配信日時 2023/01/18 22:41

変幻自在のキャリア ープロティアン・キャリアー とはなにか(前編)【カレッジサプリ】

---------------------------------------------------------------------------
皆さまの1日を5%元気にするビジネス系メルマガ『カレッジサプリ』
---------------------------------------------------------------------------
令和5年1月18日(第3253号)


変幻自在のキャリア ープロティアン・キャリアー とはなにか(前編)


株式会社カレッジ 紀藤康行
---------------------------------------------------------------------------

【メルマガ「カレッジサプリ」
  ぜひお友達にも教えてあげてください(ご登録はこちら↓↓)】
 https://www.courage-sapuri.jp/

------------------------------------------------------------------------------------


◎本メールマガジン(カレッジサプリ)は、

 外資系教育会社を経て、
 人材開発・組織開発の会社を経営する著者が、

 世界の名著や理論、体験談を元にした
 「人生にちょっと役立つ考え方」を通じて、

 ------------------------------------------------
 皆さまの1日を5%元気にする
 ------------------------------------------------

 ことを目的とし、3200日以上にわたって毎日お届けしている、
 500社3000名以上が購読するビジネスメルマガです。

 熟読するも読み流すも、ご自由な形でご活用下さい。

 ★紀藤康行プロフィール   https://www.courage-sapuri.jp/profile/

 --------------------------------------------------------------------------

(本日のお話 1954字/読了時間2分)


■こんにちは。紀藤です。

さて、本日のお話です。

本日も引き続き、
「キャリア」についての学びを、
皆様におすそ分けさせていただければと思います。


本日は、

『プロティアン・キャリア』
(=変幻自在のキャリア)

がテーマです。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、



【変幻自在のキャリア ープロティアン・キャリアー とはなにか(前編)】



それでは、どうぞ。



■ギリシャ神話に
「プロテウス」という神様がいます。

プロテウスは

火にもなり、
水にもなり、

何にでも変幻自在に
姿を変えることができました。


そこから転じて、

社会や経済の変化に対応しながら、
自らを変えていくことができるキャリアを

『プロティアン・キャリア』

と、ダグラス・ホールは名付けました。


いわゆる、
「キャリアにおける自律」と近い考え、
ともいわれています。



■さて、

なぜこの考えが
注目されるようになったのでしょうか?

実は、この考えが出てきたのは、

1980年代の産業社会における
構造変革が背景にあります。


”個人と会社組織の心理的契約が  
「従来の長期にわたる関係」から、
「短期的な、貢献と利益による関係」へと変わったから”

であるといいます。



■心理的契約とは、
「暗黙の期待」を意味します。


これまで従業員は会社に対して
「長く雇ってくれること」を暗に期待し、

会社は従業員に
「長く雇用し続けること(終身雇用)
 その代わり転勤や異動を受け入れること」を
暗に期待していました。

そんな、お互いへの
「暗黙の期待」がこれまではあったのが、


”終身雇用はもう無理”

となったことにより、

長期での関係ではなく
短期的な「貢献と利益」という
暗黙の期待に代わって行った、

というわけです。


もちろん、上記は

米国における変化であり、
日本と同じとは言えません。

ただ、同じ流れの線上にはいる、
といってよいかと思います。




■これはいわゆる、
「100年時代」とも言い換えられる話かと。

組織の寿命よりも
個人のキャリアの寿命の方が長くなった、

そんな今の時代だからこそ、

「個人が変わり続けること」

が求められているし、

そうしたほうが生き残る可能性が
高くなっていく時代でもある、

ともいえそうです。

そしてそのために役立つ考え方が

「プロティアン・キャリア」

と言う、そんなお話です。



■ちなみに、

この考え方を提唱した
ダグラス・ホールの理論の軸には、
以下の2つがありました。


1)キャリア発達の最終的な目標は”心理的成功”である

2)キャリアは”人間関係における相互学習”の中で発達していく


とのこと。

※引用:渡辺三枝子(編著)(2018)『新版 キャリアの心理学[第2版] キャリア支援への発達的アプローチ』.ナカニシヤ出版 p.181



■まず1)ですが、

キャリアの目標は
心理的成功、と述べています。

つまり、

「あくまでも本人が
 自分自身でキャリアで成功したと思えること」
 
と言っている点が特徴です。


しばしば、
”キャリアアップ”という言葉が
転職市場で使われることがあります。

これは能力を向上させ、
経歴を高めることを意味しますが、
必ずしもキャリアの成功を意味しません。

(これはコンサルが作った造語で
 そもそもキャリアの研究に
 キャリアアップという考えはない、
 と聞いたことがあります)

市場の中でいう
履歴書に書ける経歴を高めたとしても、
それが本人にとって、
”成功”と言えるかどうかはわかりません。



■ホールの理論では、

キャリアの心理的成功とは

1,キャリアにおける使命と自信を通じた目的意識に動機づけられ、
(これこそが自分がやるべき仕事である、と思えること)

2,そのための努力を通じて、

3,その結果としての心理的成功、そして客観的成功を得ること、

としています。

「あくまでも、成功の基準は
 自分の内側にある」
 
このことが重要なのですね。



■そして、2)の

”キャリアは人間関係における
 相互学習の中で発達していく”

についてですが、
「相互学習」という考えも特徴です。


例えば、
上司と部下という関係。

これは部下だけが、
上司から学ぶだけではなく、

上司も部下との関わりの中で、
自らのマネジメントのあり方などを
相互に学んでいきます。


あるいは、
同僚から学ぶということだってあるし、

組織外の学びの場から
学ぶことも大いにあります。

人は人から学び、
そしてキャリアを発達させていくのです。



■「プロティアン・キャリア」を取り巻く
ホールの理論をまとめますと、

1)産業社会の変化とともに
  会社と個人の心理的契約が変わった世の中で
 
2)キャリア発達の最終目標である
 「個人の心理的成功」を達成するために

3)人間関係における相互学習を含めて
  自らを発達させていく

というお話でした。



■では実際に、

このプロティアンキャリアを
促進させるためにどのような要素が必要なのか。

このことについては
明日に続けたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

==========================
<本日の明言>

怠慢は魅力的に見えるけど、
満足感を与えてくれるのは働くことよ。

アンネ・フランク

==========================

【編集後記】
キャリアコンサルタント試験まであと46日。

昨日は午後から急にまた体調が崩れて
39度近くまで発熱しておりました。。。
(胃腸系の風邪だったようす)

年末年始のコロナ罹患に加えて、
この1月は何かある、、、と
思わずにはいられない今日この頃。
健康は、本当に大事です(切実)。


【メルマガのご感想について】
メルマガのご感想は、このメールに直接ご返信いただければ紀藤にのみ届きます。
どんなことでも、お気軽にご連絡くださいませ。
皆さまのメッセージが励みになります!

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
 メルマガ「カレッジサプリ」公式サイト https://www.courage-sapuri.jp/
 ★バックナンバーはこちらから読めます★  https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

【メルマガ登録・解除について】
※メールアドレスの変更について
 ⇒「現在のメールアドレスの配信停止」→「新アドレスでの登録」にて
   ご対応お願い申し上げます。
※メルマガのご登録はこちらから
 ⇒ https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=HSfoIRnMfw
※メルマガの配信停止はこちらから
 ⇒ https://1lejend.com/stepmail/delf.php?no=HSfoIRnMfw