
と唐突に言われると、
いわゆる、
”肩たたき研修”
”黄昏研修”
などと揶揄されてしまい、
なんだかネガティブな色合いがする
斜に構えられてしまうものになりかねません。
それは当人にとっても、
組織にとっても辛いところ。
■ゆえに、常日頃からの
「企業からのキャリアへの啓蒙・啓発」
「企業によるキャリアを考える機会」
をメッセージし、
提供していくことは、
中長期的な施策として
企業にとっても個人にとっても
重要なことであろう、、、
と思われます。
キャリアの著書から引用させていただくと、
・IT化の進展や国際競争の激化などにより、
企業はビジネスモデルや事業内容の大胆な変化を迫られている。
・ゆえに、従業員一人ひとりが社会や組織の変化を
先取りする形で変革に対応し、持てる力を発揮することが求められる。
・そのために、自らのキャリアについて
主体的に考え、構築していく必要がある。
※浅野浩美(2022).『キャリアコンサルタント・人事パーソンのためのキャリアコンサルティング』.労務行政 p.162
とも表現されます。
■そうなのですよね、、、
言われてみたら、
誰もがどこかでわかっている話。
ゆえに、当たり前すぎることで
「そんなのわかってるよ」と思うゆえ、
かつ、すぐにどうこうできる話でもないので
なんだか正論を言われると、
腹が立つということもありそうです。
また現実問題、
こうしたキャリアに対する啓蒙による離職のリスク
望むキャリアに対するポストがないなど
特に中小企業には存在している課題であり
それも言うは易し行うは難しでもあります。
■いずれにせよ、
キャリアの意識は
変化が激しい中で、国全体として
考えていく事が必要だよね、
ということで
『セルフ・キャリアドック』
の導入が国からも推奨されている、
というのが昨今の状況です。
導入により「期待される効果」として
・従業員にとって、
「自らのキャリア意識や仕事のモチベーション向上」
・企業にとって、
「人材の定着や活性化を通じた組織の活性化」
- 新卒採用者の定着率向上
- 育児・介護休業者の職業復帰率向上
- 中堅社員の活性化
- シニア社員の生涯キャリアの設計とその実践
とされています。
■そして、この
『セルフ・キャリアドック』を
組織において導入が成功するためには、
以下の3つのステップが必要であるといいます。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<セルフ・キャリアドックの導入のプロセス>
1)経営者のコミットメント
・経営者が自ら、セルフ・キャリアドックを導入し、
組織を活性化していくことを社内(全従業員)に対して
宣言することにより、組織全体としてセルフ・キャリアドックが推進される
※(補足):
どんな施策も、経営者のコミットがあると、
やはり広がり方が違ってくると思います。
一方、リアルな話でいえば、
経営者は成果を出さなければならない中、
「キャリア」は短期的な成果に繋がるイメージが持てません。
また、キャリアについて考え、自信を持つと、
実は離職にも影響があるという研究もあります。
キャリアとか考えさせたら辞めそう、という感覚は
ある意味あたっているといえます。
ゆえに、経営者も推進したほうがよいけれど、
なかなか踏み込めない、、という気持ちにあるため
長期的な視点で「なぜやる必要があるのか」を
議論していく必要があると思われます。
**
2)人材育成ビジョン・方針の策定
・人材育成ビジョン・方針とは、
企業の経営理念を実現するために
従業員に期待する人材像とそのための人材育成方針を明らかにするものである。
※(補足):
当たり前のようですが、
「求める人物像」(例:自らのキャリアを主体的に考え、変化に対応できる人など)を
言葉として整理をし、伝え続けることは、
続く施策に一貫性を持たせる上でも重要なことです。
ゆえに、単純なようですが、
これらの人材育成ビジョンや方針を明確にすることは
具体的な施策をまとめる、抽象的な目的として大切です。
**
3)社内への周知
・対象となる従業員だけではなく
「その上司(現場の管理職)」にもその趣旨を理解してもらう必要がある。
そうしなければ、快くキャリア研修や
キャリアコンサルティングに送り出してもらえない、
という支障が出てくる。
※(補足)
また、現場の管理職自身が、
キャリアについての意識を持つことは、
部下に対して、より効果的な支援をする上で
ポジティブな影響もあることと思われます。
キャリアの施策を行う上で、
あらゆる階層で含めてキャリアのことを考えることは
社内への周知のために重要なことと思われます。
※浅野浩美(2022).『キャリアコンサルタント・人事パーソンのためのキャリアコンサルティング』.労務行政 p.163-164
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■そして、具体的な施策として
・キャリア研修
・キャリアコンサルティング
などが続く、というものが
代表的なパターンと言えます。
■、、、と、
一般的な話を書かせていただきましたが、
実際にこれを「言うこと」と「やること」の間には
万里の隔たりがあるもの。
また、やったからといって
即時的に効果があるとも限りません。
しかし、
このような補助線があることで
実施はしやすくなるものですし、
このような業員のキャリアを
考えてくれている、
という企業のスタンスは
結果的に回り回って
組織の価値を高めてくれるものではないか、
そのようにも思います。
ということで、本日は
「セルフ・キャリアドック」の
ご紹介でございました。
ご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
善きことはカタツムリの速度で動く。
マハトマ・ガンディー
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【編集後記】
キャリアコンサルタント試験まであと27日。
ゆっくり休日は休んで、
平日から仕事を頑張るリズムって大事だなあ、と思いました。
思った以上に、論文のプレッシャーは大きかったのだと
しみじみ感じている提出後のこの頃です。
(1ヶ月経って改めて感じております)
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