配信日時 2023/01/26 09:19

「丸いくぎは丸い穴に。」ー人と職業のマッチング理論のお話ー【カレッジサプリ】

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令和5年1月26日(第3261号)


「丸いくぎは丸い穴に。」ー人と職業のマッチング理論のお話ー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1953字/読了時間2分)


■おはようございます。紀藤です。

さて、本日のお話です。

本日もキャリアについての学びをテーマに
お届けさせていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは



【「丸いくぎは丸い穴に。」ー人と職業のマッチング理論のお話ー】



それでは、どうぞ。



■「丸いくぎは丸い穴に」。


これは、”職業指導の父”とも呼ばれた
パーソンズ(Parsons,F.:1854~1908)の
有名な言葉です。

今から100年以上も前の1909年に
職業指導の元になる考えとして、
『職業の選択』を著します。

そして、それは、
「特性・因子理論」と呼ばれる
キャリアの理論の原型となりました。



■人と職業のマッチング。

当たり前の考えかもしれません。

でも、この

「丸いくぎは丸い穴に」

という考え、
意外と出来ていない場合も、
少なくないようにも思えます。



■例えば、

自分の特性が「○」であったとします。

しかし、
自分が入った組織(会社など)で
求められているものは「□」でした。


真面目であるほど
周りからの期待になんとか答えようと
「□」になろうと頑張ります。

自分の「○」の柔らかい特徴を削り、
カチっとして四角くなろうとする。

でも、元々、自分は○。
だから、いくら削っても、
やっぱり丸く再生してしまう。

そして、その都度、
落ち込んでしまう。。。

「なんで自分は、
 皆のようにカクカクできないのだろう」
 
、、、と。



■こういうときは

「○」が求められる環境にいけば
自分の「○」と”適合”するのですが、

環境を選ぶのではなく、
環境に自分を合わせようとしすぎることは
少なくないように思います。
(特に日本ではそう)



■では、そんな中で、

仕事において、
どのように選択をすればよいのか。

パーソンズが語る

「マッチング理論」
(=個人の特性と職業に求められる能力が
  マッチしていればいるほどよいとする考え)

を目指すとしたときに、
どのような点に気をつけるとよいのでしょうか。

以下、

・3つの指針と7つの要素

について提示されていますので、
ご紹介させていただきます。


(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<人と職業の適合のための3つの指針>

1)自分自身(適正、能力、興味、目標、強み、弱みなど)について
  はっきり理解すること
  
2)仕事(仕事の内容、求められる要件、有利な点・不利な点、
  報酬、就職の機会、将来性など)について情報を得ること
  
3)上記について、合理的な推論をし、人と仕事のマッチングをすること


<人と職業の適合のための「7つの要素」>

1)個人資料の記述
2)自己分析
3)選択と意思決定
4)カウンセラーによる分析
5)職業についての概観と展望
6)推論とアドバイス
7)選択した職業への適合のための援助


※引用元:浅野浩美(2022).『キャリアコンサルタント・人事パーソンのためのキャリアコンサルティング』.労務行政, p49-50

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。



■なるほど。

・自分を知り、
・仕事を知り、
・合理的な推論をする。

そのために、

・自分自身の分析を行い
・他者からも分析を行ってもらい
・仕事の今とこれからの分析をする。

実にシンプルです。

就活の基礎的な話ともいえそうです。



■さて、
この話は1900年代から始まり、

当時は情報の流通も、
仕事や働く人の多様性も
今よりも限定的でした。

現在は、
転職のサービスも増えて
自己分析などのツールも機会も
以前よりも手軽にできるようになっています。

加えて、働く環境も
仕事の多様性、組織の多様性、
組織のミッションや風土なども、
多岐にわたるようになってきました。


ゆえに、今は、

「丸いくぎを丸い穴」

はある程度叶えられているとしても
それよりも更に進んだ、

「複雑な鍵を、複雑な鍵穴に」

というような、

複雑性を加味したマッチングが求められており
それでようやく満足できるような時代になった、

ようにも個人的に感じております。



■もしかすると、

完全にフィットする場所を見つけることは、
青い鳥症候群のような
理想郷を見つけ続けようとする

現実逃避のような姿に
見えるのかもしれません。

しかし時代が変わり、

「より自分にあった場所」を求めることは、
必ずしも悪いことではない、

となりつつあるようにも思います。



その当事者が

・人のせい、環境のせいにせず、
 自分が変えられることにフォーカスをできる

・自分の専門性を育ててきている
 
・その上で、自分自身の強みを活かそうと思える

そんな状況であれば

”自分という「鍵」にあう
 「鍵穴」を探していく”

こうした発想も有用だと思いますし、

それが見つかったとしたら

自らの幸福度も高めつつ
自分の能力ももっと発揮する
きっかけになり得るのだろう、

などと思った次第です。



■もちろん

鍵と鍵穴がハマれば
それで全てOKという
シンプルな話でもありませんが、

一つの要素として
重要な考えだな、と思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

わけのわかった人は、自分を世の中に適合させる。
わからず屋は自分に世の中を適合させようと頑張る。
だから全ての進歩はわからず屋のおかげである。

バーナード・ショー

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【編集後記】
キャリアコンサルタント試験まであと38日。
この数日の寒波で、ベランダのトマトが
しなしなになってしまいました(涙)
この冬、どうにか乗り越えてほしい。
そんなことを願った朝でした。


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